パソコンと携帯電話が混在するMLは可能?

パソコンと携帯電話利用者が混在したメーリングリストは運営が困難。
同窓会や仕事の連絡、内輪のおしゃべりなどに限定される。


 メーリングリストの利用者を広げるために、携帯電話からでも参加できるようにしたい場合があります。しかしながら、実際に携帯電話からの参加を認めたメーリングリストでは、配送上のトラブルがたびたび生じ、思うように運営ができないのが現状です。そのため、公開しているメーリングリストの多くは、携帯電話からの参加を認めない方針をとっています。
 残念ながら、携帯電話とパソコンの利用環境が混在したメーリングリストは、利用目的や規模によっては実用上不向きで、実現できるケースはかなり限定されます。


混在メーリングリストが難しい理由

 「携帯電話専用のメーリングリスト」で説明したように、パソコンを使ったメールと携帯電話を使ってのメールは端末環境や活用が異なるため、同等の扱いができません。また、両者のメール配送の仕組みにも違いがあり、メーリングリストの運営にも影響を及ぼします。主な問題点として、次のようなものがあります。
  1. 配送エラーが多い
     携帯電話はメールボックスの容量がインターネットプロバイダのものよりも小さいため、大量のメールを受信して保存しておくことができません。配送メール量の多いメーリングリストではすぐに容量を超えて不達(エラーメール)となり、管理人にその通知が送られてきます。このエラーがしばしば生じるため、管理人は頻発する携帯電話からのエラーメールに悩まされます。

  2. 長文メールが尻切れになる
     携帯電話の一通あたりのメールの文字数には制限があります。長文メールが送られてくると途中で尻切れとなり、肝心の結論が読めないメールになるときがあります。議論や話し合いをするメーリングリストでは長文となるときが多く、尻切れの中途半端なメールが配信されるのは望ましくありません。

  3. メールを出して参加する意欲が出ない
     携帯電話からの参加者も募ればいっそうメールを出してくれる人が増えて盛り上がると思いがちですが、これは意外にも効果が上がりません。
     携帯電話でメールを送るには、少ないキーボードを駆使してしかも片指で文字を打ち込まなくてはなりません。友達同士の連絡なら簡略した言葉でも通じるでしょうが、見ず知らずの人とのやりとりでは通用しません。きちんとした文面を作るのはもちろんのこと、自分の考えを整理してまとめるには携帯電話では困難です。つまり、街頭や電車内でメールを読めてもメッセージを書いたり返信をつけるのは困難です。
     携帯電話からの参加者は、メールを読むだけの人(これをRead Only Member、略してROMといいます)を増やすだけにすぎず、積極的にメールを書いて活動してくれる人の増加につながらないのです。

  4. メール量が多いと絶えず着信を知らせてしまう
     メールの流量が多いメーリングリストでは、頻繁に携帯電話にメール着信を知らせる結果となります。緊急の用事でもないメールのために携帯電話の着信が絶えず鳴り響くのは煩わしく、参加意欲を失います。

どのようなメーリングリストであれば開設可能か

 携帯電話とパソコン利用者が混在するメーリングリストは、携帯電話側の制約が多いために、目的や規模で実現できるか否かが決まります。

  混在が難しいメーリングリスト 混在できるメーリングリスト

 

  • 広く仲間を募集する公開メーリングリスト
  • メール量が多い(平均10通/日)
  • 長文を扱うメーリングリスト
  • メール投稿を活発にしたいメーリングリスト
  • 仲間内だけの非公開メーリングリスト
  • メール量の少ないメーリングリスト
  • 短いメッセージ交換が主体
  • 案内や告知を中心とした情報交換



  • 雑談・フリートーク
  • 世代別、地域別交流
  • 趣味系のメーリングリスト全般
  • 議論や専門的な情報交換
  • 少人数の仲間同士のおしゃべりや連絡
  • 仕事上の業務連絡
  • 卒業生の同窓会案内
  • イベントやニュースなどの情報交換


どの開設サービスを使うべきか?

 パソコンと携帯電話の混在したメーリングリストを開設するには、メーリングリスト専用のサーバを一台用意するか、一般のメーリングリスト開設サービス、あるいは携帯電話専用のメーリングリストサービスのいずれを使えばよいか選択しなければなりません。
 目安としては、携帯電話利用者が多数を占める場合は携帯電話専用のメーリングリストサービスを、それ以外の場合は規模に応じてサーバを用意するか、一般のメーリングリスト開設サービスを利用する方がよいでしょう。携帯電話からの参加者はあくまでも特例扱いにして、主体はパソコン利用者にするのが賢明です。メーリングリストからのメールを安定して配送できるのはパソコン利用者である点を重視して運営をしていく方が望ましいです。

2003.2.9 更新 

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