どんな内容のメーリングリストにするかをしっかり決めること。
漠然としたテーマやあいまいな趣旨では参加者を戸惑わせてしまう。
「メーリングリストを作ろうと決心したら即実行!」と意気込んで実行に移すのはよいことではありますが、ちょっと気を落ち着けて一呼吸おき下準備を着実にしてから開設するのがベターです。まずは、自分がどんなメーリングリストを作りたいのか構想を練るところから始めなければなりません。これがしっかりしていないと、漠然とした何を話し合うメーリングリストなのかはっきりしないものとなり、主催する側も参加者もしっくりいかない雰囲気の場となってしまいます。それだけ最初の目的作りは大切な要素を含んでいるということなのです。
●テーマだけでなくどんな話し合いの場にしたいかを整理する
「○×のMLを作る」とここまでは誰でもすぐ形にできます。ところが、もう一歩踏み込んで「○×MLで何を話し合いたいのか」というところまでいくと意外と自分でも形になっていなかったりします。たとえば、卒業生のメーリングリストを作ったとします。その際、メーリングリストではどんな話のできる場としたいかを考えておかないと、参加者にとっては単なる事務連絡用なのかフリートークを交えての交流の場なのかはっきりせず、どう利用したらよいのかわからないまま有名無実の活用されないメーリングリストになってしまいます。これではせっかく作ったメーリングリストも生かされません。自分が描くメーリングリストのビジョンなり、コンセプトといった中身をいっかり練ってから開設に踏み切るようにするのが賢明です。
●具体的な内容を盛り込む
こんな内容の話ができればと頭にイメージできたら次はそれを具体的な表現としてまとめておくようにします。というのは、メーリングリストの入会案内に盛り込む際に必要になるからです。参加希望者は入会前にどんな話や情報交換のできるメーリングリストなのかについて関心をもちます。その際、入会案内にメーリングリスト名と同じようなことしか書いていなければいったいどんな話をしているのか、どんな話を持ち出してよいのかまったくわかりません。たとえば「果物のメーリングリスト」を開設したとき(架空です)、その趣旨として
「果物メーリングリスト」 内容:果物の情報交換をするメーリングリストです。 |
「果物メーリングリスト」 内容:私たちの生活に身近な果物について といった「おいしい」話をするメーリングリストです。 |
●何でもありといった漠然とした趣旨は禁物
「○×メーリングリスト」で内容は○×に関する話なら何でもOKという趣旨は漠然としてしまうため、メーリングリストでどんなメールを出せばよいのか参加者にとっては迷ってしまいます。結局、誰かがメールを出すまで何もしない「人任せ状態」を作ってしまい、メールが来ないメーリングリストになりかねません。これは、主催者が思い描いているメーリングリストのイメージが参加者側に伝わっていないためです。何でもありとした場合でも、「たとえばこんな話ができたらよい」といった具体的なものをあらかじめ考えておき、参加者に伝えるよう入会案内に書いておく方が話の充実したメーリングリストになります。
●同じ趣旨のMLがあったら
メーリングリストの紹介ページを探していると自分が作ろうとしていたものと同じメーリングリストがすでに活動しているときがあります。もちろん、同じ趣旨のメーリングリストを作ってもいけないわけはありませんが、二番煎じでは先陣の方が内容的にも充実しているため見劣りしてしまいます。こういうときは、競合するよりも自分が作るメーリングリストは同じテーマでも特にこの分野に重点をおくといった専門的なものにしたり、扱っていない内容を中心に話し合う場にして違う特色をもたせるようにします。そうすると掛け持ちの参加者が集まり、同じ趣向でも味の違うメーリングリストとして活動できるようになります。うまくするとML間の合同企画にも発展できます。「このMLではこういった話を特に活発にしていきたい」または「こういった対象の人には最適」といった特色となる“ウリ”を作っておくと、魅力あるメーリングリストとなります。
主催者があいまいな方針でメーリングリストを開設すると参加者も戸惑いを与えてしまい、有意義な情報交換ができなくなります。メーリングリストを始めるにあたって、自分はどういう場を作っていきたいのかしっかりイメージをたてておくことはその先の発展に大きく影響します。イメージをふくらませながら参加者が魅了するメーリングリストの構想を練ってみてください。