23日は土曜ということもあって、祝日であることを昼過ぎまで忘れていました。 風邪気味なのが抜けないし、繁華街は混雑を想像しただけでうんざりするので、 家の近所を自転車散策した程度で、おとなしく過ごしました。 気合を入れて観たい展覧会が無いということもあるんですが…。 というわけで、音盤雑記帖の更新を。
去年に Various Artists, South African Rhythm Riot - The Indestructible Beat Of Sowet Volume 6 (Earthworks / Stern's, STEW38CD, 1999, CD) を聴いたときから気になっていた、 South Africa の新しいポピュラー音楽 kwaito を紹介する編集盤 Various Artists, Kwaito - South African Hip Hop (Earthworks / Stern's, STEW42CD, 2000, CD) をやっと入手しました。 "South African hip hop" というのは誤解を呼びそうな副題ですが、期待を裏切らない面白さです。 ライナーノーツもいろいろ興味深いのですが、中にこんな一節があります。
最も重要な点は、多くの人々が南アフリカの Kwaito が ブラック・アメリカにおける Hip Hop と同じ役割を果たすようになる、 つまり、南アフリカの正統的なストリート・サウンドになる、 と信じているということである。 Hip Hop がUSAのゲットーでの経験と平行しているように、 歌詞や内容は南アフリカでの生活を反映しているのだ。
このライナーノーツの署名は Black Rage Productions となっているのですが、 Rage - South African Street Culture Online というサイトを運営しているようです。これも結構面白そうです。 日本における、hip hop や R&B、reggae の受容と同じようであり、全然違うようであり。
さて、アフリカ繋がり、というわけでもないですが、続いて、 African pop の remix のリリースを続けるレーベル Frikyiwa の編集盤 Frikyiwa Collection 1 (Frikyiwa, FRI008CD, 2000, CD)、 Frikyiwa Collection 2 (Frikyiwa, FRI010CD, 2000, CD) の2枚を併せて紹介。 今年前半に Pole の remix を含む Lobi Traore の12"を El Sur で見かけて以来、気になっていたレーベルで、 夏頃には Frikyiwa Collection 1 を入手していたのですが…。 どうも煮えきらず Frikyiwa Collection 2 の入手も遅れて、 紹介が遅れてしまいました…。確かに凄く面白いというような出来ではないのですが、 それで、African pop の remix 一般を否定的に評価されてしまうと、 ちょっと残念かなぁ、と思います。 以前に、Various Artists, Going Global Series - Voila (Barclay / Going Global Series, 527 392-2, '95, CD) のレビューでもちょっと書いたのですが、 元ネタとの対比ができるともっと面白いように思うのですが。 僕はあまり Mali の音楽とかあまり聴かないので、 remix の元ネタの曲は一曲も聴いたことがないだけに、こういう remix 集だけでなく Cobalt 音源の編集盤も併せてリリースして欲しいですね。
しかし、Kwaito - South African Hip Hop と Frikyiwa Collection 1/2 を聴き比べていても、 South Africa 〜 Zimbabwe の音楽に比べて Mali や Senegal といった West Africa 界隈の音楽って、 hip hop や techno / house との相性が悪いのかしらん、と思ったり。 けど、Kwaito - South African Hip Hop の Senegal 版というほどには hip hop、ragga、house の影響は無いですが、Senegal の新世代を集めた Various Artists, Streets Of Dakar - Generation Boul Fale (Stern's Africa, ST1084, 1999, CD) も、あまり良いとは思っていないし。 Senegal の Youssou N'Dour にしても、Mali の Oumou Sangare にしても、 それほど好きでは無いんですよね…。 僕の好みの問題かもしれない、と思うところも。 Zulu Jive あたりをネタにしている Idjut Boys の "Whoktish" とかカッコイイもんなぁ。 ちなみに、African pop における打ち込みの利用や reggae の影響は 1980年代から聴かれるように思いますが。 techno 〜 breakbeats 的というか post-rave な影響、 もしくは、その影響下での African pop の remix って、いつ頃からなのでしょうね。 ちなみに、初めて僕が意識したのは、 The Real Sounds Of Africa, Get Real / Seven Miles High (Cherry Red, CDBRED89, 1989/1990, CD) です。 当時 Beats International の Norman Cook が制作・ミックスに参加していたので、手を出してみたのですが。 12"シングルからの2曲が収録など、"Zimbabwe Frontline" meets house という感じ。