戦間期から20世紀半ばシュルレアリズムとその影響下のファッションや広告 (主にグラフィック)、インテリア等のデザインの動きに焦点を当てた、
国内の美術館のコレクションで構成した展覧会です。
前半で美術としてのシュルレアリズムを押さえた後、後半、20世紀のモダンデザインにどのような影響を与えたかを観て行きます。
同様の企画としては『奇想のモード––装うことへの狂気、またはシュルレアリスム』 (東京都庭園美術館, 2022) [鑑賞メモ] も思い出しますが、ファッションに寄り過ぎずは広め。
20世紀のモダンデザイン史はモダニズムの視点で辿られがちなので、対照的なもう一つの流れであるシュルレアリズムに光を当てるという点では、意欲的な企画でしょうか。
バランスは良いと思いつつ、国内コレクションベースの限界か、少々物足りなさも。
Elsa Schiaparelli のファッション、Art Deco 後 1930s の Cassandre のポスター [鑑賞メモ] や Salvador Dali の広告など、要点は押さえていたように思いますが、
インテリアについては、実用性を残したシュルレアリズム的なオブジェと、その流れを組むものとしてのバイオモルフィズムに分裂した感もある上、
シュルレアリズムのパトロン Edward James の家の内装や建築など写真や資料に頼らざるを得ないものもあり、物足りなく感じました。
シュルレアリズムの企画展に合わせて、収蔵品展もシュルレアリズムの系譜に連なる幻想的な具象の絵画、彫刻が展示されていました。
ちょうど直前にコンテンポラリーなサーカスやダンスを多く観ていたこともあり、
Liam Lelarge & Kim Marro: La Boule [鑑賞メモ] や
ストレンジシード静岡2026で ひびのこづえプロジェクト ダンスパフォーマンス『Are You ALICE?』や にくぶかしぎ『ポスト・グレゴール』 [鑑賞メモ] がやろうとしていたことは、
開光市の《双生児》 (1998) 、《闇》 (1998) や《対話》 (1998) のイメージの身体化だよなあ、と。
また、金 昭希 《A crazy bus》 (2009) の下着の詰まった箪笥の引き出しや洗濯紐と戯れるイメージなど、これをサーカスとして舞台化したらなどと想像しました。