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Review: Tetuzi Akiyama + Toshimaru Nakamura, Microtub, Kim Myhr, Keith Rowe + Kjell Bjørgeengen SOFA Night (live) @ Super-Deluxe, Roppongi, Tokyo
2012/04/22
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
SOFA Night
Super Deluxe, 六本木
2012/04/17, 19:30-22:30
秋山 鉄次 [Tetuzi Akiyama] (guitar), 中村 としまる [Toshimaru Nakamura] (no-input mixing board); Microtub: Robin Hayward (tuba), Martin Taxt (tuba), Kristoffer Lo (tuba); Kim Myhr (guitar); Keith Rowe (guitar, electronics), Kjell Bjørgeengen (live video).

SOFA Music は2000年に Ivar Grydeland と Ingar Zach によって設立された、 抽象的な improv を主にリリースしているノルウェーのレーベルだ。 そのショーケース的なライブが開催された。 去年 Dans Les Arbres として来日した Grydeland と Zach [レビュー] は参加せず、 近年 SOFA を共同運営している Martin Taxt と Kim Myhr がメインとも言える構成だった。

オープニングは、日本からのゲストとも言える、秋山 鉄次 + 中村 としまる。 いかにもアウトな音出しによる即興演奏から始まった。

最も興味深く聴かれたのは2番手、Martin Taxt を含む tuba 3人による Microtub。 循環気法を使ったロングトーンを重ね合わせて、音響のテクスチャを作り上げていった。 音の立ち上がりや終わりをほとんど感じさせないうえ、微妙に高さがズレた音が重ねられ、 特殊な吹き方をしているというわけでもないのに tuba とは思えないような音響になっていた。 そんな、ミニマルに音響を体感するような演奏だったが、 展開を全く感じないわけでもなく、時折音を止め、暫く休んだうえ、異なる高さで入ってくる。 その変化が極端に引き延ばされたメロディのようでもあり、 Brian Eno: Discrete Music (Obscura, 1975) にも似た心地よさすら感じてしまった。30分程で終ったのも、ちょうど良い長さだったかもしれない。

続く Kim Myhr のソロも、ひたすらギターをストロークし続けて、その音のテクスチャを体感するようなミニマルなもの。 指板の押さえは変えていくのだが、コード進行で展開させるのではなく、 むしろ、ストロークの単位時間あたりの回数を増減させたり、ミュートを効かせたりして、 その響きを変えて進行していくように感じられた所が面白かった。

トリは AMM の Keith Rowe の演奏に合わせての Kjell Bjørgeengen の live video。 Bjørgeengen の video を観るのは、2000年に原美術館であった Evan Parker の sax との duo [レビュー] 以来。 そのときは、アナログな snow noise がモクモクと変化するようなビデオだったが、 今回の noise はデジタルに感じられた。 基本的には真っ白な画面なのだが、その上にムラや位相ズレで変化を生じさせるようなもの。 縦方向の脈動も、リズミカルというより、横方向の流れに変換されて見えるよう。 こういう画面の変化も、単なる作風の変化というより、ピロピロと sax を吹く Parker と、 guitar というより electronics な音中心の Rowe との違いに対応しているように感じられた。