最近はベルリンを拠点とする electronica のミュージシャン Burnt Friedman と、 ex-Can の drums 奏者 Jaki Liebezeit の2人による5作目。 3桁と2桁の数字をハイフンで繋いだタイトルといい、サイドメンの面子といい、 前作 Secret Rhythms (Nonplace, NON30, 2011, CD) の延長といえる内容。 もしくは、ソロ名義での Bokoboko (Nonplace, NON33, 2012, CD) とも共通する 手製パーカッション等のアコースティックな音と複合拍子のビートが堪能できる。
そんな中で新たな要素は、Daniel Dodd-Ellis の歌声だ。 Dodd-Ellis ハンブルグを拠点に活動するアフリカ系アメリカ人の男性歌手。 歌詞を聴かせるのではなく、ハミングのような響きを聴かせるだけだが。 特にエンディングの “130-09” ではビートをゆったりとさせ少々感傷的な guitar のフレーズも登場した上での 少々ソウル的なもののオフ気味なコーラス的ハミングも効果的。 Bokoboko でのゴムバンドを張った自作楽器にしてもそうだが、 相変わらずのようでいて、新たな要素を織り交ぜるその匙加減とタイミングが巧いと思わされてしまう。
併せて、関連音源を紹介。
ちなみに、去年末だが Burnt Friedman のソロ名義でも、 Bokoboko の次のリリースが、アナログとDLのみでリリースされていた。 タイトルからして「続編」で、“Bokoboko 2” や ”Deku No Bo 2” といった曲もあり、 Bokoboko の alt take や out take を集めたような内容だ。 新しい試みが聴けるわけではないが、Burnt Friedman の一連の作品が好きな人なら楽しめるだろう。
Friedman & Liebezeit 関連音源としては、今年の頭に Liebezeit と同じく ex-Can の Irmin Schmidt が Jono Podmore と組んだデュオ Kumo と 合わさった4人組 Cyclopean 名義でのシングルがリリースされている。 ビート感を中止に全体として Friedman & Liebezent の色の方が強いと思うが、 鈍く響きを押さえたような piano 風の音や、 浮遊するような synthesizer 音に Kumo 由来のものを感じる。 鈍い piano 風の音色を複雑なビートに組み上げた Friedman & Liebezent 色濃い “Apostles” に 高音の piano 風の音色の少々感傷的なフレーズも Kumo 色濃い “Weeks” と、 どちらかのカラーがはっきり出たものの方が楽しめた。