メーリングリストの規模と設備、利用できる環境を把握して選択を。
機能が豊富なソフトほど設定項目が多い。
代表的なメーリングリスト管理ソフトの機能一覧をまとめてみました。sendmailのエイリアスを使った方法も比較として載せておきます。最近は比較的インストール作業は簡単にできるようソフト側で配慮されていますが、機能の多いML管理ソフトほどそれを使うための設定が増えますので作業が多くなります。
どのソフトを使ってメーリングリストを構築するかはご自身の知識と設備によります。比較・参考として活用ください。
ソフト名 | aliasのみ | Majordomo | fml | CML | distribute | |
---|---|---|---|---|---|---|
構 成 | 対応OS | UNIX | UNIX | UNIX WindowsNT | UNIX | UNIX |
スクリプト/言語 | - | perl | perl | shell | C | |
基 本 機 能 | リモート管理 | × | ○ | ○ | ○ | × |
自動登録/脱退 | × | ○ | ○ | ○ | × | |
登録人数の制限設定 | × | × | ○ | × | × | |
投稿のみの参加受付 | × | ○ | ○ | ○ | × | |
通し番号の付加 | × | ○ Ver. 1.94以降 | ○ | ○ | ○ | |
まとめ送り | × | ○ | ○ | ○ | × | |
まとめ送りの配送方式 | − | メールの総容量 定時配送 | 定時配送 | 定時配送 | − | |
監査つき配布 | × | ○ | ○ | ○ | × | |
配送の一時停止 | × | × | ○ | ○ | × | |
入会案内の自動送付 | × | ○ | ○ | ○ | × | |
非参加者へのML紹介文自動送付 | × | ○ Ver. 1.94以降 | ○ | ○ | × | |
ログの自動保存 | × | ○ | ○ | ○ | ○ | |
ログの取り寄せ | × | ○ | ○ | ○ | × 保存のみ | |
特 殊 機 能 | ログのHTML化 | × | △ 機能追加が必要 | ○ | × | × |
ブラックリスト | × | × | ○ | × | × | |
プロフィール登録 | × | × | ○ | ○ | × | |
トラフィック統計算出 | × | × | ○ | × | × | |
イ ン ス ト | ル | リムネットでの使用 | ○ aliasが与えられる | △ コマンド処理は不可 | ○ | △ コマンド処理は不可 | ○ |
日本語説明文書 | − | なし | 付属 | 付属 | 付属 | |
日本語の参考書 | − | あり | あり | なし | なし | |
日本語サポートML | なし | あり 案内ページ | あり 案内ページ | あり 案内ページ | なし | |
/etc/aliases記述項目の出力 | − | × | ○ | ○ | × | |
インストール手順 | 直接/etc/alisesにアドレスを列挙あるいはアドレスリストを作成する。 | Majordomo用のアカウントをまず作る。次に、make wrapper, make installをして本体をインストールした後、MLの個別設定 | makefml installで本体をインストール。makefml newmlコマンドでMLを自動的に生成。 | configureでmakeの基本設定をしてmakeで本体インストール。newmlコマンドを実行してMLを自動生成。 | makeをした後、/etc/aliasesを書き換える。 |
Majordomo | 最初のソフト本体をインストールする際、configファイルを正しく記述するのが重要。Majordomo専用のアカウントを発行してユーザーID、グループIDをしっかり設定おかないと失敗してしまう。最初の本体をインストールするのが慣れていないと若干手こずる。そのかわり、最初の構築の後、MLを開設する際の個別設定は比較的容易で、細かい設定項目が少ないだけに運用時の負担が軽減される。そのため、管理、運営のみを引き受ける人にとっては技術知識があまりなくても運用できる。英語のマニュアルしか付属しないが、設定を紹介した日本語によるWebページや雑誌記事、書籍があるので参考資料は豊富。 |
fml | 本体のインストールは質問に答えていく対話形式で、不明のときは表示されているデフォルトにしておけばほぼ確実に組み込める。また、MLの開設もコマンドひとつで自動生成され、それに応じたaliasの記述も出力くしてくれるのでとても簡単。fmlは高機能ゆえ、設定項目が多数ある。そのため、MLを開設した後、機能をどう利用するかで設定項目の把握が難しい。ある程度ネットワークシステムに精通している人にとっては柔軟な活用ができるが、そうでない人にとっては扱いがやや難しい。最新版の更新が早い。 |
CML | configureとmakeでソフトをインストールできるという知識があれば作業手順は問題なし。MLの開設もコマンドひとつで生成でき、aliaseの記述も出力してくれる。このソフトではMLの個別設定ができないので、複数のMLを作っても仕様は共通となる。日本語によるインストール手順も同封されており、複雑な作業をせずにインストールができる。通し番号がつけられ、自動登録やアーカイブといった機能を備え、凝った機能を必要としないならばもっとも手っ取り早くMLを実現できる。 |
distribute | configファイルの記述を確実に行えば、あとはmakeでインストール完了。適宜パッチファイルをあてて更新しておくとよい。このソフトは、ML名と連番のインデックスのついたメール配送を簡単に実現できる。自動登録機能がないので、不特定多数を対象としたMLには不向きであるが、数十名以内の規模で複雑な機能を必要としない特定連絡用のメーリングリストを立ち上げるのであれば、インストールも楽でありこれで十分活用できる。 |
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