日本中で使われているこれら2つのML管理ソフトの優劣、回答が難しいです。もし知り合いにメーリングリスト開設経験者(ネット上の知り合いでもかまいません)がいれば、その人が得意とするソフトを採用する方が技術的なアドバイスを受けられ好都合です。ただし、この考えでは参加者側への配慮がされていません。大切なのは、システムよりも話題を提供してくれる参加者にあります。人を考慮しないと、形だけ整った中身の乏しいMLになりかねないのです。
インターネットで比較的技術的知識を持ち合わせていない人を参加対象とするMLを作るときは、どちらかというとMajordomoを採用する方がメリットがあります。日本国内のMLプロバイダはもとより、世界中でMajordomoは広く利用されています。すでにメーリングリストに参加したことのある人の中には、このソフトでの入会、脱退方法を経験したことのある人は比較的多くいます。同じようなシステムを採用すれば、あらためて特有の方法を理解させるより親切といえるでしょう。心理的にも気軽に入会しようとする意欲がわきます。
一方、fmlはMajordomoと比べて多くの便利な機能を持ち合わせています。一般参加者にも多くの機能が利用できるため、たとえば発言集計など興味深いデータも簡単に入手できます。ところが、あまりにも機能が豊富なため、コンピュータ特有のパラメータをつけたりなど、コンピュータを得意とする人向けの仕様となっています。素人は使わなくてもいいと言えばそれまでですが、不得意とする人にとってはコマンド一覧を取り寄せてその膨大なリストを見ただけでしりごみしてしまいます。しかし、ある程度コンピュータを使いこなせる人を対象としたMLを作るのであれば、参加者自ら機能を使いこなして活用の範囲を広げられるfmlを採用するのがよいと見ています。
私見としては、広く一般の人を対象にするMLであれば、ソフトの機能面だけでなく参加者対象を考慮した上でシステムを決めるのがよいでしょう。
<参考ページ>
メーリングリスト管理ソフト
ML管理ソフト機能一覧
MLのシステム設定を解説した雑誌・書籍
2002.3.5 更新