「人数無制限のMLソフトがほしい」、「5,000人でも対応するMLソフトはあるか?」といったソフト紹介の依頼がしばしば寄せられます。ところが、読み返してみるとメーリングリスト本来の活用とかけ離れた目的で使うのではないかと受け取れるときがあります。単にメールさえ送れればよいという印象が強く、商用電子ダイレクトメール配信を目的としているのではという疑問が浮かび上がります。
この手の質問には2通りのパターンがあります。ひとつはMLという言葉自体を理解しておらず、単に大勢の人にメールを送るシステム、つまり、メールマガジンやダイレクトメール配信をMLと解釈しているのです。メーリングリストのしくみ自体を把握していない場合、所望のソフトは紹介できません。なぜなら、メーリングリストのしくみを知らずに誤った運用すれば、配送車全員を巻き込む取り返しのつかない混乱やトラブルを招くからです。MLはメーリングリスト(Mailing List)の略語であり、ダイレクトメールのような一方的なメール配送システムではありません。登録されている人の誰もがメールを出せるシステムです。基礎知識をもたずに業務目的の大量メール配送は絶対にしないでください。
もう一つのパターンは、メーリングリストの知識を知っていながら意図的にそれをダイレクトメールに活用しようと、目的を隠してソフトを聞き出そうとするケースです。通常、メーリングリストといえば数百人規模が主流で、1,000人規模となればあまり存在しません。大所帯になれば、管理人はメンバーをまとめていくための力量と経験が必要となり、腕の立つ人でなければつとまりません。目的を明らかにせず、大量にメール配送ができるソフトを尋ねる依頼は、メーリングリストのソフトを本来の目的とは違うことに利用するのではないかと読みとれてしまうのです。規模や目的のはっきりしない質問には応じられず、スパムのような活用に片棒を担ぐ結果にもなりかねません。たとえ正当な業務目的でも同じです。
本当に大規模なメーリングリストを検討しているのであれば、その目的を明示してご相談ください。
<参考ページ>
メーリングリストとは
メールマガジンとの違い
メーリングリストの主な活用法
未承諾広告の迷惑な勘違い
多発する大量メール配信事故
2003.6.3 更新