ゴールデンウィーク前半の土日の楽しみといえば、 『高円寺びっくり大道芸』。 今年も日曜に行ってきました [過去の写真レポート: 2011年, 2012年, 2013年]。 去年に続いて大道芸日和、暖かく晴れた天気でした。
14時前に高円寺入りする予定がちょっとしたトラブルで遅れて着いたら14時15分頃。 高円寺北口駅前広場での Les Cousins の Julot のパフォーマンスは終った所でした。 ま、以前にも六本木で観たことがあるので、諦めがつきますが……。
というわけで、最初に観たのは、大駱駝艦のゴールデンズ。
高円寺には毎年出演していますが、毎年観る度に演出が異なるので、今年も楽しみにしていました。
今年は女性のみの編成で、金粉の踊り手6人に 我妻 恵美子 のMC。
MCは単に最初や最後に注意や案内を言うだけでなく、刀を振ったり、シンバル鳴らしたり、
ジュディ・オング 「魅せられて」を歌ったり。
女性ばかりの踊り手の動きといい、海賊風のMCの衣裳といい、歌詞にある「女は海(賊)」がテーマだったのでしょうか。
南口側へ移動して、GEN (ジェン)。
大道芸フェスにはエアリアルの女性パフォーマー チョコ と組んでの GチョコMarble で出演することが多いのですが、今回はソロ。
ジャグリングやディアボロで客を引き付けたところで、決め技は得意のチェアアクロバット。
単純に高くするのではなく、不安定な形に椅子を積み上げて、その上でのアクロバットを見せます。
ソロはどうなるのかと思いきや、観客も多く、盛り上がっていました。
立ち振る舞い客弄りもいい雰囲気で、人気があるんだなあ、と。
高円寺中央公園へ移動して、サクノキ。
GEN と同じく 沢入国際サーカス学校 出身ですが、
観るのは初めて (少なくともソロでは)。
言葉は使わずマイムのみで、観客の子供も交えてのステッキやハットのジャグリングも優しい雰囲気。
しかし、最後の決め技、キューブジャグリングはダイナミックで、そのギャップも効果的でした。
そのまま、高円寺中央公園に残って、プティパ。
この高円寺びっくり大道芸2014でお披露目となった、
ジャグラー 森田 智博 と
GチョコMarble のエアリアル・パフォーマー チョコ による新ユニットです。
コミカルなGチョコMarbleと異なり、こちらは台詞も使わず、優雅に踊るようなパフォーマンスでした。
19世紀ロシア・バレエのフランス人振付師 Maurice Putipa から採ったと思われるユニット名で、床での動きもバレエ的。 テーマを「春」としていたのですが、 オープニングにルネサンス期の絵画 Botticelli: Primavera を掲げ、 Vivaldi: La Primavera (from Le quattro stagioni) を使うなど、クラシカルな雰囲気で。 チョコのエアリアルはもちろん、森田のディアボロでの舞うような動き、そして、エアリアルとジャグリングの絡みも雰囲気ありましたし、 騒がしい街中ではなく、緑の多い公園をステースとしたのも良かったのではないでしょうか。 一点気になったのは、エアリアルの布の色やジャグリングに使うクラブやディアボロの色。 エアリアルの布は紫より春らしい明るい色にするかジャグラーの羽織る布の臙脂色に合わせるとか。 また、こういう落ち着いた雰囲気で見せるパフォーマンスでは蛍光色の道具は似合わないような。
プティパのパフォーマンスは単なる雰囲気以上のレベルに達していたように思います。
劇場での公演ですが、先日観た ながめくらしつ 『おいていったもの』
[レビュー] も良かったですし、
日本のサーカス・大道芸のパフォーマンスも、
奇妙さを強調したり、笑いを取ったり、技を派手に見せ付けるようなものばかりでなく、
このようなダンス的な動きと演出で観せるものもレベルが高くなってきたな、と。
しかし、その一方で、今の日本の大道芸フェスには、こういうパフォーマンスの居場所はあまり無いのかもしれないな、と、
投げ銭の時間に観客が森田に「ジャグリングをやってよ」と言っているのを耳にして、思ってしまいました。
このようなダンス的なパフォーマンスでは、ジャグリングの技を使っていても
いわゆる大道芸的な「ジャグリング」として認識されないという。
その後は特に狙いを定めずに、しばらく歩き回りながら観ていたのですが、酷い混雑と人垣でほとんど観られず。 天気が良くて人出も多かったのかもしれないですが、もはやぶらぶら流しながら観られる大道芸フェスではなくなってしまったな、と。
北口駅前まで戻ってきたところで、ちょうど、
徐領民雑技団の中国雑技が始まる所だったので、
久しぶりに腰を据えて観る事に。
大道芸フェスですっかりおなじみですが、
高度な身体能力を見せ付けるような煽るMCも派手なパファーマンスは相変わらず。
これはこれで見応えあるなあ、と。
2日目日曜ということで、この後に出演パフォーマーが勢揃いするフィナーレが予定されていましたが、 少々疲れていたので、それは観ずに高円寺を後にしたのでした。