24日土曜の午後、表参道で美術展巡りをしてきました。
横須賀市にある私設美術館 カスヤの森現代美術館 所収の Joseph Beuys のヴィトリーヌ (vitrine) 作品を3点を核に、 日本の作家6人で構成した展覧会です。 カスヤの森現代美術館を開設した 若江 も参加しており、ある意味で、カスヤの森現代美術館 の出張展示という感もあるでしょうか。 掲げているテーマとはすれ違ってしまった感があったのですが、 数ヶ月前に観た Anselm Kiefer のガラスケース入りオブジェの作品は [鑑賞メモ]、 Beuys のこの作風の影響下にある物だと今更がながら思い至ることができました。 畠山 直哉 が何を出展しているのだろうという興味もあったのですが、 当時勤めていた広告代理店SPNで1984年 Beuys 来日時の記録映像制作のディレクターの仕事をした時の、Beuys を撮った (そういう意味では作品性の低い) 写真でした。
滋賀県に縁のある現代アートや現代陶芸の作家を集めての展覧会で、こちらは 滋賀県立美術館 の出張展示でしょうか。 去年12月に『高知県立美術館開館30周年記念展 そして船は行く』を観たときに地元の縁とう切り口が新鮮で面白かったので [鑑賞メモ]、 その滋賀県版だと思いつつ、やはり都心の小スペースの展示構成では薄さを否めません。 京都、大津あたりに行った時には滋賀県立美術館へも足を伸ばしてみたいものです。 展示されていた作品は多様でどぎつい色彩だったりキッチュだったりする作風もありましたが、 掛け軸をレイヤに分解したような ミヤケマイ の作品 [鑑賞メモ]、 意味深長そうで抽象的な空間構成のようで捉え難い 保良 雄 のインスタレーションなど、 スッキリした仕上がりの作品の方が印象に残りました。
表参道のプラダ青山の6階を使っての Miranda July [鑑賞メモ] の個展です。 2020年にSNSの Instagram のプライベートチャネルを使い見知らぬ人とコラボレーションして作成した動画を、 スマートフォンと同じく縦型のアスペクト比の6面のモニターを使ってマルチチャネル上映した作品です。 親密さというか “intimacy” を主題としているようで、 コラボレーションした人が撮った映像と July の映像を重ね合わせて、性的な意味合いを含めての「親密さ」の表現 (の不可能性) を試みるかのような映像を作り出しています。 今まで観たことのある July の作品ほどにはユーモアが感じられず、むしろ少しグロテスクに寄ったようにも感じられました。