2004年に Linbury Studio で初演された Royal Opera House 版の The Soldier's Tale 『兵士の物語』。 2009年にも一度来日していますが、その時は、Royal Opera House は守備範囲外。 最近、live cinema でたまに観るようになって [1, 2, 3] 生で観るのも良いかなと、足を運んでみました。 Stravinsky の音楽 L'Histoire du Soldat (CDでは聴いている) が、 どういう舞台で使われたのか、という興味もありました。
オリジナルは第一次世界大戦直後の1918年に制作された朗読、演劇、バレエを総合した舞台作品です。 Royal Opera House 版では、ダンサーがバレエのパートを踊り俳優が演劇のパートを演じるのではなく、 バレエダンサーが俳優としても演じるよう演出されたということで、 ダンスによって物語る面より濃くなっているかもしれないと期待していました。 しかし、作り込まれた舞台装置に、セリフもそのまま生かした演出で、 抽象的なフィジカルシアターというより、演劇色を強く感じました。 (普段、演劇よりダンスを好んで観ているということもあると思いますが。)
と、自分の好みの演出からは若干外れたようには思いましたが、 兵士 (The Soldier) 役は初演時と同じく ex-Royal Ballet の Adam Cooper、 王女 (The Princess) 役と悪魔 (The Devil) 役も Royal Ballet のダンサーということで、 ダンスは十分に見応えがありました。 王女を含めて意外とコミカルな役作りがされていて、 王女役が初演時 (2009年来日時) の Zenaida Yanowsky だったらなあ、と、つくづく。 音楽も7人のミュージシャンと指揮者からなる楽団による生演奏もあって、十分に楽しんで観ることができました。