アニュアルで開催されている新進写真家展です [前回の鑑賞メモ]。
都市下層を捉えたドキュメンタリ色濃い2作家 (渕上 裕太、星 玄人)、
色を抑えて形式的な1作家 (山上 新平)、
シュールレアリズム〜サイケデリックな流れを感じるきつい色の2作家 (夢無子、うつゆみこ)、
というばらけ具合で、全体としての方向性を掴みかねました。
山上 の写真が好みと思いつつも、
樹皮などのテクスチャを取ったものから人物像まで撮る対象が様々で、
スタイリッシュではあるけれども、その毒気なさというか空虚さも感じてしまったりしました。
1990年代から活動する写真家の個展です。美術館規模の個展を見るのは十余年ぶりです [前回の鑑賞メモ]。
今回も回顧展ではなく、カメラ・オブスキュラを使って撮った2010年代以後の作品をメインに構成し、インスタレーションもある展示でした。
カメラ・オブスキュラというと佐藤 時啓 [鑑賞メモ] や 宮本 隆司 [鑑賞メモ] も思い出し、
都市を撮ってきた写真家がカメラ・オブスキュラに走るのはよくあるようだとも思いつつも、
ぼんやりとした仕上がりはこの作家の作風でしょうか。
インスタレーションの一つは、カメラ・オブスキュラを暗示する暗い部屋を穴 (ピンホールほどは小さくない) から覗くというもの。
タイミングによっては作家本人が中で楽器演奏したようですが、それは観られませんでした。
サスティナビリティをテーマとした国際写真賞プリピクテ Prix Pictet のショートリスト写真家の展覧会です [前回の鑑賞メモ]。
今回のテーマは「Human/人間」ということもあって人を捉えた写真が多く、世界各地の人々のあり様を伝える報道写真に近い印象も受けました。
名を知った写真家はいませんでしたが、ショートリストに残る写真家だけあってか、
世界各地の環境問題、原住民/少数民族、ジェンダー/セクシャリティなどの社会的な問題をテーマにしつつも、形式的な美しさも備えていて、かなり見応えがありました。
特に印象に残ったのは、イラン南岸のホルムズ海峡に浮かぶ島々 (おそらくQeshm Islandとその周辺
の島々) で撮影された
Hoda Afshar: Series: Speak the Wind (2015-20)。
Qeshm Island (Hermes,2002)
というCDで音楽を通して独特の文化を持つ地域だとは知っていたけれども、その向こうにある風景を見るようでした。
他にも、トルコの少数民族とジェンダーの問題を主題に (Kardeş Türküler の活動を連想させます [鑑賞メモ])、
東アナトリアの制服姿の女学生をモノクロで静かに捉えた
Vanessa Winship: Sweet Nothings: Schoolgirls from the Borderlands of Eastern Anatolia (2007)、
そうとはすぐに気づかない撮られ方であるもののロシア侵攻下のウクライナでの日々で撮られた
Gera Artemova: Series: War Diary (2022)、
ポーランド・シロンスク地方を炭鉱とその閉山の影響を主題にその風景を静謐に捉えた
Michał Łuczak: Series: Extraction (2016-23) などが印象に残りました。