コンクリートで固められた擁壁や砂防ダムを構成的な画面で捉えた写真作品で知られる 柴田 敏雄 の2009年以降のカラー作品を集めた展覧会だ。 山間部というか河川上流部のダムや擁壁など治水工事の入った風景を撮った写真、という点は相変わらず。 しかし、その構造が写真の画面に作りだす色形だけの作品ももちろんあったが、 モザイクで描いた絵やひび割れ等のチェックのために書かれたと思われる線群を捉えた作品もあった。 判り易い絵があってとっつきやすいとは思うが、 シャープさが若干損なわれてしまったようにも感じた。
40×50inchと大判にプリントしたのは8点、 残りは4×5のフィルムサイズそのままに小さくプリントしたと思われるもの。 以前に小判のものを観たときにも感じたことだが、 収集家が集めるには良いのかもしれないけれども、 小さなプリントでは抽象画のような画面の面白さはかなり失われてしまっていた。