ミニマリスティックなプロダクト・デザインで知られるデザイナー 深澤 直人 の展覧会。 スマートフォン登場以前のデザイン携帯電話 INFOBAR、 和紙漉きの製法で作られた新素材ナオロンを使った SIWA や マルニ木工の椅子、 パナソニックの高級家庭電化製品から、 無印良品の小型家電・家具まで。 Alessi, Herman Miller など 海外のデザイン・ブランドの製品も展示されていたが、 日本国内の製品が中心に展示されていた。
複数のメーカーの製品が混在しつつも、 ミニマリスティクに統一された雰囲気でまとめられているのはさすが。 無印良品の製品を中心に使っている製品もあり身近であり、 無印良品のシェルフに Alessi の台所用品が並べられたりと、 ショップではあり得ない組み合わせの妙も楽しめた。 しかし、パナソニックのショールームの上のフロアにあるミュージアムということで、 ショールームの延長 — 無印良品のワンランク上のショールーム — のような印象も否めなかった。 戦間期モダニズムのデザイン展 [Pierre Chareau, Weiner Werkstätte, Bauhaus] をはじめ 良企画の展覧会も多いデザインミュージアムなので、もっと硬派な展示になるかとも期待したのだけれど、そうはならなかった。 その一方、もしこれが東京都庭園美術館を会場にしていたら、かなり意味合いを異に感じたろう、とも。 会場の文脈の影響の大きさも実感する展覧会だった.