仲間同士が集まっておしゃべりや情報交換をするのがメーリングリスト。
発行者が一方的に情報提供するのがメールマガジン。
メーリングリストと並ぶ電子メールの活用としてメールマガジンがあります。メールマガジンはここ2、3年で急激な発展を見せ、新しいインターネット文化を作り上げるに至っています。個人レベルでも容易に発行でき、「まぐまぐ」に代表されるメールマガジン発行サービスでは多彩なジャンルで何千という発行部数を誇るメールマガジンが数え切れないほど紹介されています。そして、商用メールマガジンもビジネス、プライベート両面で重要な情報源として広く活用されるようになっています。
メーリングリストとメールマガジンの根本的なしくみの違いはこの点にあります。メーリングリストは参加者であれば誰でもメールを出すことができ、全員に配信される仕組みになっています。それに対し、メールマガジンは発行者のみが登録された読者にメールを配信します。読者がメールを送信しても配信を受け付けません。
メーリングリストでは、ある参加者からの意見や主張に自分の考えを返信すると、議論ができたり新たな話題の展開へと話を繰り広げられます。このようなやり取りを『双方向のコミュニケーション』といい、メーリングリストのもつ最も特筆すべき長所です。一方、メールマガジンでは発行者と読者とがはっきりと分かれ、読者は発行者から送られてくる情報を受け取ることしかできません。つまり、メールマガジンは、テレビや新聞のような『一方向のコミュニケーション』です。感想や意見などを発行者に送り、読者の声という形で反映されても、読者間同士での直接的なやり取りはできません。
メールマガジンの長所は、情報を読みやすい構成にまとめられているため、読者にとっては内容の把握が容易で即戦力として活用できます。また、定期的に配信されるものであれは情報源としての利用価値はいっそう高まります。それに対して、メーリングリストの場合、意見交換や議論からその本質をくみ取らなくてはなりません。あくまでも人とのやり取りから何らかの情報を自分自身で整理して読み取ることが必要です。そのかわり、いつでも質問をしたり詳細を聞き出すこともできるので、目的にかなう的確な情報が得られるチャンスもあります。
● メーリングリストは参加者からも話の発端が出る。
メーリングリストは主宰者だけでなく、参加者全員がメールを出せるため、場を盛り上げたり新しい話を持ち出すのは誰にでもできます。主宰者が多忙で話題作りができなくても、参加者がそれを担うこともできます。さらに、ちょっとした話がきっかけで意外な急展開や予想外なやり取りも実現できるのです。それに対して、メールマガジンでは発行者しかメールが出せないため、発行者が何もしなければ活動は停止してしまいます。情報収集も自分で行なわなければならず、マガジンの発行を長続きさせるには気力や根気も必要です。すべては発行者がそのメールマガジンの発展の前途を担うと言ってよいでしょう。
メーリングリストとメールマガジン、電子メールを使って多くの人に配信するという点で共通ですが、相違点はどこにあるのか最初はわかりづらいものです。そこで、両者の違いを見てみることにしましょう。これからメールによるコミュニケーションを計画中の方は、どちらが自分の趣向に適しているかきっと参考になります。
<メーリングリストとメールマガジンの相違点>
● 誰もがメールを出して意見や情報を送れるのがメーリングリスト。
発行者と読者が明確に分かれ、発行者のみが情報を発信するのがメールマガジン
● 意見交換や議論など双方向のやり取りができるのがメーリングリスト
読者間同士ののコミュニケーションが図れないのがメールマガジン
● メールマガジンは情報が整理されて配信されるので即戦力の資料となる。
メーリングリストの情報は自分自身で内容を分析する必要がある。
メールマガジンは発行者の力量がすべてを握る。