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新社会人におすすめしたい機械式腕時計を5本紹介する。

今や社会人にとって必携のアイテムではなくなった腕時計。そんな現代だからこそ、昔ながらの主ゼンマイで動く機械式腕時計に目を向けてみてはいかがだろうか。なお今回は、機械式腕時計の中でも比較的手頃な20万円以下のモデルから選定している。

社会人生活を伴走してくれる、とっておきの1本を選ぼう
徐々に日差しが暖かくなり、草花が景色を彩る4月。それ、入学や入社、あるいは転勤など、新生活が始まる季節でもある。中でも新社会人を目前に控えた方にとって、4月という節目は、長い人生における大きなターニングポイントのひとつ。残り少ない学生生活を謳歌しつつも、期待と不安の狭間でどこか落ち着かない日々を過ごしている方も少なくないだろう。そんな方にはぜひ、これからの長い社会人生活を伴走してくれる機械式腕時計を手にすることをおすすめしたい。

一昔前であれば、腕時計は社会人にとって必携のアイテムであった。時間を守れなければ、顧客や上司、同僚からの信頼を失いかねないからだ。しかし、スマートフォンやパソコンの普及によって、腕時計をしなくても簡単に時刻を知ることができるようになった。現代の社会人にとって、腕時計は必ずしも必要なものではないのだ。

口コミ第1位のカルティエスーパーコピー 代引き専門店しかしそんな今だからこそ、温かみにあふれた機械式腕時計に目を向けてみてほしい。機械式はクォーツ式に比べて精度に劣り、さらに定期的に主ゼンマイを巻き上げなければ数日で運針を停止してしまう手間のかかる存在だ。一方で、故障した場合でも使い捨てるのではなく、部品を新規に作り出すなどといった修理をすることで、長期間使い続けることができると言われている。正確な時間を簡単に得られる中、手元の時間が多少アバウトでも支障はないだろうし、仕事に使う道具の中で、愛着を持って数十年と使い続けられるものはそう多くない。もちろん、仕事では腕時計を着用せず、プライベートを楽しむために個性的なモデルをチョイスするということもできるのだ。

新社会人として社会の荒波に漕ぎ出すのは、人生の中で二度とない機会だ。その機会に決意とともに選び取った1本は、この先のさまざまなタイミングで励ましをくれることだろう。今から数年後に手元へ目をやれば、その頃のフレッシュな思いや熱意を思い起こさせてくれるはずだ。長い人生をともに歩む相棒として、納得のいく機械式腕時計を見つけ出していただきたい。

オリエントスター「ダイバー」Ref.RK-AU0309B
オリエントスター ダイバー RK-AU0309B
オリエントスター「ダイバー」Ref.RK-AU0309B
流れるようなフォルムが特徴のダイバーズウォッチ。パワーリザーブインジケーターを搭載しているため、初めての機械式腕時計としても使いやすい。自動巻き(Cal.F6N47)。22石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径43.6mm、厚さ14mm)。200m防水。10万1200円(税込み)。(問)オリエントお客様相談室 Tel.042-847-3380
200m防水を誇る本格的なダイバーズウォッチでありながら、丸みを帯びたデザインが柔らかな印象をもたらす、オリエントスター「スポーツコレクション」のモデル。リュウズガードがなく、スリムなラグを備えたケースは過度な主張をせず、ビジネスシーンでも着用しやすい。逆回転防止ベゼルを用いることで経過時間を計測し、仕事のタスク管理にも活用することができる。

ブラックのダイアルには、蓄光塗料を塗布したインデックスと針が組み合わされ、日中はもちろん、暗所でも高い視認性を発揮する。3時位置には日付表示を配し、12時位置には主ゼンマイの残量を可視化するパワーリザーブインジケーターを備え、実用性に優れている点も魅力だ。

ステンレススティール製のブレスレットはスポーティーな3連タイプ。プッシュボタンによって開閉する、ダブルロック式のバックルが装着されている。交換用のラバーストラップも付属し、付け替えることでより軽快に着用することも可能だ。

セイコー プレザージュ「クラシックシリーズ」Ref.SARJ007
セイコー プレザージュ「クラシックシリーズ」Ref.SARJ007
9時位置のオープンハートによってテンプの動きを楽しむことができる、クラシカルなデザインのモデル。約72時間の実用的なパワーリザーブも魅力。自動巻き(Cal.6R5J)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40.2mm、厚さ13mm)。10気圧防水。15万4000円(税込み)。(問)セイコーウオッチお客様相談室Tel.0120-061-012
日本の美意識を体現するブランド、セイコー プレザージュの「クラシックシリーズ」。その特徴は、日本の日常を彩ってきた伝統工芸品などの色彩や質感に着想を得たデザインが与えられていることにある。Ref.SARJ007では、アイボリー調のダイアルに絹を想起させる型打ちパターンが施されている。

シリーズ名の通り、クラシカルなデザインが与えられていることも本作の特徴だ。ダイアルは外周に向けて緩やかにカーブし、それに合わせてインデックスの上面や秒針と分針の先端、サファイアクリスタルも湾曲している。6時位置には24時間表示、9時位置にはテンプの鼓動を鑑賞することのできる開口部を配し、立体的な造形を楽しむことが可能だ。

オーソドックスなデザインのケースは、スーツスタイルにもマッチする。やや円錐型のリュウズや、ヘアラインとポリッシュで仕上げ分けた7連タイプのブレスレットが、クラシカルな印象だ。日常生活では十分な10気圧防水を備えている点も魅力である。

シチズン「メカニカルダイバー200m」Ref.NB6025-59H
プロマスター メカニカルダイバー200m
シチズン「プロマスター メカニカルダイバー200m」Ref.NB6025-59H
オールブラックの外装がクールなダイバーズウォッチ。スマートなデザインは、オンオフ問わず着用しやすい。軽量なスーパーチタニウム製であることも特徴のひとつ。自動巻き(Cal.9051)。24石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。スーパーチタニウムケース(直径41mm、厚さ12.3mm)。200m防水。18万1500円(税込み)。(問)シチズンお客様時計相談室 Tel.0120-78-4807
フジツボに覆われるほどの長期間、海中で稼働し続けたという逸話を持つ、“フジツボダイバー”こと「チャレンジダイバー」のデザインを受け継ぐモデル。グレーからブラックへとグラデーションするダイアルには、視認性に優れる幅広のスクエア型インデックスが配されている。3時位置には日付表示が搭載され、日常使いにも便利だ。

ケースとブレスレットは、耐アレルギー性と耐食性に優れ、軽量なチタンにデュラテクトDLCを施した、スーパーチタニウム製。デュラテクトDLCによって耐傷性が高められ、オールブラックのカラーリングが個性を主張する。ケースの厚さは12.3mmであり、200m防水のダイバーズウォッチとしては比較的スリムなサイズ感だ。ベゼルには逆回転防止機構が備わっており、ダイビングにも使用することができる。

ムーブメントは、機械式自動巻きのCal.9051を搭載する。1万6000A/mまでの磁界に耐えうる第2種耐磁を備えており、電子機器を使用する場面でも安心して着用することが可能。

ハミルトン「ジャズマスター オープンハート」Ref.H32705140
ハミルトン ジャズマスター
ハミルトン「ジャズマスター オープンハート」Ref.H32705140
宇宙を想起させるようなミッドナイトブルーのダイアルを採用した、「ジャズマスター オープンハート」の新作。36mmケースモデルもラインナップしているため、手首が細めの方はこちらも要チェックだ。自動巻き(Cal.H-10)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径42mm、厚さ11.44mm)。5気圧防水。16万9400円(税込み)。(問)ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン Tel.03-6254-7371
「ジャズマスター オープンハート」のラインナップに加わった、2025年新作。アベンチュリンをイメージしたダイアルは、深いブルーにゴールドカラーの粒子をちりばめることで、星々が瞬く宇宙を想起させるデザインに仕上がっている。大胆な開口部は、ジャズマスター オープンハートの最大の特徴だ。テンプや歯車など、機械式時計ならではの機構や、地板に施されたペルラージュ装飾を楽しむことができる。くさび型のインデックスやシャープな針はゴールドカラーに仕上げられ、視認性も確保されている。

ステンレススティール製のケースは、手元で確かな存在感を発揮する直径42mmサイズ。ヘアラインとポリッシュを施すことで、立体的に仕上げている。ステンレススティールブレスレットは、5連タイプの上品なデザインだ。両開き式のバックルを採用することで、装着感と着用時の見た目の一体感を高めている。

搭載するムーブメントは、Cal.H-10。耐磁性に優れるニヴァクロン™製ヒゲゼンマイを搭載し、約80時間のロングパワーリザーブを達成している。

ティソ「シュマン・デ・トゥレル 39mm」Ref.T139.807.11.061.00

ティソ「シュマン・デ・トゥレル 39mm」Ref.T139.807.11.061.00
グレーのダイアルが上品なクラシックウォッチ。過度に主張しないデザインは、スーツスタイルにも相応しい。自動巻き(Cal.パワーマティック80)。23石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径39mm、厚さ11.22mm)。5気圧防水。12万7600円(税込み)。(問)ティソ Tel.03-6254-5321
1907年にティソが工房を設立した、ル・ロックルの通りの名前を冠した「シュマン・デ・トゥレル」。カルティエ時計コピー 代金引換優良サイト豊富なバリエーションを擁するシュマン・デ・トゥレルだが、今回紹介するのはその中でもさまざまなシーンで着用しやすいシンプルなデザインのモデルだ。

グレーのダイアルには、中心から外周に向けて光が走るサンレイ仕上げが施され、細身のインデックスが上品な印象を与える。アルファ型の時分針は、中央を境としてポリッシュとヘアラインに仕上げ分け、視認性を高めている。6時位置には日付表示を配し、シンメトリーなレイアウトを保ちつつ実用性を確保している。

直径39mmのステンレススティール製ケースは、ラグを短く切り詰めることによってコンパクトに仕上がっている。ドーム型のサファイアクリスタルと、一部のコマにポリッシュを施したブレスレットが、クラシカルなデザインを強調する。

搭載しているムーブメントは、Cal.パワーマティック80。ニヴァクロン™製ヒゲゼンマイを採用し、約80時間のロングパワーリザーブを備えている。

「リイシュー 1983 オートマティック」を実機レビュー!

「“分かっている人”に響く時計」として、2024年12月にタイメックスから打ち出された「リイシュー 1983 オートマティック」を着用レビューする。時計オタクオジサンたちの心をつかむ意匠とディテールに、オールドウォッチ好きの筆者もメロメロ。なお、実際の着用は男性社員が行い、着用感をヒアリングする形で原稿を作成している。

レビュー期間中に手首を怪我してしまって腕時計が着けにくかったので、自分ではこのモデルを着用しての生活はしていない。直径34mm、厚さ12mmという小径ケースは取り回しやすく、手首回り14.7cmの女性である私にとっても良好と感じる装着感で、実際に着用レビューしたら楽しかっただろうなぁと悔やまれる。

タイメックスの2024年新作「リイシュー 1983 オートマティック」を着用レビュー!
タイメックスは2024年12月、「リイシュー 1983 オートマティック」をリリースした。「リイシュー」は復刻を意味する通り、タイメックスが自社の名作をよみがえらせるというコンセプトのコレクションで、本作は1983年製のモデルにルーツを持つ。オリジナルはタイメックス本国の総合カタログで、ドレス向けモデルとして紹介されているとのこと。

スーパーコピー時計 代引き専門店タイメックス リイシュー 1983 オートマティック
タイメックス「リイシュー 1983 オートマティック」Ref.tx-tw2w70800
自動巻き。SSケース(直径34mm、厚さ12mm)。50m防水。4万2900円(税込み)。現在ホームページでは再入荷待ち。
最大の特徴は、まだブラウン管であった時代のテレビをモチーフとした“TVダイアル”だ。「ドレス向け」というように、細身のインデックスや針、シルバー文字盤は上品な一方で、スクエア型となることで、ユニークさをも獲得している。

なお、ムーブメントはMIYOTAとのこと。また、現在ホームページでは売り切れていて「再入荷待ち」となっており、次の入荷は2025年6〜7月が予定されている。

そんなリイシュー 1983 オートマティックを、他の従業員の協力も得ながら、実機レビューしていく。

時計オタクオジサンを引き付ける意匠
タイメックス リイシュー 1983 オートマティック
“TVダイアル”にボックス型風防、エッジの効いたケースとブレスレット……レトロフューチャーな雰囲気がオールドウォッチ好きに刺さりまくる。ちなみにこういったスクエア型文字盤を持つモデルというのは、1970年前後よりオメガやIWC、シチズンなどのブランドが手掛けてきた。しかし同じスクエア型とはいえモデルによってそれぞれ味があり、きちんと差別化されている。

1970年代以降の時計業界では、各ブランドがデザインによって他社と差別化を図ることを試みた結果、さまざまな意匠が生み出された。1980年代に入るとクォーツムーブメントが普及したこともあり、意匠の独創性や自由度はいっそう際立っていく。この時代に作られた時計が、現在再評価されている。よく「流行は繰り返す」などと言うが、レトロで現代にはない雰囲気やスタイルを持った腕時計というのは確かに面白く、多くのブランドがタイメックスと同じように「復刻」を行なっている。

もっとも1970〜80年代の時計デザインは前述の通り、本当に多種多彩で、復刻モデルもしかり、だ。そんな中でも本作のようにここまで“オジサン時計”を突き詰めたものとなると珍しく、タイメックスさん、よくやってくれたよと膝を打ちたくなる。なぜなら、こういったオジサン時計を求めている時計オタクオジサンは、自分も含めて(私はオジサンならぬオバサンですが)、少なくないためだ。「こういうので良いんだよ」的な。時計オタクはオリジナルを購入するケースもあるものの、半世紀近く昔の個体となると良いコンディションのものを見つけるのが途端に難しくなるということも相まって、現行品でこんなオジサン時計を購入できるというのが、本当にうれしいのだ。決して派手ではなく、むしろ地味な本作は、タイメックスの狙い通り「“分かっている人”に響く時計」である。

タイメックス リイシュー 1983 オートマティック

メーカーの広報画像より。過去のモデルを復刻させる際に多いのが、ケース径を拡大する、というものだ。しかし本作は、かつてのドレスウォッチに忠実な34mm径というコンパクトなケースを維持。この英断も素晴らしいと言わざるを得ない。

本作は、なぜここまでオジサンに徹底していると思わせられるのか? そのディテールを、さらに深掘りしたい。

繰り返し記しているように、本作の最大の特徴はブラウン管テレビを模した文字盤だ。この文字盤を守るアクリルガラスの風防はボックス型で、サイドから見ると風防が切り立った様子も、レトロ感が満載だ。

縦方向のヘアラインを施したシルバー文字盤も、渋い、渋すぎる! 時計オタクの中には「カレンダー表示の小窓はいらない」というノンデイト原理主義者もおられるだろうが、個人的には日付があることで、いっそうオジサン感が強調されているように思う。

細身の針・インデックスは控えめで、この点も「派手にならないオジサン時計」という要素を適格に備えていると言える。

タイメックス リイシュー 1983 オートマティック

蛇腹式ブレスレットも、本作の特徴のひとつ。サテン仕上げが多めで、コマ表面の両サイドはポリッシュ仕上げが与えられており、デザインにメリハリが効いている。
ブレスレットは懐かしの蛇腹式。男性用アクセサリーなんかでも見られた仕様で(あまりアクセサリーについて知らず、今も流行っているのかもしれないが、自分の祖父が身に着けていたこともあり、年配男性が着用するアクセサリーといったイメージ)、ゴムのようにある程度伸縮する。このブレスレットを軽く引っ張るだけで脱着できるため、急いでいる朝などにも簡単に着けて家を出られそうだし、伸縮性があるので、むくみやすい夏場に腕時計がキツイといった悩みを考えなくて良い。引っ張り続けることによる耐久性は少し気になった。

このように、細部にわたってオジサン時計を突き詰める本作。ちょっとシャレたアクセントを……などといった発想をせず、地味に徹する。この地味さがむしろ本作を非凡な存在に押し上げており、リイシューコレクションのみならず、「マーリン」や「MK1 メカニカル」などといった、過去のアーカイブに範を取ったモデルでヒットを飛ばすタイメックスの、復刻時計の名手としての「腕」が垣間見える。

オジサン時計を実際に着用してみてどうだったか?
タイメックス リイシュー 1983 オートマティック

Photograph by Yousuke Ohashi (Chronos-Japan)
34mmという小径ケースであるため、“細腕”の大橋の手首幅からもはみ出さず、収まっていることが分かるリストショット。薄型時計ではないので少し浮いている感じはするものの、軽量であるがゆえに、デスクワークの邪魔にもならなそうだ。
今回手首に怪我をしていたため、着用レビューは同僚の大橋洋介に行なってもらい、その着用感をヒアリングした。

直径34mmというケースサイズ
普段から小径ケースを好んで着けている大橋に、本作のサイズについてどう思ったか聞いたところ、「手首が細いので、比較的小さなサイズの腕時計を好む自分ですが、それでもこの腕時計は自分にとって小さな印象を覚えました。TVダイアルが小さく見える印象を与えているのかも」とのこと。確かに現代のスタンダードは40mm径前後であり、34mmというとかなり小さい。この小ささが何度も言ってる「よくやった!」なんですけどね。

蛇腹式ブレスレットも見どころ!
また、蛇腹式ブレスレットについて「本作の見どころ」として、印象的であったと語ってくれた。

「(腕時計で)蛇腹式ブレスレットを21世紀に復活させた、数少ない例がこの時計であると思います。最近、ほとんどこのタイプのブレスレットを見かけませんよね。現行品としては、ハミルトンの『ベンチュラ』くらいでしょう。ちなみに初代『カシオトロン』にも、これと同型のブレスレットを備えたモデルが存在していましたが、復刻版の製造にあたって、ブレスレットは再現されませんでした。それほど復刻から“漏れる”日陰の存在に光を当てたというのは、かなり挑戦的です」。うーん、なるほど。

「部分的にヘアライン仕上げが施され、残りがポリッシュで仕上げられている点と、ブレスレットの角が『立っている』点が、高級感を増していてグッド」とも話していた。「昔の蛇腹式ブレスレットは『プレスしただけ』感があって、どうしても安っぽさを感じてしまいます。そこを磨きで仕上げ、高級感を与えた意義は大きいです」という。

タイメックス リイシュー 1983 オートマティック

Photograph by Yousuke Ohashi (Chronos-Japan)
伸縮するのが便利な、蛇腹式ブレスレット。伸び縮みの遊びはそこまで大きくないため、指の腹を挟んでしまうといったことは気にならなかった。
「蛇腹式ブレスレットはバックルがないので、デスクワークをしている時に邪魔にならないというのもうれしいポイントでした」

また、私自身も本作が「昔のオジサン時計を忠実に再現しながら現代技術で復刻してくれて、タイメックスさんありがとうございます」とお礼を言いたくなるのが、工具なしでサイズ調整できるという本作の仕様だ。外すことのできるコマの裏側(手首に当たる部分)を押すと、カチッと簡単に外せるようになっているのだ。

タイメックス リイシュー 1983 オートマティック
コマの裏側を押しながら引くと、簡単にコマが外れた。着け直すのは少し難しいと感じた。脱着の際、傷付けてしまわないように要注意だ。
「昔の蛇腹式ブレスレットは、サイズ調整のためにコマを外すのが大変でした。ブレスレットを引っ張って、工具で突いて、どうのこうのしてやっと外せるんです。基本的には専門店に頼むものです。だから、工具を使わずにコマが外せる機構というのは、ユーザーにとってありがたいです。ただ、外せるコマの部分は、ブレスレットが伸縮しません。上下だけでなく左右にも伸縮する自由度の高さがこのブレスレットの売りなのに(そこは残念)」

私も前述したように、大橋も耐久面では懸念点があるようだった。

「耐久性の観点から、蛇腹式ブレスレットの採用を避ける場合もある、と聞きます。だから、このブレスレットの堅牢性というのは、少し不安にも思っています」

タイメックス リイシュー 1983 オートマティック
ケースバックはソリッド式で、オールポリッシュに仕上げられている。自動巻きムーブメントを搭載することもあって厚みはあるものの、12mmほどであるため、同機構として一般的なボリューム感であると言える。
使い勝手もヨシ!

インデックスや針が細く、またメタリックであるためシルバー文字盤に埋没するといったことはないかな? と思ったが、しっかり磨かれていることもあり、光源による視認性の違いは気にならなかったとのこと。

タイメックス リイシュー 1983 オートマティック

Photograph by Yousuke Ohashi (Chronos-Japan)
細身のインデックスと針が、ドレッシーな印象も醸し出している。カレンダーディスクが文字盤カラーと同様にシルバーとなっているため、全体的に落ち着いた、いや、オジサンな印象だ。
使用感について私から触れると、MIYOTAのムーブメントということで特筆すべき点はないが、リュウズの操作性が良かったということは取り上げておきたい。本作のようにドレッシーなモデルというのはデザイン上の理由からリュウズが小さく設計されている場合も少なくない。こういった小さいリュウズは爪の長い自分にとっては引き出しにくく、本作もそういった懸念があったものの、引き出しはもちろん、主ゼンマイの巻き上げや時刻合わせもやりやすかった。リュウズに装飾された切り込みによって指の腹が痛いといったこともない。日常的に使いやすい腕時計だと感じた。

巧みな戦略が感じられる1本、これは「買い」!
時計オタクオジサンが大好きな要素を盛り込んだ、タイメックスの「リイシュー 1983 オートマティック」を実機レビューした。渋くて地味で、しかも34mm径ケースというコンパクトなサイズ感は、「復刻時計」であることをとことん追求するという同ブランドの姿勢が感じられた。一方で1980年代当時にはまだ生まれていなかったような若い世代にとっては、現行品にはない新鮮な印象を持った腕時計であると同時に、4万2900円(税込み)という手の届きやすい販売価格が相まって、腕時計を購入する際の良い選択肢となるだろう。

この原稿を書いている最中、タイメックスを日本で取り扱う株式会社ウエニ貿易のマーケティング担当者N氏から、同ブランドの復刻時計の展開について、興味深い話を教えてもらった。もともとタイメックスのアーカイブを復刻させる試みを行ったのは日本からで、日本市場で人気に火が付いた結果、現在のような多彩な復刻時計の展開につながったというのだ。本文の中でタイメックスの復刻時計の腕前について言及したが、それが日本発というのだから、我が国の時計市場の成熟具合がうかがえるというものだ。そしてこの話を聞いたのが、今年のタイメックスの新作モデルの、プレス向け展示会。まだ情報解禁されていないため詳細は後日の発信となるが、オールドウォッチ好きでもそうでなくても、欲しくなる新作モデルがそろっていたことは記しておく。

時計デザインの可能性を追求する。

「あったらいいな、こんな腕時計!」を本気で創ってみた。セイコーのデザイナーたちが、夢の時計作りに取り組む恒例の「パワーデザインプロジェクト」。その最新版、原宿で開催中の「専用すぎる腕時計展2(ツー)」をお見逃しなく!

セイコーのデザイナーが“欲しい腕時計”を創ってみた!
「必要は発明の母」という言葉があるが、人は必要に迫られると、良いアイデアを思いつくもの。 このwebChronosをご覧になっている時計好きのみなさんは、どんな仕事をしているのだろうか?  そして自分の仕事のために「こんな機能やデザインの腕時計が欲しい!」と思ったことはないだろうか? もしかすると、それが特殊なものでも、他の人にとっては意外に魅力的なものかもしれない。

2024年12月20日から2025年2月16日まで、東京・JR山手線の原宿駅・表参道側の東口および東京メトロ千代田線・副都心線の明治神宮前駅・3番出口からすぐ近く、IKEAとユニクロの入っている商業施設「WITH HARAJUKU(ウイズ・ハラジュク)」の1階にあるイベントスペース「Seiko Seed(セイコーシード)」において開催中の「専用すぎる腕時計展2(ツー)」は、そんなアイデアをカタチにした、つまりデザインモックアップではなく、オメガスーパーコピー時計 代引き専門店“実際に使える道具”として本気で作ってみた6作品が展示されている、とてもゼイタクな腕時計のデザイン展だ。

専用すぎる腕時計展2

日本を代表する時計メーカーであるセイコーのデザイナーたちが、「特別な仕事をしている人の、特別な目的のための腕時計」を2次元ではなく3次元で創り上げた。しかもモノづくり、時計作りの面白さと可能性を実感できるので、時計好きはもちろん、子供たちも楽しめるはず。「これ欲しい!」という視点で観ても楽しめるのだ。

すでにこのwebChronosでは開催前日の2024年12月19日に記事がアップされているが、2025年2月16日に会期終了が迫っており、この貴重な機会を見逃してはモッタイナイので、改めて紹介する。ぜひ足を運んでいただきたい。

作品を展示している6人のデザイナーと作品
実は、今回作品を展示している6人のデザイナーさんたち、ひとりひとりにインタビューしたのだが、それは後日「時計デザインの今」のようなかたちで改めてご紹介したい。今ここで、作品の詳細を記してしまうと“ネタバレ”となって、「専用すぎる腕時計展2」を訪れた際の驚きと感動が減じてしまうので、ここでは6人のデザイナーさんとその作品、筆者の気になる点と感想を付けておくだけにとどめる。

※画像をクリックするとネタバレ写真を見ることができる。

忍びたるもの、針を見ずして時を読め!
① 忍者専用腕時計/Ninja Stealth Watch
菅沼佑哉(SUGANUMA Yuya)さん

忍者ファンなら欲しくなる!? ジャパニーズ・シークレットウォッチ!
その腕前と、その腕元で魅了する
② クラブDJ専用腕時計/Specialized Watch for Club DJs
伊藤絢人(ITO Kento)さん

ハーフミラーが生み出すサイバーな浮遊感がカッコイイ!
見る者たちを魅了する夜の支配者に捧ぐ
③ ヴァンパイア専用腕時計/Vampire-Exclusive Watch
石原 悠(ISHIHARA Yu)さん

ちょっと怪しくて面白い、大人のジュエリーウォッチ!
ゆで卵の腕前、半熟からの大脱出!
④ ゆで卵好き専用腕時計/Egg-Boiling Watch for Boiled Egg Lovers
酒井清隆(SAKAI Kiyotaka)さん

ゆで卵好きならぜひ欲しい! ヒョコヒョコとジャンプする針の動きも楽しい。
すべての子供たちの笑顔のために
⑤ サンタクロース専用腕時計/Santa Claus’ Specialized Watch
松本卓也(MATSUMOTO Takuya)さん

夜、誰にも姿を見られることなく子供たちにプレゼントを届けるサンタクロースのための専用腕時計。相棒のトナカイを秒針先端に赤く配したのも秀逸。
時間と、あの人の私への想いをはかる
⑥ 恋する乙女専用腕時計/A Watch for Girls in Love
廣瀬由羽(HIROSE Yu)さん

占い好きならぜひ欲しい!? 品川女子学院高等部の生徒さんが企画協力!

原案スケッチなど、企画・開発時の資料も展示されているから、作品とともに、その制作過程にも想いを寄せてみるのも楽しいだろう。

「専用すぎる腕時計展2」の開催は2月16日まで。まだ観ていない方は、想像の斜め上をカタチにした、思いもよらない腕時計の表現手法を楽しみに、ぜひ原宿へGO!