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Review: 坂本 のどか 『ゆらぎの所在』 @ 金沢アートグミ (美術展)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2018/01/14
『ゆらぎの所在』
金沢アートグミ
2017/12/16-2018/01/08 (水休;12/26-1/4休), 10:00-18:00,

Janet Cardiff and George Bures Miller 展 [観賞メモ] で立ち寄った 金沢21世紀美術館でフライヤを拾って気になった展覧会。 会場の金沢アートグミの場所は、 村野 藤吾 の作品として知られる [観賞メモ] 近江町市場に接した北國銀行武蔵ヶ辻支店の3F。 この建物は一度ちゃんと観に行きたいと思っていましたし、 金沢にも現代美術のオルタナティヴ・スペースがあったのか、と、足を運んでみました。 オフィスを改装したような天井の低い狭いスペースを予想していたのですが、元講堂らしきスペースを展示空間としていました。 NPO法人となって現在の場所にギャラリーを開設したのは2009年。 金沢へは金沢21世紀美術館に展覧会を観に数年に1回は来ていたので、今まで気付かな買ったのは痛恨。 これから、金沢21世紀美術館と併せてチェックしたいものです。

展覧会をしていた 坂本 のどか に関する予備知識は無かったが、2000年代以降に、主に東京周辺で活動している作家とのこと。 最近の現代美術作家に多い雑然としたプロジェクトの記録のような作品ではなく、スタイリッシュなビデオインスタレーションでした。 夜に街を歩くときに見かけるカーテン越しに人影を感じる住宅の窓を短時間のループのビデオを使ったインスタレーションが良かった。 奥の壁ほぼ一面を使ったものあったが、ギャラリーの上方の壁のあちこちに投影されると、集合住宅の窓を見ているよう。 使っているプロジェクタが1台のみで、ミラーを使って分割して複数の窓を投影するシステムも、低コストで維持も容易なように考慮されているようで良かった。 プロフィールを見ると、筑波大学総合造形 [鑑賞メモ] の出身とのこと。 それらしい作風だなと納得でした。