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Review: Louise Bourgeois: I have been to hell and back. And let me tell you, it was wonderful. @ 森美術館 (美術展)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2025/01/05
Louise Bourgeois
I have been to hell and back. And let me tell you, it was wonderful.
森美術館
2024/09/25-2025/01/19 (会期中無休), 10:00-22:00 (火-17:00; 9/27,9/28 -23:00; 10/23 -17:00; 12/24,12/31 -22:00)

1911年フランス生まれで1930年代にニューヨークへ移住、1940年代から2000年代まで現代美術の文脈で活動した Louise Bourgeois の回顧展です。 それなりに観る機会のある作家ですが、美術館規模の回顧展で観るのは Homesickness (横浜美術館, 1997) [鑑賞メモ] 以来の四半世紀ぶり。

Annette Messager [鑑賞メモ] などども共通する、 後のフェミニズム・アートへの影響も大きい、部屋のようなインスタレーションなどを改めて体感しつつ、 1940年代から作品を制作していたものの、1970年代からフェミニズム・アート的なインスタレーションを手がけるようになり、70歳代となる1980年代に注目されるようになった、という時代性を、改めて認識し直しました。

しかし、Bourgeois の作品そのものよりも、展示室に Bourgeois の言葉を投影する Jenny Holzer の Bourgeois × Holzer Projections (2024) のシャープさが強く印象に残りました。 「おぞましきもの」を示す作風という点で Bourgeois と共通するところもある Cindy Sharman がむしろ社会の中での女性のイメージを扱うのに対し、Bourgeois が扱うのは自身の親との関係性などグッと私的。 こういうところが後の世代の作家 [関連する鑑賞メモ] との違いだと思いつつも、 Holzer のプロジェクションによって「私的なことは政治的なこと」と言われたような気分になりました。