ねんだつ2010
グループリーグ編


ねんだつ2002〜念力の朝、脱力の夜
ねんだつ2006〜念力と脱力のフーガ





【似てる人2010】まとめ

■メキシコのフアレスと、サイモンとガーファンクルのアート・ガーファンクル。
■メキシコのグアルダードと犬。(by愚妻)
■メキシコのブランコの首と国民新党の亀井静香の首。
■メキシコのアギレ監督と「ツイン・ピークス」のリーランド・パーマー(ローラの父親)。
■アルゼンチンのディエゴ・マラドーナ監督と俊敏なパンダ。
■アメリカのオニェウとロン・カーター。
■ドイツのレーブ監督と野口五郎。
■ドイツの8番エジルと映画「エイリアン」に出てくるアンドロイド。(by 愚妻)
■コートジボワールのカルーと仏像。
■北朝鮮のチョン・テセと泉谷しげる。
■ミスしたときのロビーニョとスベったときの出川哲朗。
■アルゼンチンのマラドーナ監督と映画「殺人遊戯」の佐藤蛾次郎
■チリのマティアス・フェルナンデスと水嶋ヒロ。(by 愚妻)
■チリのGKとタカ・アンド・トシのどっちか。(by 愚妻)
■ポドルスキーのシュートと伊良部のストレート。
■アメリカの監督と元オランダ代表のスタム。懐かしい。







連載コラム・日本人のホコロビ
第33回 わからないのに即断即決
(深川峻太郎・SAPIO 7/14号)








闇の中の翼たち
ブラインドサッカー日本代表の苦闘
(岡田仁志/幻冬舎/1500円+税)







キャプテン翼勝利学
(深川峻太郎/集英社インターナショナル)




目次5月の日誌アジア選手権2009全仕事リスト江戸川時代homemail

 FIFA World Cup South Africa 2010 special in umiumegusa

念力のロスタイム 
もしくは 脱力のパスタイム 

◎ノックアウトラウンド編(6/28以降)はこちら

 2010年6月26日(土) 18:20
 観戦疲れを癒やしてくれなかったGL最終日

 きょうは家でゴロゴロするつもりだったのでブログは更新しない予定だったのだが、仕事場にしているマンションの管理組合総会があることを迂闊にも思い出してしまい、いちおう役員なので思い出したらすっぽかすわけにもいかず、しょうがないので出勤してブログを書き始めたのだった。定例総会は6月開催なので、必ずワールドカップと重なる。2002年は「デンマーク×イングランドが見たいのにぃ」と思いながらイヤイヤ出席していた。なんでそんなこと覚えてるんだろう。そんなに見たいかデンマーク×イングランド。ちなみに当時の「ねんだつ」(2002年6月15日)によると、〈オーウェンの大会初ゴールに加えて、「デカくて黒い柳沢」ことヘスキーまでゴールを決め、0-3でイングランド圧勝〉だったそうです。ふーん。あのときもKOラウンド初日だったのか。しかしそう考えると、もう8年以上も役員やってんのかよ俺! いいかげん、代わってほしいよ。いったん人に押しつけるのに成功したら最後、何だかんだと屁理屈こねて逃げ回る奴らって、ほんとうに頭に来る。私が理事になったときは「そんなに時間は取られませんから」と説得されたが、だったらテメエがやれよバカ野郎。こっちはここで仕事してんだよ。回覧板(管理人の業務日誌)に毎週ハンコつくだけでも鬱陶しいんだよ。わかってんのかよ。と、ブログでは吠えながら、改選のたびに「まあ、しょうがないッスね。やりますよ」と言ってしまう自分にいちばん腹が立つ。

 トルコ戦翌日(2002年6月19日)の日誌は、いま読んでも泣けてくるにゃあ。

■ポルトガル×ブラジル(グループG)
■北朝鮮×コートジボワール(グループG)
 ゆうべは前者をライブ観戦し始めたのだが、5時半に起きた日の夜の激ネム状態でフジテレビの青嶋アナの喋りを聞くのは、ほとんど拷問である。なんであの人は、シュートチャンスのたびに突如として別人格になって発狂口調になるのか。あれを聞かされるなら、黒板を爪で引っかかれたほうがまだマシだ。ならばスカパー!で見ればいいと思われるだろうが、そっちは裏番組を録画しているので使えないのである。結局、そうこうしているうちに本格的に寝入ってしまい、きょうの昼間にあらためてスカパー!で観戦。無理して起きてなくてヨカッタ、と思える試合であった。青嶋実況で深夜まで見た人たちには「ご苦労さんでした」と言ってあげたい0-0。コートジボワールは見ていないが、ドログバはゴール決めたのかしら。

■チリ×スペイン(グループH)
■スイス×ホンジュラス(グループH)
 さっき前者を録画観戦したところ。どっちをどう応援すりゃいいのかわからないまま見始めたが、序盤にスペインがちょっとした決定機をしくじったときに「アブねー!」と口走った瞬間、自分がチリに肩入れしていることを知った。相対応援の本音は、そういう一瞬のつぶやきに表れる。しかし、そのチリがガンガン攻め、私が「なんだよスペイン、カウンターサッカーになってんじゃん」と嘲笑し始めるやいなや、ビジャが無人のゴールに先制点。「サッカーって難しいよな」と「サッカーって簡単だよな」という相反する感想が両立するようなシーンだった。前半は0-2。後半に10人のチリが1つ返してからは、スイス戦を横目で見ながらのボール遊びである。「これがサッカー」と「これがサッカー?」が両立するシーンを延々と見せた挙げ句の1-2。その是非は判断しかねるけれど、W杯に出たくても出られなかった選手たちが見たら不愉快だろうな、とは思う。ともあれ、どちらもKOラウンドに進出したのは悪くない結果。スペイン語&ポルトガル圏で敗退したのはホンジュラスだけだが、この組は3チームいるので「全勝」は無理。

 2010年6月25日(金) 13:40
 △と○とデーモン

 今日だけは「あ、どうも。私も岡田と申します。えへへ」と胸を張って名刺交換をしたい気分である。いや別にふだん卑屈にオカダをやっているわけではないが、世間話の最中に「どうなんスか、あの岡田さんって人は」的な言葉を聞くと、一瞬だけ胸がチクッとしたりもするわけだよ。私も田中サンや佐藤サンの前で別の田中や佐藤の悪口を言うことはあるからお互い様だけどね。ともあれ、サッカー監督の手腕なんて私には評価のしようがないが、加茂サンから急に引き継いで初出場を決めたときといい、今回の火事場のナントカ的一夜漬けシステムといい、あの人は緊急事態をしのぐ「有事のリーダー」としてはかなり有能なのかもしれない、なんて思ったりもする。日本相撲協会にはいないタイプですね。もっとも、自分で平時を有事にしちゃったんなら「マッチポンプ」とも言えるわけだが、どうなんだそのへんのことは。

■スロバキア×イタリア(グループF)
■パラグアイ×ニュージーランド(グループF)
 愚妻は、サッカーを見始める前から、大のイタリア好きである。ちょっとだけカルチャーセンターでイタリア語を習っていた(習う努力をした)こともあるらしいし、新婚旅行も彼女の希望でイタリアだった。なので、98年頃にサッカーを見るようになってからも、基本的にイタリア贔屓。そんな人が、やけに自信満々かつ苦々しい口調で「あー、こりゃイタリア駄目かも」と吐き捨てたのは、スロバキアの先制ゴールが決まる3分前のことであった。その発言をツイートし終えた瞬間に入ったのだから驚きました。「好きな相手の裏切り」に対する女の直観おそるべし、である。それはもう、ちょっと寒気がするほどだ。うう。それにしてもイタリアはどうやって勝つつもりなのか最後までよくわからなかった。「だってオレたちはイタリアなんだから3引き分けで抜けられるに決まってんじゃん」とタカをくくっていたとしか思えない。ささくれだったフランス人の心をちょっぴり癒やす3-2。裏番組のほうは1秒も見てません。

■デンマーク×日本(グループE)
■カメルーン×オランダ(グループE)
 さすがにこれは家族全員で見たいが、期末テスト中のセガレに深夜のライブ観戦をさせるわけにはいかず、しかし見ずに学校へ行けば結果がわかってしまうので、5時半に起きて録画観戦。ちょうど試合が終わった頃に見始めたわけである。家から外に飛び出してニッポンニッポンと騒ぐような種類のバカが近所に住んでなくて、本当にヨカッタ。△と○ドーのFKには思わず大声を上げてしまったので、こっちが「なんで騒いでるのかわからない意味不明のバカ」だと思われたかもしれんが。どうもすみません。

 さて、勝ったからあまり話題にならないようだが、あの南アフリカのデーモンとかいう主審の公平さには、かな〜り大きな疑問符がつく。1週間前に相撲好きな閣下に謁見したばかりなのでデーモンの悪口は書きにくいところだが、ちょっとフリーキックやスローインでモタモタしたからって、前半の遅延行為にいきなりイエローカードって、かなり非常識(というか不自然)だ。なるべく退場者を出したくないと考える良識的な審判なら、とりあえず「口頭で注意」にするはず。つまりデーモンは「退場者を出してもいい(出してしまいたい)」と考えていたのではないか、と勘ぐられても文句は言えまい。後半のPK判定も、あれで笛を吹くのはかなり大胆だ。そんな見えない逆風にさらされながらも最後まで冷静かつ激しく戦い抜いた選手諸君はとても立派。パラグアイは4年前に日本が0-3で負けた相手なので、何とかいい勝負をしていただきたい。負けたのはブラインドサッカー日本代表のほうですけども。

 2010年6月24日(木) 17:50
 もうDまで片付いたのか

 えーと、どこから書けばいいんだ? スペイン×ホンジュラスの次って何? あー、これか。そうだよなぁ。そんなこともあったよなぁ(遠い目)。

■メキシコ×ウルグアイ(グループA)
■フランス×南アフリカ(グループA)
 どっちを見るか迷ったが、メキシコ×ウルグアイが「そんなにアルゼンチンが嫌か!」と驚くほど本気モードの熱戦だったので南仏戦を脇に置いて見ていたものの、気になって途中で切り替えたら南アがどういうわけか2点も取っていてアララ〜と思い、しばらくして戻ったらウルグアイが先制した後で、そのまま腰を据えていたらもう点は入らず、その間にフランスが1点返したので、全ゴールを見逃しましたとさ。かつて『キャプテン翼勝利学』に、「ゴールは流れ星と同じで一ヵ所を見続けなければ出会えない」という愚妻の言葉を紹介したが、あれは本当に名言だと思う。もっとも、その愚妻も一緒に見逃していたわけだが。

■ギリシャ×アルゼンチン(グループB)
■ナイジェリア×韓国(グループB)
 その反省を踏まえて、アルゼンチン戦限定観戦。朝8時からの録画観戦で、その時間までに両方を録画することはできないので、韓国のほうは見たくても見られない。なので、「ナイジェリア先制!」「韓国同点!」「韓国逆転!」「ナイジェリア同点!」というアナウンサーの報告を、茫然としながら聞くしかなかった。やることなすこと、うまくいかない。しかしパレルモのゴールを見られたのは不幸中の幸いであった。まだ代表にいること自体が奇跡のように思えるが、まあ、いろいろ「持ってる人」だわな。かなり昔の南米選手権では1試合でPK3回しくじったが、あれも、持ってるといえば持ってる証拠だと思う。凡人に真似できることではない。

■スロベニア×イングランド(グループC)
■アメリカ×アルジェリア(グループC)
 ライブ観戦だったが、これは脇目もふらずにイングランドに集中。そんなに思い入れがあるような自覚はなかったが、いざ始まってみると、ランパードとテリーが一気に老け込んじゃったように見えて気の毒になり(私はチェルシー好きなのだ)、なんかドキドキしちゃって、自分が意外にイングランドを本気で応援していることを知ったのだった。そうなると、もう、GKジェームズはおっかなくて見ていられない。誰かちゃんと国産GK育てておけよ〜。頼むよ〜。楢崎をレンタルしてあげたいと思うのは私だけではあるまい。しかしCBに男気があったおかげで0-1。タイムアップ直後に切り替えたら、米国ベンチが狂喜していた。スロベニアのガッカリ状態を見逃したのが心残り。

■ガーナ×ドイツ(グループD)
■オーストラリア×セルビア(グループD)
 今朝8時からドイツのほうを録画観戦。眠かったのは試合のせいだろうか、寝不足のせいだろうか。終盤は、お互いに「どうすんの? このまま終わらせんの? とりあえずこのへんにシュート撃っとけばいい?」という空気の読み合い。しかし、それも含めてサッカーである。イングランドを回避するためにポドルスキーが後ろにシュートを撃ちまくり、ガーナが体を張ってドイツゴールを死守するシーンも見てみたかったが、そういうわけにもいきませんね。それはさすがにアンチ・フットボール。だいたい、考えてみればアメリカのほうが強いんだから1位で抜けたほうがいいに決まっている。セルビアは1秒も見ていないが、おそらく敗因はスタンコビッチがいまひとつオトナになりきれていなかったこと。

 2010年6月23日(水) 10:55
 仕事もしないとダメだよね

 本日は「週刊プレイボーイ」の悪魔対魔女の対談記事を書かねばならぬのでブログ更新はなし。昨夜から今朝にかけての観戦状況は左のツイートでどうぞ。あと、今日は「SAPIO」の発売日であります。

 2010年6月22日(火) 12:15
 半蔵門、麹町、市ヶ谷、そしてスペイン

■ポルトガル×北朝鮮(グループG)
 きのうは夕方6時前から、半蔵門のPHP会議室で口述取材。8時半に終わり、さて帰ろうと思ったら、半蔵門線が運転見合わせ。別のルートで帰るしかないが、なにしろ方向音痴なので、ほかの路線の駅がどこにあるかわからない。しかし幸運にも「市ヶ谷まで行くか」と話し合っている知らない人の集団を発見。黙って後ろからついて歩く。ところが途中で4人の集団が2人ずつに分かれやがるんだから迷惑な話だ。さっき「市ヶ谷まで…」と発言したのがどの人なのかわからない。何の根拠もなくヤマカンで男女2人組のほうを選び、「頼むから飲み屋とかホテルとか行かないでね」と念じながら尾行を続けると、2人が私を連れて行ってくれたのは市ヶ谷駅ではなく麹町駅であった。まあ、駅なら問題ない。市ヶ谷で総武線に乗り換え、中野で中央線に乗り換え、吉祥寺で井の頭線に乗り換え、やっと家に着いたら、クリスティアーノ・ロナウドのゴールが決まったのだった。私が都内をうろうろしているあいだに5点だよ。最終的には7-0。「ふざけんなよ北朝鮮〜」というドログバの愚痴が聞こえたような気がした。

■チリ×スイス(グループH)
 キックオフ直後にいきなりスアソにイエローカードを出したのでイヤな予感はしたが、案の定カードでしか選手を威圧できないダメ審判がベーラミに一発レッドを突きつけ、スイスは早い時間帯から10人で戦うことに。果敢に攻め合う展開を期待していたので残念である。ともあれ、チリのキビキビした集散は、見ていて本当に気持ちがよい。1-0。

■スペイン×ホンジュラス(グループH)
 メンバー的にもテンション的にも、序盤のスペインはスイス戦の続きをやってる感じだった。後半ロスタイムのような猛ラッシュ。ビジャの先制ゴールが「同点ゴール」のように見えました。2-0。なぜか起動しなかったパソコンが一夜明けたら起動はしたものの、またいつクラッシュするか心配でたまりませーん……という感じでしょうか。故障が「たまたま」だったのか、それとも起動したのが「たまたま」なのか、それは神様にもわからないこと。

 2010年6月21日(月) 14:20
 もう試合大杉

 土日はつくばでブラインドサッカー日本代表の合宿を取材。雨の予報が外れたのはチームにとって幸いだったが、蒸し暑いっつうんだよこの国はまったく。ただ見てただけなのにグッタリ。土曜の晩になぜかうまく寝付けず、睡眠不足だったせいもあって、帰り道の運転はちょっとヤバかった。ゆうべはイタリア戦のキックオフ前に力尽き、気絶するように爆睡したものの、まだ疲れが抜けない。選手たちは私の何十倍も大変だと思いますが、がんばって働いてください。アマチュアのアスリートには、プロとは違う戦いがある。

 宿舎では、近畿日本ツーリストの担当者からイングランド遠征についての説明を受けた。8月13日出発、24日帰国。往復の移動は選手団と一緒。ただし、選手団は試合会場のある大学の宿舎を利用するが、例によって取材陣はそこに泊まれない。ホテルは、会場まで徒歩20分。ヘレフォードはかなりの田舎町なので、どれだけタクシーを利用できるかわからない。さほど暑くはないらしいが(最高気温25度程度)、10日間の長丁場に耐えられる体力をつけねば。

■南アフリカ×ウルグアイ(グループA)
 というわけで、気持ちはすでに8月の世界選手権に飛んでいるのであるが、黒田トモさんが「深川さんのワールドカップ日記、おもしろいです!」と褒めてくれたので、頑張って書き続けよう。とはいえこの試合は、ニュースでゴールシーンを見ただけ。開催国がここで大敗するとは思わなかった。ブブゼラが本当に南アフリカ選手を奮い立たせるのかどうかを疑問に思わせる0-3。人は人の声で励ますべし。

■アルゼンチン×韓国(グループB)
 ライブでちゃんと見たのだが、もはや試合展開をあまり覚えていない。いわゆるQBK(急にボールが来たから)のオウンゴールが最初だっけ? 3〜4人に囲まれながら浮き球でラストパスを出したメッシのプレイが印象的。あれを8月のヘレフォードで見たいなぁ。韓国は全力で行ってこの負け方はマズいんじゃないですかの4-1。

■ギリシャ×ナイジェリア(グループB)
 今大会で最初の逆転劇、だったかしら。考えてみると、ほかにEU勢のいないグループに入ったのはギリシャにとって幸いだったかもしれない。ドイツとかと一緒だったら、「おまえらサッカーなんかやってる場合じゃねえだろ」と睨まれて萎縮しちゃうもんな。だいたい、レーハーゲルの給料って、どこから出てるんだろう。巡り巡って結果的にドイツが負担してたら笑える。敵の退場という緊急融資が効いて2-1。

■フランス×メキシコ(グループA)
 ハーフタイムに監督を罵倒したアネルカが追放されたそうだが、できればチーム丸ごと追放して、アイルランドを1試合だけ出場させてあげたい。選手たちはフランスサッカー連盟の決定に抗議して練習をボイコットしたとか。だったら、もう帰れよな。おまえら手ぇ使ってまでワールドカップに出たかったくせに何やってんだの0-2。

■ドイツ×セルビア(グループD)
 武蔵小金井で呑んでたので未見。ニュース映像も何も見ていないけど、たぶんセルビアの勝因はスタンコビッチがオトナになったこと。0-1。

■スロベニア×アメリカ(グループC)
 武蔵小金井から帰宅した瞬間に、アメリカが同点に追いついた。どっちが強いのかわからないので、「スロベニアが追いつかれてしまった試合」なのか「アメリカが何とか追いついた試合」なのか解釈が難しい。というか、そもそも興味がない。2-2。

■イングランド×アルジェリア(グループC)
 未見。0-0。プレミアリーグは世界最高レベルと言われるが、こうなると、誰のおかげでそうなのかわかりませんね。集まるとなぜか眠たくなるスター軍団。

■オランダ×日本(グループE)
 つくばの合宿所で、ブラインドサッカー代表選手たちとパブリック・ビューイング。一度、彼らと一緒にサッカー観戦をしたいと思っていたので、たいへん楽しかった。実況役は、GKのアベちゃん。テレビのアナウンサーより百倍マジメに試合展開を追っていた。ご苦労さまです。日本のシュートチャンスのたびに晴眼者が「おおっ!」と歓声を上げて盛り上がってしまうので、見えない人たちが勘違いしないよう、「いや、そんなに惜しくなかったから」と呟くのが私の役目になっていた。ロスタイムに長友がペナルティエリアで倒れ、主審がどこかを指さす姿が映ったときは、私もうっかり「PKだPKだ!」と口走ってしまいましたが。誤解するような絵作りをしないでほしい。見えるがゆえに錯覚することも、人間にはある。0-1は大善戦だが、ロッベンを引きずり出すところまでは苦しめられなかった。それに、このくらいの善戦は、12年前のアルゼンチン戦とクロアチア戦でもやれていたように思わなくもない。ともあれ、3戦目まで可能性を残したのはものすごく立派なこと。

■ガーナ×オーストラリア(グループD)
 未見。1-1。見といたほうがいいの?

■カメルーン×デンマーク(グループE)
 結果を知っていたので、デンマークが逆転するまでビデオ観戦。どちらも頭に血を上らせた激しい攻防で、試合展開を知っていてもコーフンできた。グロンキアの暗さを久々に堪能。たぶん、「表情の暗さ」×「足の速さ」の積が世界でいちばん大きいのが、この人だと思う。暗い顔で速く走るのって、かなり難しいこと。カメルーン国民にとっては踏んだり蹴ったりの1-2。まあ、踏んだり蹴ったりする競技ではあるが。

■スロバキア×パラグアイ(グループF)
 ライブ観戦。パラグアイが先制した後、試合のせいではなく疲労のせいで寝落ち。なので、何がどうなったか知りません。0-2の結果だけ確認してベッドへ。

■イタリア×ニュージーランド(グループF)
 愚妻がライブ観戦していたようで、「ニュージーランドがすぐ先制したから起こそうかと思った」らしいが、べつに起こさなくていいです。ドイツもイタリアも、せっかく褒めてあげたのにロクな試合をしない。まあ、連続ドローはイタリアのペースなのかもしれんけど。そのへんは相変わらずなのねの1-1。

■ブラジル×コートジボワール(グループG)
 出勤前にビデオ観戦。おそらくガキの頃から空気を吸うようにサッカーをプレイしているであろうブラジル人の「サッカー本能」の深さを思い知らせるような試合。あんなパスやあんなシュートは、教えて身につくようなものではないと思う。無論、腕でトラップする技術も含めて。コートジボワールはあんまりいいところがなかったけど、ステルス爆撃機のごとくオフサイドラインをかいくぐったドログバのゴールは、良い思い出になりそう。頭の振り方とボールの方向が合ってなかったが、それも含めて捕捉不能な人。

 2010年6月17日(木) 12:40
 感情資源の枯渇

 一巡目の16試合が片付き、W杯らしい疲労感がじわじわと蓄積されてきた今日この頃。4年に一度のサッカー漬けは、気力・体力の低下を含めて、おのれ自身の変化・老化・成熟・退行などを知る機会でもある。四十も半ばを過ぎると、もう、そんなに長々とテンションを維持できませんね。週休2日でやってほしい。

 いちばん大きな変化は「一喜一憂の振れ幅の縮小」である。なんか淡々と楽しんでいる私。相対応援における「淡々」は前回から所謂トトカルチョをやらなくなったことも一因だが、日本チームに対する絶対応援も回を重ねるごとに淡々化しているので、やはりそこには感情の老化も影を落としているのであろうなぁ。難敵カメルーンを下したというのに、さほど爆発的にはしゃいでいない自分がいささか寂しい。刺激に対して鈍感になっているのである。イヤだなぁ。

 ただし今回の勝利に感情が爆発しないのは、ほかにも理由があるような気がする。たぶん私は、昨年12月の韓国戦@ブラインドサッカーアジア選手権で人目も憚らずに号泣した段階で、「日本代表の勝利」に注ぎ込む感情資源が、いったんカラッポになってしまったのだ。マレーシア戦における葭原のハットトリックや韓国戦における黒田の2ゴールを上回る刺激を「日本代表のゴール」から得るのは、私にはかなり難しいこと。クロスを上げた松井の切り返しはたしかに素晴らしかったけど、トモさんが韓国戦の2点目で見せた270度ターンにはかなわない。本田△のトラップも、つい「目ぇ見えてんのにジャッグルしてんじゃねぇぞ」とか思ってしまうのだった。あはは。ブラインドサッカー日本代表ブログで選手たちがカメルーン戦の勝利を喜んでいるのを読むと、「その何十倍もキミたちの勝利に魂を揺さぶられる人間も、世の中にはいるんだよ」と言ってあげたくなる。

 どうせなら、8月の世界選手権ではカメルーンと同じグループに入りたかったなぁ。3-0ぐらいでカメルーンをボコボコにすれば、事情のよくわかっていない世間を驚かせて、大いに存在感をアピールできるのに。相手の実力を無理やり過大評価して「盲目のエトーを日本守備陣が完封!」とか書くのも、やぶさかではない。たまにはセンセーショナリズムに手を染めるのも悪くはなかろう。

■ホンジュラス×チリ(グループH)
 ブラジル×北朝鮮を録画観戦してから見たのだが、こっちのほうが10倍おもしろかった。いや、まあ、ブラジルも悪くはなかったけどね。ブラジル人って、何はともあれシュートが上手だよな。シュートが上手だと、それだけでサッカーは何とかなったりするのだった。当たり前だが忘れがちなこと。それはそれとして、チリはたいへん愉快なチームだ。何より陽気なのがいい。大半のチームが眉間に皺を寄せて戦う中、フィールドの10人が全員で神輿を担いでいるような彼らのワッショイ感は、一服の清涼剤。1日でも長く大会にいてほしいチームである。よくわからない入り方をしたオウンゴール(?)で1-0。

■スペイン×スイス(グループH)
 スペインは、いつだって「そうは言っても〜だし」という文型で語られるチームである。
 天使「そうは言っても戦力は抜群だし」
 悪魔「いや、そうは言っても勝負弱いし」
 天使「ただ、そうは言ってもEUROでは勝てたし」
 悪魔「でも、そうは言っても国民が代表に興味ないし」
 天使「だって、そうは言っても太鼓叩くおじさん今回も来てるし」
 悪魔「まあ、そうは言ってもスペインだし」
 ……というわけで、出口のない議論にまったく結論の出ないまま本番を迎え、そうは言ってもスペインらしい試合しかできないのがスペインなのだった。終わってみれば案の定の0-1。まあ、そうは言ってもグループリーグは突破するだろうし、しかしそうは言っても決勝までは残れないだろうから、2位通過で早めにブラジルと当たってくれたほうが楽しいよね。そうは言っても、みんな「事実上の決勝戦」って言ってくれるし。

 2010年6月16日(水) 15:00
 枢軸系ファイナルも悪くないかも

 朝9時から昼まで本郷三丁目で口述取材。編集者と蕎麦屋で昼飯。仕事場へ。眠い。そして蒸し暑い。8年前、よくもこんな季節にこんな国でワールドカップをやったものだとあらためて思う。

■ニュージーランド×スロバキア(グループF)
 パス。この試合をやっているあいだ、ドイツ×オーストラリアの残りとイタリア×パラグアイを見ていた。豪州は後半に退場者が出ていたことを知る。お気の毒さま。クローゼはまた足のシュートをしくじっていた。でも、ドイツはますます好印象。バラック不在が怪我の功名になりそうな予感。一方、知らない選手ばかりのイタリアは、信じられないことに爽やかで小気味のいいサッカーをしておった。クラブレベルでは欧州チャンピオンも誕生したわけで、セリエもちょっと見ないあいだに変わったのかもしれない。来季は見よう。というわけで、ドイツ×イタリアの試合が見たいぞ。たとえそれが決勝でも、私は文句を言わない。

■コートジボワール×ポルトガル(グループG)
 どっちもチェルシー勢がいるので相対応援の難しいカードだが、やはりドログバは私にとって二代目「抱かれたい男」(初代はシメオネ)なのだし、エリクソンへの恩義を忘れてはいけないので、コートジボワールに肩入れ。息詰まる神経戦であった。どちらもロングボールをほとんど蹴らず、したがってヘディングの回数が極端に少ない。ひたすら二次元で丁寧に丁寧にボールを動かしていた。ある意味、カーリングのような試合。どちらもガードストーンをはじき出すことができず0-0。おもろかった。

■ブラジル×北朝鮮(グループG)
 また朝のワイドショーで結果を知ってしまった。もう、どうでもいいや。

 2010年6月15日(火) 12:05
 窮鼠、不屈のライオンを噛む

 私にTwitterを唆したワールドサッカーキングの岩本さんがW杯を現地取材中なのだが、彼のツイートによると、強盗被害に遭った日本人カメラマンは「僕の泊まってるホテルの、隣の隣の部屋の人」だとか。そういえば私も、ブエノスアイレスでブラインドサッカー世界選手権の取材中、同じホテルに泊まっていたテレビ局の人がマクドナルドでカメラを置き引きされたっけ。それで「やっぱ怖いね」などと話していたのに、数日後に別のテレビ局の人がやはり機材を置き引きされ、さらに別の日には背中のリュックから財布を盗まれたのでおおいに呆れた。一瞬の油断が「失点」につながるのは選手も取材者も同じ。岩本さんが閉幕まで無事に取材を続けられることを祈ります。38日間の長旅らしいけど、「はやぶさ」みたいに燃え尽きちゃダメですよ〜。

■オランダ×デンマーク(グループE)
 今大会最初の欧州勢対決だが、思いのほかつまんなかった。オランダには、おのれに課せられた使命を自覚してもらわないと困る。初めてW杯に接する人が「なんじゃコリャ!」と腰を抜かすような異形のプレイを見せることで、サッカーの通俗的概念をグニャリとひん曲げてこそのオランダでしょう。もっとアインシュタインの相対性理論みたいな衝撃を子供たちに与えろよこの野郎。自分で言ってて意味よくわかんないけど。つまんないので、前半を終えた頃にはデンマークが勝つんじゃないかと思ったが、ヘディングのクリアが味方の背中に当たって入るというややこしい自滅点が決まったところで、勝負アリ。だから何なんだの2-0。

■ドイツ×オーストラリア(グループD)
 順番がおかしいが、日本×カメルーンが始まるまでの空き時間を利用して、録画機の30秒スキップ機能を駆使しながら、前半の途中まで観戦。どういうわけか、スキップするたびにドイツのDFラインがボールを保持していた。バズーカ砲で丸太を撃ち込んだようなポドルスキーのシュートに感動。ドイツ人のゴールを見るたびに、実はあんがいドイツ好きの自分を再発見する。クローゼは相変わらず頭でしかサッカーができない感じだった。2-0まで観戦。最終的には4-0になったと聞く。

■日本×カメルーン(グループE)
 入試3日前になって急に「これじゃアカン!」と思い立ち、社会科の受験科目を地理から世界史に変更したかのような、本田1トップ&松井先発ではあった。その2人で決勝点を奪っちゃうんだから、人間やってみなければわからない。ヤケクソの一夜漬けが功を奏することもある、という教訓。期末テスト前のセガレがこの結果に勇気づけられるのは、あまりよろしくないけれど。

 試合そのものは、セリエA風味のチョー現実主義路線。部活&塾でぐったりしていたセガレは、しばらく「つまんねー、つまんねー」とボヤいていたかと思うと、先制ゴールの前に寝落ちしていた。気の毒だ。カメルーンは、いくら何でもひどすぎましたね。あそこまでモチベーションの低さがピッチからひしひしと伝わってくるチームも珍しいのではないか。聞けば、主力のソングは故障でもないのに欠場だったとか。監督の渋面がチーム内の空気を雄弁に語っていたように思う。ともかく、松井のクロスが本田の足元に何とかおさまって、本当にヨカッタ。右足に当たってからあそこに落ちたのは大変な幸運。あそこにいたのが柳沢だったらと思うと、とても寒々しい気持ちになる。世界はともかく日本人を驚かせた1-0。

■イタリア×パラグアイ(グループF)
 未見。なのに、朝のワイドショーで結果を知ってしまった。うっかりしてた。

 2010年6月14日(月) 11:55
 GKの品評会なのかこれは

■韓国×ギリシャ(グループB)
 最後にギリシャを見たのはEURO2004の決勝だったので、あまりの変わりようにポカンとした。弱い。弱すぎる。あのときは心身の逞しさだけで優勝したような印象があるが、すっかり韓国にお株を奪われていた。サッカーを見始めて以来、初めて韓国チームを素敵だと思いました。2-0。

■アルゼンチン×ナイジェリア(グループB)
 著者マラドーナのデタラメな口述を、編集者兼ゴーストライターのヴェロンが万人に理解できるよう原稿にまとめる――アルゼンチンの戦術は、たぶんそんな感じなんじゃないかと思う。タッチライン際で会話する様子も、マラドーナがヴェロンに指示を出しているようには見えない。ヴェロンが原稿の進行状況(いまピッチで何が起きているか)を説明し、マラドーナが「へえ、そうなんだ。いいねーいいねー」と答える。そんな感じ。そして試合後は「この本、やたら面白いなオイ。……で、誰が書いたの?」と著者が言ってるっていう。早い話が、長嶋ジャパンみたいなものでしょうか。それはともかく、バネ仕掛けのSGGK(黒い若林クン)に完封されたメッシの今後が心配。一体どこに撃てば入るんだよぅ。1-0。

■イングランド×アメリカ(グループC)
 ロバート・グリーンというGKが、フットボール史にそのやたら凡庸な名を深〜く刻み込んだ一戦。誰ひとり彼を慰めようとせず、さっさとキックオフに向かうイングランド選手たちの背中が、異様な冷たさを感じさせた。「何やってんだよ!って怒鳴られたほうが何倍もマシだよね」とは、似たようなミスを何度も経験しているセガレの弁。「身を切られるような思い……って、使い方合ってる?」とも言っておった。合ってるよ。そして父さんも同じ思いだ。グリーンのご両親の心中をお察しします。1-1。

■アルジェリア×スロベニア(グループC)
 夕方から友人夫妻が遊びに来て、私の作ったインド料理をむしゃむしゃ食い、ビールやらワインやらがぶがぶ飲みながら、「そういえばヘスキーのことを『黒い柳沢』呼ばわりしてたことがあったよなー」などと昔話に興じていたので、この試合のことはよくわかりません。前半終了間際まで、緑のユニフォームがアルジェリアだとばかり思っていたのだから話にならない。泡沫感あふれるカードのわりにかなりの熱戦だったような印象もあるが、どうだったんだろうか。唯一のゴールは、またしてもGKのミス。「ボクはボールに触ったもん」と、グリーンが自信を回復しているかもしれない。良くも悪くもGKが目立つ大会になっているのは、わが家がGK目線で見ているせいばかりではあるまい。0-1。

■セルビア×ガーナ(グループD)
 観戦状況は上に同じ。べろべろだったので、ちゃんと見たのはPKの場面だけ。なんかすごいハンドだった。「セルビアのロベルト・カルロス」という噴飯モノの異名を持つコラロフ君(ラツィオ)が出ていることを知っていたら、もっと真剣に見たのだが。残念。0-1。

 ちなみにツイッターに書いた「オタマトーン」はコレ。ある意味、電子ブブゼラ。



 2010年6月12日(土) 11:35
 バファナのひとつ覚え

■南アフリカ×メキシコ(グループA)
 何はともあれ、ブブゼラである。おそるべき通奏雑音。のっけから数十億人の眉を顰めさせてどうする。昨年のコンフェデ杯で欧州勢からクレームがついたものの、ブラッターが「欧州の価値観で禁止すべきではない」と判断したらしいから、今大会でも規制はされないかもしれない。でも、それが「欧州の価値観」なのか「サッカー(もしくはスポーツ)の価値観」なのかは微妙なところ。スタンドは試合を楽しむ場所だし、ワールドカップは地元のお祭りを世界に紹介するイベントではない。「郷に入れば郷に従え」はお互い様の話である。そういう文化があることはとっくに世界中に伝わったから、もう気が済んだだろう。国民の「節度」をアピールすることも、開催国にとっては意味がある。外圧による規制ではなく、南アフリカ人たちの良識に期待したい。ワールドカップだけで済めばまだいいんだけど、国によってはあれを輸入しかねないからね。現地取材中の日本人ジャーナリスト諸氏には、「うちの国民がすぐに猿真似するからホドホドにしてください」と、お願いしておいてほしい。

 さて試合のほうは、開幕戦からいきなりの死闘……に見えたのはブブゼラによる興奮剤作用もあるのかもしれないが、準備運動なしで急にワールドカップを迎えた私の心をググッと引き寄せるには十分な一戦だった。観客の応援スタイルはともかく、チーム・フンコロガシのケナゲなフン闘ぶりは好感度大。わが家はついGK目線で見てしまうせいか、とくにクネ君の人気が赤丸急上昇である。チャバララの先制ゴールとマルケスの同点ゴールで1-1。ちなみにチャバララは、スカパー!的には「シャバララ」のようだ。レチョロニャーネにも「レショロニャーネ説」がある模様。相変わらず、めんどくせえ業界だなあ。そしてメキシコのブランコも、相変わらず首がなかった。

■ウルグアイ×フランス(グループA)
 アネルカが先発で、アンリがベンチスタート。感無量である。ここにたどり着くまで、長い道のりだったねぇ、アネルカさん。と思いつつ、ラツィオのGKムスレラ君を熱烈応援。わが家では、色のきれいなキーグロが愚妻とセガレに好評。高いのかなアレ。試合は、まあそんなもんだよなのスコアレスドロー。チャンスの数ではフランスが圧倒したものの、「GK脅かし度」はウルグアイのほうが上だった印象がある。ウルグアイは、ペナルティエリア内での守備の切れ味もすばらしい。フランスのほうは、何が言いたいのかよくわかりませんでした。「ハンドだろ!」と言いたいことだけはわかったけど、「おまえが言うな!」と全世界から突っ込まれてんじゃねえぞアンリ。節度を持て節度を。

 2010年6月11日(金) 12:00
 やっと仕組みがわかってきた

 きのう32ヵ国の選手名鑑を入手し、ようやくワールドカップがリアルに感じられるようになった。ヴェロン(アルゼンチン)、スタンコビッチ(セルビア)、エリクソン(コートジボワール)と、栄えあるラツィオのスクデットメンバーがまだ3人も残っているのが嬉しい。しかしラツィオの現役選手は、たぶんGKムスレラ(ウルグアイ)とDFリヒトシュタイナー(スイス)の2人だけ。アズーリにはゼロというあたりに10年の歳月を感じる。「スクデット」とか「アズーリ」とか、久しぶりに書いてみると、ちょっと恥ずかしい。

 ノックアウトステージの組み合わせも、初めて知った。アレ見ながら予想をしていると、いつも「えーい、面倒臭え! 結局こうなるんだから、グループリーグ突破は1位だけにして、準々決勝から始めりゃいいじゃんか!」と思ったりする。まあ、実際は「結局こう」にはならないわけですが。結局イングランド×ブラジル、アルゼンチン×スペインの準決勝になったら楽しいけどなぁ。いや、どうなろうと楽しいか。なにしろワールドカップだもんな。知らない選手も増えたから、また新たな気持ちで「似てる人」とか探せるし。

 ゆうべ学校からのおたよりを見たら、セガレの中学では1年生全員がスクールカウンセラーと面談をするらしい。スクールカウンセラーって、事件や事故が起きたときに緊急出動するものだとばかり思っていたが、そういうモンじゃないんですね。でも、とくに心の問題を抱えていない人間に、義務的なカウンセリングが必要なのだろうか。「歯科検診」ならぬ「心理検診」みたいで、ちょっとキモチ悪い。

 おたよりには「学校での不安が少し軽くなるかもしれません」などと書いてあったが、そんな手段で不安を軽減してどうするというのだ。そりゃあ、思春期なんだから、頭の中にはアッチ方面の不安やコッチ方面の不安などが渦巻いているだろうよ。でも、まずは自分でその不安と向き合い、苦しければ友達と不安をわかちあったりしながら、それでもグジャグジャと悩みつつ、どんどん重くなる不安に耐えていくのが思春期ってもんじゃないの? 無論、自殺や他殺をしたくなるほどの不安に苛まれている生徒にとってはカウンセリングもひとつの対処法だろうけど、「中学って勉強も大変だし部活もキツいよな〜」程度の不安を抱えているフツーの生徒に向かって、「大丈夫、あなたは今のままでいいんだよ」的な不安軽減ワードをかけてやるのだとしたら、じつに非教育的だ。「今のまま」じゃダメだから、子供は学校へ行くのである。

 しかしまあ、どんな面談なのか知らずに文句つけてもしょうがない。セガレに、ちゃんと取材してくるように言い含めておこう。できればICレコーダーとか持たせたいが、さすがに怒られるよな。

 2010年6月10日(木) 12:45
 遠い世界と私の国

 全国の「ねんだつ」ファンの皆様、4年間のご無沙汰でした。というわけで、この期間だけアクセスする人もいるだろうと思い、いちおうワールドカップ仕様にしてみた。どれだけ試合を見るかは、始まってみないとわからない。ざっとグループリーグの日程を眺めてみたが、睡眠時間を削ってライブ観戦したくなるほど魅力的なカードは少ない印象。ラウールのいないワールドカップなんてなぁ。まあ、2006年ドイツ大会以降は欧州サッカーをほとんど見ていない浦島太郎なので、いまいちピンと来ないのも当然か。もはや自分が「サッカーファン」なのかどうかも定かではない。

 日本チームについては、フランスで勝ち点0、ドイツで勝ち点1だったのだから、勝ち点2以上なら順調な成長ぶりと言えよう。自国開催の勝ち点7は追い風参考記録。ともあれ、「要求」ではなく「念力」を、そして「怒り」ではなく「脱力」を。子育てもサッカー観戦も、「期待」と「応援」の峻別が大事。


South Africa 2010 special
Text:深川峻太郎 / BGM : 「遠い世界に」矢野真紀