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Review: Rimini Protokoll: 100% Tokyo @ 東京芸術劇場プレイハウス (演劇)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2013/12/01
東京芸術劇場プレイハウス
2013/11/30, 15:00-16:45.
Concept, Format: Rimini Protokoll (Helgard Haug, Stefan Kaegi, Daniel Wetzel). Direction: Daniel Wetzel.
出演: 東京都区内在住の100名. 楽団「焚火」.

題材に合わせた型破りな上演スタイルのドキュメンタリー演劇を得意とする Rimini Protokoll。 今回の日本公演は、都市の人口構成を反映した100人を選び舞台に上げ、そこで意識を問いその結果を動きを通して視覚化する作品 100% Berlin (2008) の東京版。 すでに、欧米豪の10都市以上でそれぞれの都市のバージョンが製作されている作品だ。

住民統計に基づく人口構成に合わせて人選すれば突出したキャラクターを持つ人が出てくる事は少なく、 平凡な人々の平凡な意識をちょとだけ特別なものとして表出させるような舞台だった。 そういう退屈さは当然予想していた。 Rimini Protokoll の場合、ドキュメンタリーの題材から発想した特殊な上演スタイルに面白みがあると思うのだが、 今回の場合、NHKスペシャルのようなドキュメンタリーTV番組がたまに視聴者参加で行う意識調査、 もしくは、そのライブ版という感。そこは少々物足りなかった。

統計の使い方という意味でも、他都市の比較から特徴を示したり、 見落とされていた相関を明らかにしたり、意識と実態のズレを明らかにすることもなく、 単にだらだらと意識を二分法で訊ねても、何が判るでもなし。そういう所も退屈に感じた。

今まで観た Rimini Protokoll の作品はこれで5作目。 他のカンパニーの作品であればそれなりに頑張ったかなと思ったかもしれないが、 今まで観た作品と比べると、見劣りする舞台だった。