メーリングリストの機能

登録者へのメールの配送といった基本機能のほか
管理ソフトを使えば自動登録や過去のメールの取り寄せなども可能。


 メーリングリストの機能は運用形態により異なります。そこで、まずメーリングリストを運営するシステムについて簡単に説明します。
 メーリングリストを運用するには大きく分けて2つの方法があります。ひとつはネットワークシステムの転送機能のみ使い、入会登録などすべての作業は管理人が担う「手動」管理と、もうひとつは専用のメーリングリスト管理ソフトを使って入会登録などをコンピュータに自動的に処理させる「自動」管理です。前者は規模の小さなメーリングリストを運営するには小回りが利き、後者の方は規模の大きなメーリングリストを運営するのに好都合で、管理人が担う作業が格段に軽減できるだけでなく、運営上便利な機能を数多く利用できます。両者どちらで運用するかはそのメーリングリストの規模を見込んだ上で選択するとよいです。


 メーリングリストには次のような機能があります。

<メーリングリストの基本機能>

● 登録者へのメール配送
 メーリングリストになくてはならない機能です。「メーリングリストとは」で説明したとおり、あらかじめ登録者リストを用意し、そのリストに記載されているすべてのアドレスにメールを配送するというものです。一般にメーリングリストへ投稿するためのアドレスを作り、そこへメールを送るようにします。

<管理ソフトを利用した機能>

 メーリングリスト管理ソフトでは、管理作業を管理人が直接コンピュータに接続せずにメールを使って行なうことができます。具体的には処理命令を記載したメール(コマンドメールと言います)を特定のアドレス(通常、投稿用とは別のアドレスを使います)に送ることで、以下のような機能を実現できます。

● 入会・脱退の自動処理
 メーリングリスト管理ソフトを使う上で最も重宝する機能です。メーリングリストへの登録・脱退を頻繁に更新するのは管理者にとって大変な作業ですが、参加者が登録、脱退のメールを特定の管理用アドレスに送ることで自動的に登録者リストを更新してくれます。これにより、管理人が参加者から依頼を受け、その都度処理をするといった手間が省けるとともに、参加者も好きなときに登録・脱退をすることができます。こういった登録や脱退作業は逐次管理人にもメールで通知されるようになっています。さらに、管理人は特定のアドレスを強制的にリストから外したり、登録したりできる特別な命令も実行できます。

● 入会案内の自動送付
 入会希望者にはそのメーリングリストの概要や注意事項を記した入会案内を送付します。これも、入会者が多いメーリングリストでは管理人が毎回送るのは大変です。管理ソフトを使うと、自動登録が完了したと同時に入会案内も送付してくれます。

● メールの保存(アーカイブ)
 メーリングリストを運営していくとたくさんのメールが蓄積されていきます。時として過去のメールが読みたくなるといったことも十分あります。個人でメールを保存しておくこともできますが、メールを配送すると同時に特定の場所に保存しておき、参加者がメールを使っていつでも自由に過去のメールを読み出すことも可能になります。また、保存メール数が多くなってきたときは必要に応じて圧縮処理を自動的にしてくれるなどといったこともできます。今までの議論の蓄積を保存して自由に閲覧してもらえるなどとても便利な機能です。長くメーリングリストを続けていくうちにメールがその歴史を綴るようになります。

● 関連文書の取り寄せ
 過去のメールだけでなく、メーリングリストに関連した資料や文書もメールを使って取り寄せることができます。メーリングリストのローカルルールを書いた文書を登録しておくと便利です。

● 表題へのインデックス追記と番号付け
 メーリングリストからのメールを容易に識別できるように、メールのサブジェクト(標題)の先頭にそのメーリングリストの名称と通し番号を記載したインデックスを付加することができます。メールの返信にも同様にインデックスがつけられますが、返信元のインデックスは自動的にカットされます。


● ダイジェスト(まとめ送り)機能
 メール量の多い(トラフィックが多いと言います)メーリングリストでは、頻繁にメールボックスを開かない人にとっては膨大なメールをかいま見ることになります。まして、1通ごとメールボックスを開いて閲覧するのは労力がいります。メールを読むだけなら、何通かをまとめてひとつのメールとして処理できれば、流し読むするのに大変便利です。こういった機能を実現するのがダイジェストまたはまとめ送りと呼ばれる機能です。メールを何通かまとめてひとつにしたメールを配送するしくみで、ちょうど長い巻き物が送られてくるといったようなものです。メールの量が多くなると見込まれるメーリングリストであればこの機能を盛り込んでおくと参加者を維持できます。


● 投稿者集計などの統計データ算出
 メールを配送すると同時に、日付や送信人などのデータも記録し、月ごとの投稿数や誰が何通メールを出したなどといった統計データをとることもできます。メーリングリスト上で投稿数ランキングを発表するなど、活動を盛り上げるのに一役買います。また、管理者側にとってもトラフィックの状況を把握するのに重宝します。

● 自己紹介送付
 メーリングリストに参加していると参加者のプロフィールを見たいときがあります。これに便利なのが自己紹介送付機能で、あらかじめ参加者がプロフィールを用意しておき、決められた手順で登録をしておきます。そうすると、簡単なコマンドでそのプロフィールがいつでも入手できます。いつも活発にメールを出している人ってどんな人かを知りたいときに利用します。

● セキュリティ機能
 メーリングリストは参加者が募って成り立っています。したがって不正な利用をされれば運営に支障をきたします。そこで、セキュリティを維持するために以下のような機能が備わっています。必要に応じて管理者が設定をするようになっています。

  1. 登録者以外の投稿の禁止
    参加登録されていないメールアドレスからの投稿は受け付けないようにする機能。登録外アドレスから送られてきたメールは送信人に返送されるか、管理人預かりになります。
  2. 大きなメールの配送制限
    長文にわたるような大きなメールは読み手に負担をかけるだけでなく、ネットワークにも影響を及ぼします。それを防ぐために、一定の大きさ以上のメールは配送しないよう設定することができます。
  3. ブラックリスト機能
    メーリングリストの規約を破り除名等の処分を受けたアドレスを再登録させないようにする機能です。イタチごっこになる場合がありますが、リストに掲載されたアドレスは登録されないようになります。
  4. 監査つき配布(モデレート)
    投稿されたメールをすぐさま配送せず、一度管理者(あるいは査閲者)がチェックした後、再送させる機能です。趣旨にそぐわないメールや、投稿資格のない人からのメールをチェックするときなどに利用します。

 これらの機能は、使用するメーリングリスト管理ソフトにより対応が異なります。必ずしもすべて利用できるとは限りませんのでご注意ください。

2002.2.17 更新 

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