Inbal Pinto & Avishalom Pollak Dance Company [鑑賞メモ] や Batsheva Dance Company [鑑賞メモ] で ダンサーとして活動し、現在はカンパニーから独立した振付家・ダンサーとして イスラエルのテルアビブ (Tel-Aviv, IL) を拠点に活動する Ella Rothschild の新作が、 Yokohama Dance Collection 2019 のオープニング・プログラムとして上演されました。 作風に予備知識はほとんど無かったけれども、彼女のバックグラウンドと、 シャボン玉自動発生装置を使ったインスタレーション [鑑賞メモ] で知られる 大巻 伸嗣 が舞台美術ということに引かれて、観てきました。
全員黒もしくは暗色の衣裳で、舞台美術は宙をたなびく半透明の煌めく布のみ、というミニマリスティックなビジュアル。 床に5箇所メッシュの送風口が設けてあり、そこからの送風を強弱して布の位置形状を変えつつ、天井からのライティングで煌めかせていました。 抽象ダンスというほどではありませんでしたが、はっきり分かるような物語は無く、倒れる動きや倒れた状態が多く、 近未来のアポカリプティックな死をイメージさせられました。
音楽は Gershon Waiserfirer による生演奏。 ドラムパットやフレームボディのエレクトリック・ウードをルーパー駆使して重ねて作る音は、 中東的な旋法など使わず音響的で、時にリバーブも効かせて幻想的。けっこう、好みの音でした。 しかし、2018単にステージ脇で演奏するだけでなく、ミュージシャンがダンスに絡むのですが、 それが演出的に面白く感じられることはありませんでした。