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Review: Michiyo Yagi & Eivind Aarset: Yomemitsuki: The Dreaming Moon (live) @ Super Deluxe, Tokyo
2018/04/01
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
『夢見月』 Yomemitsuki: The Dreaming Moon
Super Deluxe
2018/03/23 20:00-22:20
八木 美知依 [Michiyo Yagi] (エレクトリック二十一弦箏 [electric 21-string koto], 十七弦ベース箏 [17-string bass koto], 十八弦ベース箏 [18-string bass koto], live electronics, vocals), Eivind Aarset (electric guitar, electronics); guests: 本田 珠也 [Tamaya Honda] (drums), Anne-Marie Giørtz (vocals).

ノルウェーの jazz/improv の文脈で活動する electric guitar 奏者 Eivind Aarset。 2010年に観たときは Sonic Codex 4tet でだったが [鑑賞メモ]。 今回の来日は観光がメインということで、特にバンドは引き連れず、ライブも日本のミュージシャンとの共演となるこの晩程度だった。 前半は 八木 美知依 の箏との duo。ラウドな展開にはあまりならず、繊細な弦の響きにエフェクトがかって音が漂うよう。 八木はいつもは2つの高音低音2台の箏を使い分けているのだが、十八弦ベース箏を加えて三段に箏が並ぶ見た目迫力のあるステージだったが、音の使い分けは自分には掴めなかった。 本田 珠也 の drums を加えての後半も、出だしはブラシも多用したチャカポコした音出しもあってか、Food [鑑賞メモ] も連想させられるような音空間。 しかし、これは良いかも、と思ったのもつかの間、パワフルなドラミングに煽られるかのように爆音の展開に。 Sonic Codex 4tet や Michiyo Yagi Double Trio [鑑賞メモ] からして、 彼ららしい演奏とは思ったのだけれども、少々耳には辛いものがあった。 そういえば、最近、爆音のライブを聴いていなかったな、と。 最後は、Aarset の妻でもある Ab und Zu などのグループでの活動で知られる女性歌手 Anne-Marie Giørtz を加えて1曲。 スローな曲だが少々フォーク的にも感じる (還暦とは思わせないような) 高めの漂うような歌声で、八木の箏も harp のよう。 1曲しか聴けなかかったのだけれども、Giørtz の歌を全面的にフィーチャーにしたライヴを聴きたかった。

レーベルはまだ明かせないとのことだったが、Eivind Aarset と 八木 美知依 のデュオのアルバムがそろそろリリースされるとのこと。 また、Aarset は秋に Sly & Robbie と来日するとのこと。 これは、おそらく、Sly & Robbie meets Nils Petter Molvær feat. Eivind Aarset and Vladislav Delay: Nordub (Okeh, 2018) での来日だと思われる。いずれも楽しみだ。