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「桑野塾」について (2011年)

2010年以前の「桑野塾」に関する談話室発言は以下にアーカイヴしてあります。

[2733] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Mon Feb 7 0:50:27 2011

マイムのワークショップの後、土曜午後は、早稲田へ移動。早稲田大学で、 第7回 桑野塾 [関連発言] に参加してきました。 桑野 隆 先生を囲んで話題を持ち寄るカジュアルな勉強会です。 今回の報告2件は、 島田 顕 「ムヘンシャン:モスクワ放送最初の日本人アナウンサー」大島 幹雄 「長谷川濬(しゅん)と満洲」。 どちらも人の足跡を辿る話でした。 どちらも少々疎い話で、正直、基本的な背景や固有名詞の時点で話に付いて行かれませんでした。 しかし、特にムヘンシャンの報告では、このような人の足跡をどうやって調査していくのか、 ライブラリやアーカイヴを辿っての調査の実際を聴くような興味深さがありました。

2つの報告の間に、特別上映として「『道化師エンギバロフ』の秘蔵映像」がありました。 1960年代から70年代頭にかけてソ連、東欧圏で活躍したクラウン (道化) Леонид Енгибаров (Leonid Yengibarov) の映像です。 マイムを得意としていて、セリフ無しのパフォーマンスが中心。 ノーメイクにシンプルな黒い衣装で演じているものが多く、それが良かったです。 ちょうど、マイムのワークショップの直後だっただけに、やっぱり凄いなあ、と思いつつ観てしまいました。 ところで、姓の Yengibarov ですが、これはおそらくアルメニア姓 Yengibarjan をロシア風に改めたものでしょうね。 そういう姓を持つミュージシャン [レビュー] を知っていたので気付いたのですが。

自分の担当で毎回やる予定だった「ロシアのオルタナティヴ・ミュージックを聴く」はお休みさせて頂きました。 直前まで自分が出席できるかどうかも判らなかったので。 そんなこともあって、今回は談話室へ桑野塾の予告もしなかったのでした。 桑野塾だけでなく、今後暫くは晩や週末は都合が付けられたら動く、という感じになります。 来週末からしばらく舞台公演のチケットをそれなりに押さえてしまっているのですが、 どれだけ無駄にせずに済ますことができるんだろうか……。

[2769] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Tue May 17 23:49:47 2011

土曜の午後、清澄白河の後は、早稲田へ移動。早稲田大学16号館で開催されている 桑野塾 [関連発言] に参加してきました。 桑野 隆 先生を囲む形で隔月で開催されている勉強会です。 勉強会とってもアカデミックな手続きに拘らず、 様々な芸術・文化のジャンルについて好きで熱心に調べていることを紹介しあう会です。

今回の報告は、鈴木 明 「ダビッド・ブルリュークと日本」。 1920年から1922年にかけて日本に滞在したウクライナ人の未来派の画家・詩人 Давид Бурлюк (David Burliuk) の日本での足跡の報告と、 招待されてウクライナへ報告・調査に行かれた際の話の紹介でした。 Бурлюк のことは2002年に町田市立国際版画美術館で開催された 『極東ロシアのモダニズム 1918-1928』 [レビュー] で知っていましたが、伊豆大島や小笠原で滞在して制作していたことは知りませんでした、 というか、、展覧会で言及されていたかもしれませんがすっかり忘れていました。 2002年に展覧会を観たときは、立体派・未来派等の作風とは違う、 むしろ後期印象派とでもいうような写実表現に戸惑ったものですが、 南の島での話を聴いて、むしろその作風に納得させられるところも。

また、足跡の辿り方が微に入ってこだわりが感じられ、そこが興味深かったです。 絵が描かれた場所まで足を運び、絵の構図と同じとなる視点まで探すという。 絵に描かれている影を作っていたガジュマルの樹まで見付けたり。 ウクライナ旅行も単に会議に出席するだけでなく、 北東の街 Сумы (Sumy) から黒海沿岸の Херсон (Herson) まで フットワーク良く観て回っているという。 Бурлюк の足跡を辿る旅として、TV紀行番組を作っても面白いのではないか、と思う程でした。

今回発表された 鈴木さんも、在野でここまで極めてしまった方。 桑野塾でいろいろな方の話を聴いていると、自分の趣味もまだまだ甘いなあ、と思うことしきりです。 少しは精進せねば……。

と思いつつ、日曜は溜まった家事の処理で終ってしまったのでした……(ダメ)。

[2785] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Sun Jul 10 21:55:05 2011

土曜は昼過ぎに家を出て、早稲田大学16号館へ。 桑野塾 [関連発言] に参加してきました。 今回は 「佐野 碩スペシャル」 ということで、 加藤 哲郎 「亡命者佐野碩――震災後の東京からベルリン、モスクワへ」 と 田中 道子 「国際革命演劇運動家としての佐野碩、1931-1945」 の2つの報告がありました。 1920〜30年代に国際的に活動した演劇演出家 佐野 碩 に関する報告です。 スペシャルと銘打つくらいで内容も本格的で、ちょっとした研究会という趣。 会場もいつもとは違う大部屋でしたが、聴講者数も倍以上いたのではないでしょうか。

必要とする背景知識不足で話についていかれない所も少なくなかったのですが、 1930年代のソビエト〜スペイン内戦〜メキシコの関係は、 ちゃんと追うといろいろ面白い話があるんだろうなあ、と。 やはり、スターリン粛清やトロツキー暗殺に関係する話が多く、 佐野 碩 がどういう舞台作品を手掛けていたのか、とか、そういう所があまり判らなかったのは、少々残念。 写真資料とかもあまり残っていないようで、仕方ない面もあるかもしれませんが。

懇親会も大盛況で、一店貸し切り状態。初めて話する方も多くて楽しかったです。 自分にとっては、懇親会の方がいろいろ得るところもあったかも。 (短期的に見ての話ではありますが。)