地中海西部に浮かぶスペイン・バレアレス諸島はマヨルカ島の出身で1980年代以降、現代美術の文脈で活動する作家 Miquel Barceló の展覧会です。 通常はコレクション展示室に使っているギャラリーまで使った大規模な個展でした。 グループ展などで観る機会はありましたし、 この展覧会で展示されていた Joseph Nadj とのパフォーマンスのビデオも観たことありましたが [鑑賞メモ]、これだけまとめて作品を観たのは初めて。
活動開始時期は Minimal 以降ですが、Post-Modernism というほど作風はコンセプチャルではなく、 伝統的な絵画や立体作品 (陶) の延長、むしろ、 1950年代の抽象表現主義 [関連する鑑賞メモ] や アンフォルメル [鑑賞メモ] へ回帰するような作風です。 そういう作家を取り上げるあたりも、東京オペラシティアートギャラリーらしいです。 特に、キャンバス自体や、絵具 (油だけでなく繊維質のつなぎが混ぜられていると思われる) が立体的に盛り上がったキャンパスの荒々しさは、見応えありました。
オンライン会議ツールやVRチャット、オンラインゲームのライブイベントなど オンラインでのコミュニケーション環境の浸透による多層的な情報環境をテーマにした展覧会です。 2019年の『イン・ア・ゲームスケープ』展 [鑑賞メモ] に近いスコープですが、よりFPS/TPS的な視点やVR的なものに寄っていました。 『イン・ア・ゲームスケープ』展ほど興味深く感じられなかったのは、 オンライン会議ツールは日常的に使っているとはいえ、 VRチャット、オンラインゲームなどとは縁の無い生活をしているからでしょうか。