Fred Frith (ex-Henry Cow) - Larry Ochs (Rova) とのトリオ Maybe Monday など contemporary な jazz/improv/classical の文脈で活動するニューヨーク拠点の 箏奏者 Miya Masaoka が、 jazz/improv の文脈で積極的に共演を重ねる東京拠点の箏奏者 八木 美知代 と共演する 即興セッションが行われた。 このような箏奏者 2人の共演がどのようなものになるのかという興味で観に行った。 編成は2人に加えて、Fire! で来日中のスウェーデンの sax 奏者 Mats Gustafsson、 アメリカ出身で半ば日本を拠点に活動する live computer music の Carl Stone の4人。 前半は Gustafsson - Stone duo と 八木 - Masaoka duo、 休憩を挟んで後半とアンコールは 4tet という編成で演奏した。
最も興味深く観られたのは 八木 - Masaoka duo。 最初は、八木 が低音の 十七弦 を強めの音で弾き、一方、Masaoka は弓も駆使して高音を揺らめくように。 このようなうまく住み分けた音出しから、自然に一体となって箏の音でテクスチャを作りだしていった (後半では 八木 も二十弦 を弾いていた)。 そんな構成が感じられた所が良かった。
Gustafsson - Stone duo では、Gustafsson は爆音はあまり使わず、断片的な音出し。 それに似てしまったか、Stone の live electronics の部分がさほど目立たず、あまりピンと来なかった。 Gustafsson - O'Rourke duo を観た [レビュー] 直後で無ければ、Gustafsson の演奏も興味深く聴かれたかもしれないと思ったけれども。 4tet での演奏では、大きな音での音出し合戦かという時もあったが、 意外に Stone の音も把握できるような展開もあり、悪くは無かった。 アンコール前後半最後の所では、Stone が「君が代」らしき旋律を微かに繰り出してきて、 このテーマでさらに続けるのかなと期待したら、そのままフェードアウトしてしまった。残念。