Cecilia Zabala は2000年代に入って録音を残すようになった アルゼンチンはブエノスアイレス (Buenos Aires, AR) を拠点に活動するシンガーソングライター (SSW)。 guitar 弾き語りのソロもしくは2、3人の伴奏を加えての音数控えめのミニマリスティックな演奏で jazz、tango や MBP の影響を加えた folklore やそれに基づく自作曲を演奏してきている。 初録音の clarinet とのデュオ Alvarezabala Dúo: Halo De Luz (2004) [レビュー] 以来、そのあまり癖の無い歌声を気に入ってフォローしてきたが、 ソロ2作 Aguaribey (2007) と Pendiente (2008) では音作りを物足りなく感じてもいた。
そんな彼女の去年秋にリリースされた新作は、4人組のバンドによるもの。 英語歌詞の曲もあり、fletless bass と drums のリズム隊が入って rock 的 –– 簡素な音のフォーキーな US indie の女性歌手のグループを思わせるような音になった。 しかし、Silvia Iriondo などの作品 [レビュー] にも参加している Mario Gusso の刻むリズムは、そのアクセントも変則的。 オープニングの “Vermelho” からして3拍子に時折2拍子を挟むようなリズムだ。 そのリズムが明るい歌声ながら良い緊張感を生み出している。 Zabala と歌と guitar と組むフロントのもう一方が軽快な音色の管楽器 (clarinet や soprano sax、flute) というのも、非 rock 的なイデオムを加えるよう。 jew harp や thumb piano, musical saw らしき音を伴奏に静かに歌う folklore 的な曲が 時折入るのも良いアクセントになっている。 そして、そんな所も気に入っているアルバムだ。
ところで、Cecilia Zabala は オフィシャルの YouTube channel を持っている。音質画質が良好というわけではないが、ライヴの様子を観ることができる。 Presente Infinito のグループやソロでのライブに混じって、 Marcelo Moguilevsky [レビュー]とのデュオも 観られる [YouTube]。 このデュオも良さげなので、是非、CDでじっくり聴いてみたいようにも思う。