この時計で最も注目すべき点は、コミュニティという要素だ。時計市場における最大の問題のひとつは、女性の購入者が自分たちは無視されている、あるいは後回しにされていると感じていることである。時計メーカーはメンズウォッチを極端に女性っぽくしたもの(ピンクやホワイト、フラワーモチーフやダイヤモンドベゼルなど)を作るが、最終的に女性が身につけたいものではないのだ。サーチナはこの問題を解決するため、実際に私たちユーザーに語りかけて機能を選んでもらうことにしたが、興味深いことに、ほぼすべてのカテゴリーで75%近くの同意が得られた(ピンクやホワイトではなかったのだ)。また、同ブランドは市場の声に耳を傾け、当初の商品名から“レディ”という表現を外し、DS PH200M 39mmとした。このようにして、サイズで差別化された真のユニセックスウォッチが誕生したのだ。多くの時計メーカーがこれに追随することを期待したい。
サーチナのファンは確実に注目している。時計の最終形をInstagramで公開したあと、あるフォロワーがコメントした(ハートや火の絵文字のコメントが多い中で)。「私は男性ですがこれを買います。これは僕の手首にピッタリだから、どんな風に販売されていようと気にしないよ」とコメントしている。また「ブランドが時計業界の意見に耳を傾けてくれることに感謝します」というコメントもあった。HODINKEEでは独自の非常にインフォーマルなアンケート調査(この時計が好きかどうかの投票)も行っており、DS PH200Mが勝者となることが予想される。
最後に、私自身も女性として、このダイバーズのスタイリッシュでスポーティなエレガンスが大好きだ。ダークでムーディーなダイヤル、ブラックセラミックベゼル、グレーのファブリックストラップは男性的なトーンだが、MOPの仕上げは非常に美しく個性的で、特にベゼルのグラフィックやゴールドのようなスーパールミノバのハイライトとの相性は抜群だ。また、光沢のあるリュクスな仕上げでわずかにドーム状になっており、優れた触感やヴィンテージ感を演出している。ダイヤモンドインデックスは非常に小さく丸みを帯びていてレトロ感があり、煌びやかさとは対極にあるため、ダイヤモンドであることに気づかないほどだ。3日間のパワーリザーブを備えた機械式時計が、133年の歴史を持つスイスのメゾンから910ドル(約10万4000円)で提供されるのだ。まさにコストパフォーマンスに優れた作品であり、時計の発売を投票する方法をいかにアンケート調査するかの好例とも言えるだろう。
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