「建築をみる」は、2016年のリニューアル以降、度々開催されていた 東京都庭園美術館本館となっているアール・デコ様式の旧朝香宮邸自体を見せる企画がシリーズ化されたものです。 東京都庭園美術館は何度となく足を運んでいますし、本館自体を見せる企画も何回か観たことがありますが、 今回は併催の新館の展覧会がコレクション展の上、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあって、観客が少なめ。 マイペースに細部の意匠を堪能できました。 ふと気になってた暖房用のラジエータグリルのデザイン着目して見て、 典型的なアール・デコではなく和の意匠や私的なデザインが少なからずあることに気付いたり、 普段できなかった見方ができて、新鮮に楽しめました。
新館の展覧会は、旧朝香宮邸竣工 (1929) 直後1930年代東京のモダン文化をテーマにしたコレクション展です。 流石に新鮮に楽しめたという程ではありませんでしたが、 大好きな 藤牧 義夫 『隅田川両岸画巻』 (1934) [関連する鑑賞メモ] も見られましたし、 本館と合わせて、戦間期モダンの雰囲気を堪能できました。
戦間期のドイツでモダニズムを牽引した造形学校 Bauhaus の創立100周年の一連のイベントの一つとして開催された展覧会です。 (他に映画祭 [鑑賞メモ] も開催されています。) タイトルからもわかるように、 アウトプットとしてのマイスターやそこで学んだデザイナーが手がけた製品のデザインというより、 造形学校としての教育の体制やカリキュラムに焦点を当てた展覧会です。 こんなこと/ものもあったのかという気付きがあった程ではなく、若干地味に感じてしまいましたが、 Bauhaus に関する包括的な展覧会を観たのも 『バウハウス・デッサウ』 (東京藝術大学大学美術館, 2008) [鑑賞メモ] から十余年ぶりなので、 久々に戦間期モダニズムのシャープさを堪能できました。