2000年代半ばに L'Occidentale de Fanfare [鑑賞メモ] や Niou Bardophones [鑑賞メモ] で知り、 Vox, Sonneurs といったプログラムや Terry Riley: In C - 20 Sonneurs (Buda Musique, 2023) や 8 sonneurs pour Philip Glass (Buda Musique, 2024) など最近の現代音楽に寄った活動まで、 CDで追ってきたブルターニュの cornemuse (bagpipe) 奏者 Erwan Keravec が来日している、ということで、 生で観るまたと無い機会かと足を運びました。 この来日は、free jazz/improv の文脈で活動するスウェーデンの Mats Gustafsson (The Thing, Fire!, etc) [関連する鑑賞メモ] とのプロジェクト Luft でのもので、 今回観たライブはこの2人に日本の大友 良英 [関連する鑑賞メモ] を加えたものでした。 休憩を挟んで約30分のセットを2回、アンコールを1回、休憩を含めて約1時間半のライブでした。
Niou Bardophone のような drums のいる編成では無いので free jazz というより improv 色濃く、 Mats Gustafsson も最初は flute (もしくはシングルリードのマウスピースを付けた fluteophone) から始まり、 baritone saxophone の野太いフリーキートーンのブロウなど煽り合うような展開で終わる、というように、前半後半ともに、小さめの音で探り合うような音出しから始まり次第に激しさを増して行くような展開。 大友も guitar や turntable の特殊奏法で応じ、むしろ、大友 の演奏がリズムを作り出していきます。 そんな中、特に前半の前半は Erwin Keravec も bagpipe の cornemuse の drone の口を塞いだりして特殊音を試みたりもしていましたが、楽器の形状上、特殊奏法には限界があると観ていても実感しました。 大きな音の出し合いのフェーズでは bagpipe は他に劣らず、drone に加えて chanter でのトレモロも駆使して聴かせました。
Urban Pipes のような Erwan Keravec のソロを聴かせる時間はほとんど無かったのは少々残念でしたし、 cornemuse 楽器の構造上、特殊奏法ベースの即興より、現代音楽的なコンポジションの方が合っているかもしれないとも思ってしまいましたが、 貴重な生での演奏を聴く機会を楽しみました。
Polaris はまだ神田小川町にあった頃以来の2年ぶりでした。会場は以前より狭くなったでしょうか。 しかし、大友 良英 の人気もあってか会場は鮨詰めの入り。 そんな中で小さな椅子に座って観るのはさすがに1時間半が限界でしょうか。 あと、会場内は禁煙でしたがドア外から入ってきてしまうタバコの煙も気になってしまいました。 最近はこのようなライブ会場からすっかり遠ざかっていたので、椅子の悪さとか、タバコ臭さとか、辛いものです。 昔はライブ会場なんてそんなものかと気にしなかった/ならなかったものですが、歳を取ったものです。