今年で3年目となる現代美術の賞の最終選考者による新作展。 中でも印象に残ったのは、今までも展覧会でそれなりに観ている作家だけれども、 米田 知子 [関連レビュー]、 毛利 悠子 [関連レビュー]、 石田 尚志 [関連レビュー] の3名。
特に、鉄道の駅での水漏れ対策の応急の養生に取材・着想した 毛利 悠子 『モレモレ: 与えられた落水 #1-3』は、 漏水のように水を巡らせることによる綺麗さに収まらない質感とユーモアが、 今まで見た彼女の機械仕掛けのインスタレーションよりも良かった。 結局、これがグランプリを獲ったようだが、それも納得だ。
去年も観たように思うのだが、その時はどれもピンとくるものが無かったか、記憶も定かではない。 今年は、確かに新鮮味はあまりなかったけれども、 絵画や立体ではなく、映像や写真、インスタレーションを中心としたセレクションは、 最近の日本の現代美術の展覧会の中では、今の自分の好み、関心と方向性が比較的合っていた。