会社でメーリングリストを始めたいので、販売実績のあるメーリングリストを紹介してくれと言う問い合わせはよく寄せられます。ところが、これだけでは答えようがないのと、実際に運営できるか疑問点が多く見られます。
こうした問い合わせの多くは、「みんなが使っていて評判のよいソフトを教えてくれ」
というのが一番知りたい点に違いありません。しかし、これで仮に相応のソフトを教えたとしても実際に運営できるかというとかなり難しいでしょう。
メーリングリストは、ソフトがあれば万事うまくいくという発想では運用はできません。さらにいえば、みんなが使っているソフトなら安心という発想も好ましくありません。自社内に運用できるだけの技術力と運営体制がなければ、メーリングリストを円滑に運営できないのです。有名なソフトを使っても技術力がなければ導入すらできませんし、システムトラブルが起きて復旧すらできなければこの時点でメーリングリストは破局です。
社内で一台のサーバーを用意して運用する場合、次の点を検討してください。
- 技術スタッフの能力
メーリングリスト管理ソフトの多くはUNIXで動作します。UNIXを管理者レベルで運用できる人がいなければソフトを導入できません。技術スタッフのレベルをまず把握してください。
- メーリングリストの規模
大人数のメーリングリストを構築するのであれば、大型で機能性の高いソフトが望ましいです。また大規模メーリングリストは技術スタッフだけでなく、メーリングリスト内のまとめ役を務めるスタッフも用意しなくてはなりません。技術面だけでなく、運営面の準備も必ず検討してください。
- 導入・メンテナンス費
有名なメーリングリスト管理ソフトは現在無料で配布されています。会社内で独自にソフトの導入ができない場合、別途システム会社に依頼しなくてはなりません。しかし、導入はしてくれますが、運用は会社内で担当者を決めて切り盛りをしていかなくてはなりません。運用者の研修や今後のメンテナンスに関わる費用を考慮して導入を決めてください。小規模であれば社内独自で導入せず、メーリングリスト開設プロバイダに申し込むのが最適です。
ソフトの導入を決める前に、社内でこれらの体制がまかなえるかを優先して検討してください。そして、十分運用ができると判断できた時点で、自社に見合ったレベルのソフトを導入してください。詳しくは以下の参考ページを中心に、「基礎知識編」をご覧ください。
<参考ページ>
メーリングリストサーバー
メーリングリスト管理ソフト
メーリングリスト開設に必要なもの
メーリングリスト開設方法一覧
多発する大量メール配信事故
2008.1.30 更新