ML開設サービスの選び方

操作方式はコマンドメール方式とブラウザ方式の二種類
同窓会の連絡には広告なしのML、公開MLは無料のブラウザ管理式がおすすめ。


 メーリングリストを開設するのに最も簡単な方法は、インターネットで提供されているメーリングリスト開設サービスの利用です。とはいうものの、インターネット接続プロバイダをどこにするか迷ったときと同様、どのサービスを選べばよいのかさっぱり見当がつきません。
 メーリングリスト開設サービスを選ぶときは、目的に適した機能を用意してくれるところに申し込むのがよいでしょう。ここでは、メーリングリスト開設サービスを選定する際に必要となる基礎知識と、サービス全般について紹介します。

<開設サービス選びのポイント>

● コマンドメール方式とブラウザ方式
 メーリングリストの運用には、コマンドメール方式とブラウザ管理方式の二種類があります。
 コマンドメール方式は、入会や退会を処理するための命令(コマンド)をメールの本文またはサブジェクト(件名)に記述して指定されたアドレスへ送ります。すると、メーリングリストサーバーはそのコマンドを解釈して適切な処理をします。現在のようなウェブサイトが存在しなかった時代からメーリングリストは存在しており、当時はこうした方法で管理を行っていました。今でもこの方法によるメーリングリスト運用はあちらこちらで行われています。この方法の長所は、コマンドとアドレスさえ覚えれば簡単にメーリングリストの操作ができます。短所は、特殊な操作だけにコンピュータが得意な人でないと馴染めません。
 一方、ブラウザ方式はメーリングリストの運営・管理をブラウザを使って操作できます。コマンドを覚える必要がなく、ブラウザを見ながらマウス操作だけで入会や退会、メンバー管理が簡単にできます。難しいコマンドを覚えることはないので、誰にでも扱いやすいのが特徴です。しかし、操作画面がたくさんあるため、自分がしたい操作の手順が見つからない場合があり、またサーバーの負荷状態により処理が遅いといった問題もあります。無理に、大規模なシステムを使わない目的の活動であればかえって扱いにくい面があります。

● 無料サービスと有料サービス
 メーリングリスト開設サービスの利用で説明したように、広告がつく代わりに無料で利用できるサービスと、広告が入らない有料のサービスがあります。広告なし有料サービスを選ぶ際は、ご利用のインターネット接続プロバイダのオプションサービスにメーリングリスト開設があるか調べてみてください。決済が楽になるので、利用の価値は大いにあります。

● 多機能型グループ
 開設サービスの中には、通常のメール配信のほかに参加者が共有して利用できるスケジュール表やデータベース、アンケートや投票といったグループウェアが搭載されているところがあります。これらの機能を使えばメールでのやりとり以外に、日程確認やデジカメで撮影した写真の閲覧、人気投票といった活用ができます。プロジェクトの打ち合わせやサークル活動の一環として価値の高い利用ができます。しかしながら、これらの機能は利用者にそうさの負担を与えたり、宝の持ち腐れになります。最初からあった方が後で何かと便利という発想ではなく、利用者のコンピュータの技能と活動目的をふまえた上で検討してください。

● 携帯電話対応
 主婦や身近な人同士の連絡では携帯電話からの参加登録をしなければなりません。この場合は、携帯電話対応または携帯専用のサービスを利用することになります。なお、これらのサービスでも、時折メールの遅延や生じたり、ごくまれに配送トラブルが起きる場合があります。通常のサービスでも携帯電話にメールは送れます。携帯電話の利用が大半を占めるときは携帯専用のサービスをおすすめします。

● 登録人数
 メーリングリスト開設サービスには登録数無制限のところもありますが、特に有料サービスでは人数制限があります。開設前にこの程度の人数規模で運営していこうという段取りを決めておきましょう。有料サービスの場合は、人数追加の申込みができます。無料では最大人数を超えると登録できなくなります。

<開設サービスの選び方>

● 公開メーリングリスト
 入会・退会が誰でも簡単にでき、過去のメールも閲覧が簡単なブラウザ管理方式が最適です。人数規模が大きくなるほど、運営管理機能もブラウザで操作できる方が便利です。無料サービスで、ブラウザ管理のできるサービスがおすすめです。広告がつきますが、こうした活動は特に支障はありません。

● 同窓会や身内仲間の連絡
 広告が入るのは望ましくないケースです。有料で広告なしのサービスを選定するのが望ましいです。有料の場合、ブラウザ管理方式のサービスが多くありません。コマンド方式が主流となります。しかし、基本的に同窓会の連絡では管理者が手動でメンバー登録をすることが多く、利用者がコマンドを覚える必要はありません。管理者は最初は勉強しなければなりませんが、それだけで事が済むので運営自体に支障は出ないといってよいでしょう。

● 地域交流
 公開して活動するなら無料を、ボランティア活動など参加者を限定している場合は有料を使う手があります。また、地域の井戸端会議であれば携帯電話からの参加が見込まれますので、状況に応じて携帯電話対応または専用サービスを検討してください。

● 携帯電話中心の活動
 携帯メールでおしゃべりや連絡中心であれば携帯専用のサービスになります。対応している携帯電話会社を確認して申し込みます。

● プロジェクトやグループコミュニティ
 グループウェア機能つきサービスが最適です。利用者の負担にならないよう、最初のうちはメール中心のやりとりをすすめてください。

● 短期間限定
 短期限定のメーリングリスト開設サービスを使うとよいでしょう。一定期間メールが流れなければ自動的にメーリングリストが廃止されるようになっています。10人程度の小規模を前提としていますので、お気軽感覚で作りたい場合は検討してください。

具体的なサービス会社については、「メーリングリスト開設サービス一覧」をご覧ください。

<開設サービス選びで現在不可能な条件>

 現在、次のような条件を満たすメーリングリスト開設サービスはありません。もし該当する場合は残念ですが妥協せざるを得ません。
  1. 無料で配信メールに広告が入らない。
  2. 1万人を超える規模
    (一部対応しているところもありますが、メール配信が前提となります)
  3. 携帯電話対応で広告が入らない
    (FreeMLの場合、端末種別を「携帯電話」にすれば可能ですが、それ以外は広告が入ります。)
 選び方の優先順位として、活動内容をふまえて次のように考えるとよいでしょう。
  1. 人数
  2. 広告の有無(=無料・有料サービスの選択)
  3. 携帯電話の考慮
  4. システム(コマンド方式・ブラウザ方式)
もし、それでも悩むのであれば、ブラウザ方式の無料サービスにしてみるのが無難です。

 可能であれば、いろいろなシステムで運用されているメーリングリストに自ら参加して、体験してみるとよいでしょう。「百聞は一見にしかず」です。

2010.4.1 更新 

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