Ohad Naharin 率いるイスラエル・テルアビブ (Tel Aviv, Israel) の Batsheva Dance Company の2年ぶりの来日は、2015年の作品で。 前回2015年の Decadance が過去の作品から抜粋構成した作品だので [レビュー]、 実質2012年の Sadeh21 [レビュー] ぶりという感もあった。
舞台袖のダンサーの出入りする仕切り状の構造と、後方の腰掛けることができる程度の台程度の最低限の美術で、ストーリー性を感じさせないノンナラティヴな1時間余。 最初は、暗色ながらダンサーによって異なる色の衣装で、個々のダンサーのソロを見せていくような展開。 中盤、白の下着のような衣装に着替え、女性一人はチュチュ、時に長い黒いガウンを羽織った服装へ。 次第に2人で組むような動きになったり、皆が床に広がってと、集団的な動きが増え。 最後、音楽が minimal 〜 hardcore な techno になると 個々のダンサーが集まって異なる動きをしつつも細かい反復を重ねていき、デス声のヴォーカルも登場し、 マイクスタンドやダンサーをガムテープでぐるぐる巻きにして、終わった。 ほぼ最初から最後まで約1時間余り、 下手後方で青いドレス姿の女性がランニングマシンの上で走り続けていた。 それも、視覚的にビートを刻むよう — 実際、音楽が止むと、彼女の足音がビートを刻むようだった。
後半の minimal 〜 hardcore techno な展開が盛り上がるのも確かだが、 電子音も1980年代の Made To Measure 風の緩い音楽を使い、中盤の白い下着様の衣装でフロアでマスな動きしてた所が良かった。 バルカン〜レヴァント地方にありそうな子守唄がふっと挿入されたりもしたので、 ベッドで眠りに付くことに着想したダンスだったのだろうか。 Batsheva のダンスを見ていると体操 (gymnastics) 封とと感じることが多いのだけど、 アクロバットに基づく Cie XY [レビュー] と続けて見ると、 さほどでもなく、バレエ的ではないけれども、やはり正統なモダンダンスの系譜なんだろう、とも感じた。