日本の新進の写真家を紹介するアニュアルのグループ展。 今年のテーマはデジタル画像処理以前の技法 (フォトグラム、コラージュ、ピンホールカメラ、多重露光、露出) を駆使した 写真作品を制作している作家に焦点を当てたもの。 西野 荘平 [レビュー] や 春木 麻衣子 [レビュー] のように ギャラリーでの個展で観て気に入っていた写真家が参加しており、 ナラティヴというより、技法に意識的なフォーマルな作品が多く、そこが楽しめた展覧会だった。
この展覧会で最も興味を惹かれたのは、 ピンホールで撮ったカラー写真の 佐野 陽一。 ピンホールで撮った最近の作品というと、 佐藤 時啓 や 宮本 隆司 のもののように広角に風景を捉えたものをまず連想するのだが、 佐野 陽一 の作品はピンホールらしい甘い焦点と歪みながら普通の写真作品のような構図。 そこが新鮮に感じられた。 木漏れ日や光る水面などを甘い焦点の写真で淡い煌めきとして捉えたような画面も良かった。
コラージュの 西野 や露出の 春木 は以前に観たことのある作品かそのヴァリエーションで、 新たに気付かされたようなことは特に無かった。 泡立つ酒をフォトグラムで捉えた 添野 の抽象的な画面も悪くはなかった。 ある一つのテーマで撮った一連のポートレートを多重露光で重ねた 北野 の写真は、 それによって人物類型を浮かび上がらせるような興味深さはあった。