日本の現代美術の世界最大級のコレクションである高橋龍太郎コレクションに基づく展覧会です。 それ以前からのコレクションもありましたが、本格的にコレクションを始めたのは1990年代半ばで 「ザ・ギンプラート」 (1993) や「新宿少年アート」 (1994) といった時期から始まり、 モダニズム/シュールレアリズムというモダンアートの2つの系譜の後者にコレクターの関心があったようで、 以降は具象もしくはナラティブな作品がコレクションの中核にあるようでした。
自分も1990年代半ばの街中アートイベントを好んでいたので、イントロこそ当時の雰囲気を思い出して懐かしさもありました。 しかし、自分自身はむしろモダニズム的な系譜の作品へ興味が移っていったので、 自分にとっては疎い作家・作品が多く、1990年代以降、こんな動きもあったのかと、気付きもありました。 しかし、やはり自分の目に止まるのは菅 木志雄 [鑑賞メモ] や 東納谷 裕一 [鑑賞メモ] など、抽象度の高い作風のもの。 「菅 木志雄 の作品もコレクションしているのか」などと思いながら観ました。
『日本現代美術私観』の導入部でもある1990年代半ばの廃校舎や街中を使ったアートイベント (IZUMIWAKUやモルフェなど) に パフォーマンスを含めた作品で参加していたのを度々観ていた 開発 好明 の個展です。 今の自分の関心や好みとはすれ違ってしまった感はありましたが、 自分がチェックしなくなった2000年代以降のプロジェクトが多く、 1990年代当時観たものがこういう形で展開していったのか、と感慨深く観ました。
竹林之七妍 は女性作家7人 (間所 (芥川) 紗織, 高木 敏子, 漆原 英子, 小林 ドンゲ, 前本 彰子, 福島 秀子, 朝倉 摂) の特集展示でしたが、女性作家の特集に「竹林之七妍」というタイトルを付けるセンスは少々古くないか、と。 福島 秀子 の作品が観れたのは良かったのですが、展示されていたのは平面作品。 昔観た舞台美術・衣装デザインの展示 [鑑賞メモ] はレアで、あの時に観られてよかったと実感しました。