Tate Britain や Tate Modern などイギリスの国立美術館を運営・管理する Tate のコレクションに基づく、光をテーマとした美術展です。 展示は18世紀末から始まり、19世紀のTurnerや印象派、そして、20世紀前半のAvnat-Gardeは写真メイン、20世紀半ばのモダニズムは軽く飛ばして、20世紀末以降の現代アート、という構成でした。 19世紀美術は会場が混み過ぎでしたし、戦間期から20世紀半ばが薄かった点は不完全燃焼気味でしたが、 現代アート作品を中心に楽しみました。
James Turrell [関連する鑑賞メモ] の «Raemer, Blue» (1968) では方形のアパチャー越しの青い光に満たされた空間を久々に体感しましたし、 Olafur Eliasson [関連する鑑賞メモ] の «Yellow versus purpul» (2003) の紫色を反射する円形のガラスを静かに回転させることによる光の移ろいも楽しみました。
また、円形の色のグラデーションの抽象画にライティングを重ねて幻惑的な視覚効果を作り出す Peter Sedgley の «Colour Cycle III» (1970) は New Order: Blue Monday 88 (Factory, 1988) のジャケットデザインの元ネタを見るようでしたし、 Julian Opie [関連する鑑賞メモ] の街中の暗めの風景を描いた «Rain Footsteps Siren» (2000)、 月夜の森を描いた «Truck Birds Wind» (2000) や無機質で人気のない現代的なビルの通路を描いた «Voices Footsteps Telephone» (2000) のホップな作風とは違う静謐な作風の良さに気付かされました。