羊通信 2000.4.1〜6.28

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■ビギナーの心的現象論?・・・   2000/6/28


吉本理論の基本的な用語で「指示決定」とか「指示表出」「自己表出」や「自己確定」などがあります。
言語論や心的現象論で重要なタームです。
で、これらをベースに共同幻想論を構想していくんですね。
今はハイ・イメージ論とマス・イメージ論ですねえ。



いきなり例を出しちゃうと...


「指示決定(指示表出)」の意味作用が優勢で、それを自己確定できない個体心理を歪めるのが精神分裂症。

逆に

「自己確定(自己表出)」の意味が優勢指示決定との差異が広がるのが躁鬱症。


てな風かなあ。

吉本理論の基本の認識論になる『心的現象論序説』だとこんな説明だと思いますよん。



■3部作のメモ・・・   2000/6/24


えー、
吉本隆明さんの3部作は
心的現象としての自己意識が
言語表出をとおして共同幻想化していく構造を描いてます。

まあ、
意識の中にある幻想が
どーやって遠隔対称(対象)化するのか
とゆーとこがポイントですが。

そこには
構成同一性とゆー基本的な認識力が
とーても大切なものとしてあります。

これは
対象を抽象して
共通項を見い出す能力ですが
基本的に
自己と他者を見分ける能力の発達したもの
だと思われます。

自己と他者の見分けは
親の対象化と親からの分離が
原点です。

この時大切なのは
そもそも親との関係が
どのような質の関係であったか
とゆーことが問題です。

関係がなければ分離はあり得ず、
関係の質こそ分離の質を決定する
大きなファクターになります。



■昨日衝撃が日本列島を・・・   2000/6/23


天気予報を見ようとTVをスイッチONすると...


    昨日衝撃が日本列島を走りました・・・


ええっ、ぬ、ぬあんだあ


    宇多田ヒカルさんの


おおった、Hikkiがどおーしたー


    お母さんである藤桂子さんが離婚・・・


おおーおおおーおーおーっ
ここまでマスコミはクダラナイとは思わなかったなあ。
衝撃的なくらいバカあなマスコミ。



■ラジカルな3部作・・・   2000/6/21


吉本さんが目指した日本オリジナルの思想の成果ってこの3部作。
もちろんここから拡張されたのがハイ・イメージ論とかマス・メージ論でしょー。

『共同幻想論』
『言語にとって美とは何か』
『心的現象論序説日本オリジナルなら日本語への解析がなければいけないワケで、
その点ただの翻訳思想って日本じゃ無効な面もあるでしょー。

構造主義の発端は毛沢東の「矛盾論」で、それをただテルケルタームで再構築
しただけだろうし。パンフレットみたいに薄い革命の書「矛盾論」に込められた
ダイナミズムにアルチュセールがノックアウトされた事実は、もっと注意される
べきかも、と思うしさ。
日本が欧米化した程度に比例してそのカウンターインテリジェンスも欧米ものが
有効でしょー。でも日本が日本であるなら日本オリジナルの思想やインテリジェンス
がないと根本的な認識も批評もできないですよねん。日本語は手強いのさあ。
宮台さんなんかある意味でそれを天皇制(論)に見い出しちゃってる。
リングドーナツの魅力はドーナツの穴にあるってなこと、つまり「空」が魅力の中心
だという村上春樹ワールド的な世界観(ココのWEBのポリシーね)は実はすごく
日本的なんだ。それは東京が虚構だからこそ周囲を魅惑してるのと同じ。ボードリ
ヤールなんかの化粧論や誘惑論もコンセプトはそのへんでしょー。


ところで「対幻想」ってキーポイントだけど、いったいなんなのかあ。
うーんいちばんムヅカシイところだねえキット。
この対幻想を基点に共同幻想と個的幻想へ観念が向かっていくワケですが、
そのことを吉本さんは「遠隔対称性」というオリジナルな概念で説明してて、
個人的にはわかりやすい気がしますね。ボクはこれをヒントにして「遠隔対象性」
(対称ではなく対象)としても使ってますが。

浅田さんはこういう吉本理論を
「用語が我流で、しかも論理的につながっていない」とか激しく批判。
「とにかくわからないんだもの」(『近代日本の批評』)とか。

どうして「わからないんだ」かよーく考えてみたんだけど、
東さんの問題意識を考えると浅田さんが意識しない(わからないことのラジカルな
原因)・してない・できないことが浮彫りになってきて。東さんの登場以後浅田さん
へのチェック厳しくなりましたん。まあ排中の論理によるチェックなんだけどさあ。
たとえば限定可能性の助詞が理解できるかどうかの問題なんだよね。
助詞や助動詞や副詞の使い方と理解の仕方で人間の認識力が明らかになるワケ。
もちろん詩人は石とも話すワケですよん。

だから浅田さんの本は売れたけど、読まれたのは東さんの本だと思いますねえ。
そして読まれるべき優先度もその順位なんだよ。今こそ。

ひさしぶりにハイ・イメージ論を読んだら面白かったけど、
あの文体はもはやチト読みにくい。
それに全集版は活字の大きさとかレイアウトとか
バランスとか全般的に親しめないし。

でも「像としての音階」なんて『楕円とガイコツ』とオーバーラップしてて内容は
グッーだなあ、やっぱり。
浅田さんのケージ論より吉本オヤジのケージへの考察の方が面白いとは!
う〜ん追い撃ちってなワケじゃないんだけどねえ。



■ブーンブーンサテライツ・・・   2000/6/20


このまえエレクトリック バンドの“Boom Boom Satellites”のドキュメントをBSで観てえ、
ウンゴク気に入ったんですがあ、どのアルバムがいいんでしょーかあ、
ヒット曲はドレなんでしょーかあ、誰かあ、教えてくださーいい。

とっさにあの『スペクトラム』を思い出しちゃいましたん。
ビリー・コブハムの、ね。



■下町散歩・・・   2000/6/18


せっかく晴れたんで散歩をしようと江戸東京博物館なんかがある方面へお出かけ。
東京の財政を圧迫するものの一つでもある江戸東京博物館は見ないで下町風情を見学、と。

門前の商店街でソース焼きそばを食べて満足。
和菓子屋さんとゆーか甘味屋さんとゆーか大衆食堂とゆーか、そーゆーとこでね。

もし「みつまめ」はあるけど「あんみつ」がなかったりしてその理由をお店のご主人に
問えばたちまち始まる江戸っ子問答つーものはまあ禅問答より有益でかたくなです。

「みつまめ」がない場合の想定答弁は「こちとら江戸っ子だい」を究極の解答として
いろいろ考えられますが、自らのアイデンティティをかけた究極の言の葉以外には
ろくでもねー言いがかりばかりなのが常でしょー。

「明治」を逆さに読んで「治めるめえー」などと10数年間に渡り呼びならわして
田舎もんと頭のカタイ官僚だけの政府をコケにし続けた江戸っ子さんたち。

このサンダル売ってるオヤジは江戸っ子かなあ、とか、
亀戸なんでカメの親子パンなんつーの売ってる店のセンスは江戸風なんだろーか
などと考えながら東京でいちばんサッパリしてるとゆーソフトクリームをなめなめ
アイスキャンディみたいに溶けて垂れるのを拭いながら散歩するのは粋じゃねーなー
と思いつつ1時間もグッスリ寝てりゃ東京の果てにあるホームグランドに帰れるワケで。

ああ、このへんて村上春樹が「世界の果て」と表現したとこだよなーと車窓をながめて
夕飯のコトを考えるのさ。


以上意味不明でもOK。
ヒマだったら『東京学』でも読むとちょっとわかりまっせえ。



■その後のTKは?!・・・   2000/6/15


宇多田ヒカルに似過ぎるのが?とかゆー評価もあった倉木麻衣ちゃんですが、
今度の曲はTK風です。ホント。
「NEVER GONNA GIVE YOU UP」
でもどの曲もいいからそのうち買おうっと。
ニュースで沖縄サミットのテーマ曲をやってました。
あのブッチホンで生まれたTK作の曲ですね。
「ネバーエンド」がタイトル。
フランスでレコーディングとか。
こりゃワールドカップの時と同じでヒットしないでしょー。
TKは琉球旋律つまりエスノを意識してるけど、
TKの基本はすでに世界視線的なところにあるんで、
J−POPとしちゃズレるんだよ、キット。
国内視線?からはね。

ボクの考えではTK作の日本流ってMiku leika「海とあなたの物語たち」なんだけど。
メロディはもちろん琉球式の発声で唄ってますね。アレ。
トレモロとモンゴルのホーミーみたいな両方のテクニックのセンスが必要でしょ。

(そーいえば宇多田ヒカルのトレモロをビブラートだと言ってるバカなプロがいるなあ。
なんであらゆるジャンルでプロはダメなのかなあ?)


東京に生まれて育った感性のTKにとってはglobeでやってることがTK式の日本流でしょー。
それは『楕円とガイコツ ― 「小室哲哉の自意識」×「坂本龍一の無意識」』で分析されてるとーりで。

でもそれは並みの感性じゃ日本流だとは思われないんだね、たいてい。
それを、
より一般的にウケるよーに日本的ニュアンスを持たせよーとしたのが「海とあなたの物語たち」じゃないかな、
と考えちゃうのさ。
これは田舎なら日本の伝統が残ってるだろ的な感性や発想に合せた方法だね。
それは逆に一般的には東京的ニュアンスから伝統や日本的なものを感じ取れないとゆー感性の鈍さ
も示してますね。
そこからTK系の音楽は音楽性が低いっ、てな批判が多くのプロから出て来たんだね。
鈍くてトラウマやコンプレックスを持ってるタイプからかな。
もちろん問題は自分の鈍さに気がついていないプロの感性や根性?の方なんだけどさ。


TKの育った街から多摩川を渡ってまもなくでユーミンの育った街。
都会で暮らすOLの心理を唄ってバブルとともに都会的な頂点を極めたユーミンの表現。
そしてバブルの崩壊とともにユーミンもシフトしましたね。
注目してたのはその落とし所。
都会的感性。東京的雰囲気。春樹的、でもいいや。
これらを支えて補償してた経済が崩壊したんだから。
その表現はどこへ行くのか? どうシフトするのか?

雑誌Hanakoの影響力や評価の低下とともに外注スタッフもリストラ。(笑)
Hanako読者に代表された都会派ユーミンの行き先は?
これは誰だって興味あるコトだよね。

不死鳥のごとくユーミンが打ち出したのが、あの「春よ、来い」でしたん。


  都市をターゲットにして展開されてきたオシャレが
  バブル崩壊と前後しながら浮き足立ったユーミンは
  『春よ、来い』でアクロバットみたいに見事に着地しました。
  着物や染物に囲まれたセイシュンを過ごしたユーミンには
  当然かもしれないけどね。
               (宇多田ヒカルは小室のファン?・・・   99/8/24)より


それで、それから何年か月日が過ぎても経済なんてよくならない。
だって政治が変わってないんだもんね。
いろんなとこでポップスの摸索も続きます。東京モダンに代わるテイストの追求さ。
んで、登場したのが大江千里「秋唄」です。
ガーン、いい。この曲。さすがNHK「みんなの唄」に登場しただけあるかな?
え〜と、どーしていいのかは別の機会に触れます。
これは松岡正剛さんの『日本流−なぜカナリアは歌を忘れたか』とも深ーい関係があるしね。
童謡的扱いでもあるし、ここが肝心だよん。



以上から羊的日本流のJ−POP(国内視線版)は・・・


   「春よ、来い」           ユーミン
   「海とあなたの物語たち」      Miku leika
   「秋唄」              大江千里


世界視線を獲得してるJ−POPならば・・・


   TK
   教授
   Hikki


てなワケだ。



■指標が下がって高値がイッパイ?!・・・   2000/6/14


400円以上も下がっちまったのが株式市場の代表的な指標になってる日経平均。
でも、一方で最高値を更新した銘柄が75とかなんとか。
詳細は知りませんが、所有してる株券のうち少なくとも3銘柄は高値更新。
たぶん他にも高値更新したのがあるだろーなあ。

去年ピックアップしといた銘柄の7割くらいが上昇してて、
だんだん手が届かなくなってきましたん。
ビンボートレーダーには桶狭間な気分だなあ。

ところで投資ってドコがムズカシイんでしょね。



■やっぱりバッハ並?それ以上?!・・・   2000/6/7


     最初のうちはどれがメロディなんだかもわからなかった


とある本の取材に答えてるのはglobeのKEIKO。

どれがメロディか?と迷ってしまうのは、
どれもがメロディに聴こえる状態なんですね。
2つ以上メロディがあるワケです。
つまりカウンターメロディ、ね。
対位法ってなワケだ。

以上はglobeのレコーディング時に小室が曲を示す時のコト。


えーとー、
決まったコード進行で出てくるメロディはほぼ決まってます。
12音階の音楽理論に忠実ならなおさらね。数値的に有限でしかない。
カシオペアの野呂さんみたいにさ、コードのトップノートでメロディを弾く
練習をしたりすればなおさら。出てくるのは決まったメロディてなワケ。
で、決まったコードがつくんでしょ。純粋に数学的な予定調和だねえ。

まあココに右手でメロディを弾けば左手のコードが自動的に演奏されるとゆー
昔エレクトーンからはじまった伴奏装置のルーツがあるよーなもんです。
カシオペアってエレクトーンだからね、スコアが。わははっは


音楽を、
人間にとっては<声の再生>と<言葉の意味>だととらえている小室は、
それをそのまま再演することを目的としてるかのよーに、
声とか発声に忠実に曲を作ります。
12音階に基づいて、じゃなくね。

もちろん演奏する楽器は西欧モダンテクノロジーの産物なので、
しかたなく12音階表現で採譜するとコード理論や12音階理論じゃ
チグハグなものになるんですね。
そりゃいいけど、それをチグハグと聴いちゃう感性は、
そのまんまその感性の鈍さや非自然性(12音階的人工性)を現してますね。

ホントに小室への批評でレベルがわかっちまうワケだあな。

『楕円とガイコツ ― 「小室哲哉の自意識」×「坂本龍一の無意識」』
ってホントに凄い本だよん。


ところで日本人は18音階なのかもね。12音階に照らすとさ。
少なくとも交響楽団の現状を数値的に分析するとそーなります。
これはワテのオリジナル分析。
ソースは某N響指揮者へのインタビューなんだけどさ。



■やったぞ大阪!?・・・   2000/5/31


大阪でも外形標準課税を条例化。

東京も大阪も自民党と共産党の合意で成立だね。

カッペにはわかりにくいだろーな、この構図。こんなに簡単でも。
カンタンなことが解らないからカッペなんだけどサ。
裸の王様を見抜いてみろよ〜。

既に都市型の政党に発展してる都市部の自民党は共産党などと共闘できるのさ。

「都市的感性を打破する」とか言ってたバカたちはどこいったんだろー?

そーいえば大阪の民主党と公明党は外形標準課税の条例化に反対だったとか。
ホントに民主党とかって新たなカッペ党なんだね。

外形標準課税に反対するも、TKに反発するもカッペとゆー共通点ありだね。



■日本はバイオがザクザク!?・・・   2000/5/31


まあ、納豆から醤油、味噌、それからお酒かあ。
日本はバイオテクノロジーの宝庫ですが、昔は繊維だって強かったんですね。
シルクロードのスタート点だしさ。
政府が繊維産業を日米繊維交渉でアメリカ勢に対して売国?するまでは
日本の繊維産業は世界トップ。

大前研一さんが指摘するように政府が関わった交渉は全部日本企業が敗北してるんだね。
政府が売国かあ、ヘンな国い。小林バカノリとか自己保身保守はそんな政府を尊ぶワケだあな。

で、繊維産業は化学産業でもあってナイロン作ったり蚕からムコ糖類切断剤なんかも作ってます。
この延長線上にあるのがバイオ。それも優秀なバイオテクノロジーですね。
確かにデュポン社なんかもスゴイけどさ、
これからのバイオでマスプロダクトが必然となると日本の繊維産業は優秀でしょー。

で買ってあった株が高騰だい。
去年の10〜11月12月頃にピックアップした企業は全部上がっちまいましたん。

おー、日産も上がり続けてるなあ。
日本人的偏見丸出しで日産を否定してる多くの人とか、
銀行系証券系企業や情報がまともだと思ってる多くの亡者には、
もうホントにフォローできない時代が来つつあるのにねえ。

インターネットトレードを始めた頃は、
バイオで協和醗酵の高騰には追いつけなかったけど、
第二の宝酒造や協和醗酵はいくつもあるもんね。
日産系部品会社で成長株も上がってきてる。

インターネットやコンピュータに馴染みがあるとゆー理由だけで
ネットのトレードを始めてコッパ微塵になっちまった若輩は再起できるのかなあ。

ビビるヤツには無理な世界だねえ、ネットこそさあ。



■株式ホーカイのスゴイ魅力!?・・・   2000/5/22


ニューヨークはもっとハゲシク崩壊するだろ-な。
で、影響されるだけの東京もホーカイするだろうな、と。
ま、とにかく本日の日経平均はサイテー記録を更新とか。わははは

ああ、今日も重厚長大産業で給料2、3ヵ月分もうけましたん。
即刻次の株を3企業買ったんだけど購入直後から上がるとは。
うーん来月が楽しみだなあ。

実をいうとソフトやシステムで国内6位とゆー新日鉄や、
フレンチコメディアンごーんさんの反対を押し切ってライバル社の数段上をいく
ハイブリッドカーを発売開始して、あらためて技術力を見せつけた日産。
その燃料電池は日立との共同開発で先行する欧米の技術をさっさと抜いたバケモノ。
かつて三井や三菱の総資本の3倍以上を誇ったリーダーなき巨大企業グループ
の総合力は世界一だね。前首相がアメリカに暗号に関する決定権を委ねるとゆー売国行為さえしなければ
日立やNECの暗号技術が世界に認知されたのにさ。
それに日立は銀行より金融に詳しいしね。
金融システムの40だか60%は日立が構成してて、日立の方が金融のプロなワケ。
そんで定款に金融を書き足したんだな、コレが。コンビニで銀行?とかって、ママごとみたいなもの。
モバイルで銀行の方がまだマシとか。アメリカ金融の7割をおさえるロックフェラーのシティバンクだって
そー分析してるぜエ。

まあ人のお金をダシにして手数料しかかせげない銀行や証券会社は底なしにホーカイしてほしいですう。
おまけに顧客への恣意的な誘導を情報提供とか言い逃れてんじゃねえ。
だからまたたく間に金融株は落ちたりするのさ。ひっかかるのはバカだけ。
インターネット80万口座はね、動揺を繰り返して経験値を上げながら真っ当な企業を支えてるのさ。

とうとう松井証券はインターネット証券のトップになりましたん。
年間取扱高3,000,000,000,000円に達するもようだよーん。
大手証券てドコいっちゃったの?



■「展覧会の絵」のスゴイ魅力!?・・・   2000/5/19


ELP(エマーソン・レイク・アンド・パーマー)のファンじゃなくたって
ファンが多いクラシックの名曲といえば「展覧会の絵」。
ムソルグスキーが移動派絵画運動へのシンパシーから作った曲だったと思うんだけど。
まあ、イントロ?のプロムナードのカッコよさはロック少年じゃなくたってOKでしょ。

で、相対音感もないボクですが、スグに「こりゃ4度音程じゃねーか」と感じます。
キーボードで弾いてみると、そーなんです、まんま4度音程どうしの音だけでメロディーを作ってます。

わおー、
世界最高の音楽批評書にして理論書『楕円とガイコツ ― 「小室哲哉の自意識」×「坂本龍一の無意識」』の
とおりじゃねーかい、とウレシイ感激。

TKってムソルグスキーのファンなんだな。
ちなみにTKの友だちがタルカスを弾いてるのは見たことがあります。(笑)
エマーソンはプログレの北斗星てな曲のタルカスでハモンドのクリック音鳴らしながら
何気でブルース弾いてますが。
TKは何気の4度音程音スケール?で弾きまくり。

「プロムナード」って通りを歩く人々のザワめきとゆーか応答みたいなものを感じます。
で、赤ちゃんとママの応答の「ウーウー」とか「アーアー」とかは、
ノってくると4度音程で応酬するとゆーよーなイメージがあるんだけどなあ。
キーボードをいじっても実感がワカないんで、まだまだトライ中。

これがイナイイナイ・バアメディアとしての表出の原点なんだけどなあ。

マイ認識論じゃーね。



■『楕円とガイコツ ― 「小室哲哉の自意識」×「坂本龍一の無意識」』のスゴイ魅力!?・・・   2000/5/12


M・ウエーバーはエライ。
でも何がエラいんだろ? と考えると。
オタクだったトコがエライかもね。
知ってる? ウエーバーはオタクだったんだよ。
それもいじめられてオタクになったんですう。

世界中がレーニン革命でワイワイ盛り上がってた時に、
ウエーバーはベルリン大学で演説したんだ。「レーニンは間違ってる」ってね。
で、すげえ学生たちのブーイングでウエーバーはショックだったらしい。
それにウイーンのカフェでシュンペーターとお茶を飲みながら
ウエーバーが「レーニン革命は血を流してる」と非難したら、
クールなシュンペーターは「実験で血が流れるのは当り前だ」と言ったワケ。
キレてイっちまったウエーバーはトレードマークの山高帽をテーブルに忘れたまま
どっかへ行っちゃったんだ。

それ以降ウエーバーは社会や国家に対して書きもしなければ言いもしなくなっちゃったんだね。
つまり社会学者が社会を語らないとゆー引きこもりを起しちゃったのさ。
でもアタマはいいウエーバーくん。引きこもりながら研究してたんだ。
それが音楽社会学。
社会や政治から遠隔対象化された彼の観念は、
音楽という全く個人的に研究できるジャンルをフォーカスして、
それを通じて結局は社会を語るというソフトランディングに成功したんだね。
すごい意志力だと思うよ。ドイツ第三歴史学派も伊達じゃねーワケか。

そこでウエーバーが調べたのが西欧音楽における12音階音楽の支配の確立。
クラシックの覇権の成立過程だね。

それを一つのラジカルな根拠に書かれたのが『楕円とガイコツ』だ。
欧米を支配し、欧米化を目指した明治維新以降の日本の音楽を支配する12音階という音楽。
そのクラシックに代表される12音階音楽へのカウンターインテリジェンスとしての小室哲哉と坂本龍一が分析されてるワケですね、コレ。

世界最高の音楽批評だし理論だなあ、こりゃ。
小室と宇多田、椎名という共通点を明かしてて面白過ぎる。
ボク的にはサンタナも入れたいななどと思いながら読んでるけど。



■3部作のコワイ魅力!?・・・   2000/5/8


1月14日発行 『「スターリン言語学」精読』(田中克彦・岩波書店)
3月5日発行 『日本流 ― なぜカナリヤは歌を忘れたか』(松岡正剛・朝日新聞社)
4月25日発行 『楕円とガイコツ ― 「小室哲哉の自意識」×「坂本龍一の無意識」』(山下邦彦・太田出版)


以上の3部作に共通するものがあります。
それはこのサイトと同じ問題意識でもあるし、
ココで触れることがありながら専門知識の無さと怠惰なコンジョーゆえに
テキスト化できなかったりしなかったりしてきたものでもありますねえ。

カナリヤが歌を忘れたことに対する応答が小室・坂本そして宇多田ヒカルなんですが、
それはスターリンと同じ問題意識だった、
とゆーと上記の3部作を説明したことになります。

え? わからない?

わかる人にわかればいいよ。
世の中その程度でしょ。

たぶん宮台さんや東さんにはわかるんだよね。
スターリン言語学のポイントはそれに対する時枝の批評に表出してるし、
宮台さんの天皇論に対する解を上記書籍から見つけ出すことだってできるしね。
『アフリカ的段階』なんかも参考にするともっと簡単にいろいろわかっちゃうね。
まあこの段階じゃもうヘーゲルに象徴されるインドヨーロッパ語系の認識論は必要ないんだけどさ。
同じように西欧音楽の完成された音楽形式と理論である12音階も必要ないワケ。
だってそれへのカウンターインテリジェンスがTKであり教授でありHikkiなんだから。

あっ、ちょっと説明しちまったい。



■OFFはコワイ!?・・・   2000/5/3


とゆーのは休日恐怖症とかじゃなくて、顔です。かお、カオ。
まあ、何をやったらいいんだか解らない、仕事がないとどーしていいんだかあ、
なんつーOFFTIMEにキョーフするビョーキなんてあったんですね、以前。
今も少しはあるのかなそーゆーの。あったら笑ってあげるのにい。めえ〜

まあ、今日ここで書くのは、そーゆーのじゃなくて、もっと深刻かも、な問題です。(笑)

「くっら〜い、真っ暗あ」「怒ってるう?」
「うっそ〜。クラ〜イ」「コワーイ、コワイ」
「どーしたのお」「怖いカオ!」

てな感じでテーマは怖い顔だ!
そこには大きな問題があって、それは怒ってる時じゃない、とゆーこと。
うーん、くつろいでる時なんですね、A氏のこのコワイ顔は。

自分のデスクを離れて誰もいない会議室でくつろいで仕事をしてたら、
上記の言葉の嵐だとか。たじろぐのは「怖い顔」と言われてしまった当事者A氏の方。
本人は催促の電話も仕事の指示もないカッラポの会議室でくつろいでDTPの
画面をボンヤリながめてる最中。ボンヤリくつろいでるのにそんなにコワイ顔なのか?

仕事の合間に余ったフィルムでカメラマンがちょっとA氏を撮影。
アジア某国の高層ホテルの窓際。カメラマンに気がついたA氏の顔は温和。
しかし、本人が気がつく前の顔は眼光スルドク怖い表情。

レストランで食事の後ちょっと一服してると、彼女が「何怖い顔してるの」。
くつろいでる時の顔がコワイらしいと自覚したA氏は後日自分をテッテー的にリサーチ。
食事の後喫茶店でくつろいでいて、フっと自分のコワイらしい顔を思い出したA氏は、
そのまま表情も身振りも変化させずゴルゴ某のよーに大きなウインドウガラスに
映った自分の姿を探してみた…。
右手に水のグラスを持ち顔の高さまでかかげたそのままの姿勢でウインドウをチラリ。
ウインドウに写っているのはグラスをかかげたしかめっ面の男。

コ、コワイ。

第三者による他日複数回に及ぶ証言ではコワイだけではなく最近は哀愁が漂っているとのこと。
しかし問題を複雑にしてるのはコワイ表情や全体に漂いはじめた哀調だけではなく、
仕事中の真剣さのない顔?も、らしい。
とゆーワケで仕事中のニヤけた顔?に気分を害する人もいるらしく、
事実「あんたマジメにやってんのお?」といく度か注意されたりしたとか。
くつろいでるとコワイ顔で、仕事中はオメデタイ顔だったりひとりで笑い顔だったり?

そりゃ、こーゆーことの連続なら哀愁が漂ってくるのもわかりますう。
でも、なんだかカワイソーですねえ。
最近ますますコワイ顔になったとか。
もちろん仕事中はますます余裕?の表情だとか。
まあ、なんか違いますね、A氏。



■批評のルーツはTK!?・・・   2000/4/25


そーいえば、どうして批評的なことを書くかといえば、
あの『ロッキングオン』が原点でしたね。
『ミュージックライフ』や『音楽専科』が商業ロック誌だったとすれば、
ロッキングオンはロック批評誌。

渋谷陽一さんの「プログレはロックの批評だ」とゆーわかるよーなわかんないよーな
哲学から岩谷宏さんの政治や経済にロックを突きつけていく批評性は革命的でした。
もちろん革命派が必ずしもGOODではないのは歴史のとーりですが。
で、岩谷さんにインスパイアされ、ニューアカとともに浮上したのが上野俊哉さんとか。

まあ、政治に正面からアプローチしてたのが中村とうようさんたちかな。
でも、そのエスノやワールドミュージックなら良い…みたいな紋切り型の観点は
とにかく少数民族なら良いとか解放戦線なら良いみたいな
あらかじめ決めつけられてるイデオロギーでイヤだったですねえ。

渋谷さんのスタンスは売れるのは良いとゆーとっても資本主義的で納得できるもの。
それだけ都会的、東京的、だったです。
売れなくて自暴自棄になるパンクバカとは違うんだもんね。
ストーンズになりそこなったピストルズとか。なれるワケないけど。

商業誌の音楽専科でレコード評を書いてた小室哲哉さんは、
すでにこの時スタンリークラークをロック雑誌で紹介するとゆーハイパーな分析者でしたん。
それもスタンリークラークがハードロックに興味を持った、そこんトコにTKは興味を持った、
とゆーポストモダンなオブジェクト指向なんです。あれ?

クラークとジェフベックのコラボでロックファンにも多少はクラークに興味を持った人はいるでしょーが。
ロックファンのメジャー層はクラークを聴くコトはできないんじゃないかな、とゆー感じが強かったけど。
TKのスタンスとゆーか審美眼に「TKってスゴイかも」と思った人はいたでしょー、キット。
そんな一人の人間が、TKの軌跡をたどり、TKマジックを克明に明かした
音楽理論の分析批評の書『楕円とガイコツ』が4月1日に出版されましたね。
まあボクが指摘したかったことが理論的にちゃんと分析して書いてあるんで、もー、ブッ飛んでしまいましたん。
自分だけが正しいという狂信に支えられ、宇多田ヒカルの声に高調波倍音はないなどのウソのデータを並べ、
TKやGLAYを罵倒するだけロック魂ゼロの日本ロック史上最高ダサク『宇多田ヒカルの作り方』と比べて読むと、
ピンからキリまでってホントにあるんだねえ、と納得できちゃいます。

ケージやマーラーやキース・ジャレットが目指したものを、
自然体で楽々とこなしていった音楽家TKの姿がこれほど音楽理論的に検討された本はどこにもないですね。
そして、その分析に援用されている音楽理論のポイントが4度音だという事実は、
アマチュア時代からSUS4(クラシックでは不協和音扱い)の響きを特徴にしてたTKの、
そのユニークさと迫力とメロディにスゴサを感じてた
ボク(とある知人のキーボーダー)の感受してたものが何であるかを説明してくれました。
『ユーミンの距離感』でユーミン、坂本龍一、小室哲哉に関して表現者にとっての距離(感)というスタンスを指摘してみて、
小室にとっては「彼にとってスタンスとはテクノロジーを指すものだ」と分析してみた自分の、
そこから先がモヤモヤしてたのがハッキリしました。
すんごいウレシイけど。
他人にそれを説明できるか、っつー問題と、
そーゆー課題ができたのはモットうれしいかもしんないですね。


当時、音楽専科の編集部にはTKの彼女が原稿を届けてましたが、
すでにそんだけ忙がしかった中で書かれたスタンリークラークへのTKの興味が、
その後のTKマジックのベースでもあり、どこかに宇多田ヒカルちゃんとのクロスポイントあって、
鈴木あみちゃんの新曲なんかにも反映してるでしょー。
安室ちゃんの「LOVE 2000」で
モロにバッハのパッサカリアとフーガをイントロにしてみせたTKの確信犯ぶりが、
ホントにわかった気がしちゃいます。



■消費者本位の認識・・・   2000/4/20


カリスマ店員で有名になった「エゴイスト」だけど、
東京ブランドの新宿伊勢丹にも出店してますます評判。
山の手から新山の手までカバーする東京ブルジョアの定番になるんでしょーか。
「無印良品」は今やイギリスなんかで「ムッジー」として高い評判。
堤さんコケたけど(笑)、東京コンセプトはやっぱり世界に通用するんだね。
23区が東京だと思ってるお上りは論外として、
今や東京のプライムは“実効”にあるのさ。
つまりカルチャー語って何かした気になってるんじゃなくて、
ホントに何かすること。
まあ宮台さんも石原知事も、その点は共通するもんね。
それが感覚としての単なるリアリティじゃなくて、マテリアルそのものだからね。

エゴイストもユニクロも消費者本位。
つーか、消費者の求めるものをリアルタイムで提供してるワケですね。
デザインやカラーはもとより、あのユニクロの縫製の丈夫さは、
かつてマンションメーカーと呼ばれてたデザイナーズブランドのスタート時を
思い出しちゃいます。ホントによかったから売れたんだもんね。

まあ消費者本位なんてアメリカじゃ当り前。その法的根拠のPL法は日本でも
真似だけしてますが。
フランスなんかじゃ1950年代からイデオロギーとしても消費者本位ってあるしね。
アンリ・ルフェーブルの主張なんか受動的だからこそ革命的だとゆー都市論で、
もーホントにカッコイイんだけどさ。
戦後フランス思想界が驚愕した日本の何か、東洋の何かは、
ナゼか数理的なタームやインドヨーロッパ語系の屈折語的論理構築をもって
モンスター化しちゃって日本で再び人気。でもそれがポケモン以下つーとこが
もー現代日本のダメさかな。

まあダメを肯定できるほどならいいんだけどさ。

消費者が決定権を持ってることを認められないのは、
もう、全然ダメかもね。

上野俊哉さんだけなのかな? ルフェーブル読んでる人って。
『都市革命』が、もー、いいです。ベンヤミンと一緒に読むと、もっといいよ。



■リアルな認識・・・   2000/4/10


企画書やコピーや書評を書いたりしなくても本は好きなんで読みます。
カタカナが多くて読みやすそうだと思って買った『構造と力』は理性(論理)の限界を教えてくれたし、
その関係で、
浅田さんのメディア初登場となった朝日新聞紙上での数ヶ月間にわたる「<感性−理性>論争」ともなり、
当時フリーターという言葉がなくて「アルバイト生活者」と名乗ったら、
なんだか何名かの人に注意されました。
理由はよくわからないんだけど、アルバイトで生活してるとゆーことが
マイナスのイメージをもたれたヨーでした。
世の中結構難しいコトを知って、ますます「バイトでよかった」とか思ったもんです。
まあ、とにかく『構造と力』は、いろいろと、すげーしょっくでしたん。
論(理性)どーのこーの以前に『共通感覚論』で感性やその柔軟性にショックを受けてたので
人間の認識に関してますます興味が広がる一方。
で、青春?にありがちな心や心理学へのフォーカスは遠隔対象化(吉本用語では「対称」だが)されて、
哲学や感覚の対象になっているマテリアルなモノゴトと、それに立脚した社会や政治にターゲットしていきます。
まあ、リアルな認識にシフトするワケですねえ。

この遠隔化される度合が大人になっていく度合であり、オヤジ化の程度であり、
何よりもオブジェクトとしての自然へ戻っていく経過を反映した認識の変化なんですね。

…なんて書くとまた僧職の人からメールが来たりするのかなあ。
まあ、現代思想系、特におフランスの人は今後はレスがないでしょう。
もう終っちゃってるから、ね。



■MSIEで70%以上か・・・   2000/4/8


ここを見に来る人の70%以上がMSIE。
かつて90%以上だったネスケは小数派。

つまり軽くブラウズできてメモリーのトラブルが少ない人は10〜20%つーことか?

Microsoftの公取違反だか独占違反だかで、
はたしてネスケは起死回生するんだろか、と。

まあAOLがネスケを最優先するようになるし、
ネット家電もネスケになるし、といろいろあるけどさ。

問題は今ここ、かな。
デフォルトでMSIEがプリインストールされてるんで、
ネスケを使う人はメリットを知ってる人やパソコンに詳しい人だけ?

ネスケのインストールは簡単だけど、
デフォルトのソフトやランチャーをいじると保障がどーのこーのとゆー心配も。
なんでしょーね。

デフォルトのままでガマンしてメモリートラブルやフリーズの嵐に耐えるか、
カスタマイズして保障がどーのこーのといった心配をするか。
MSIEの増加やデフォルト使用を見て感じるのは、
やっぱこの国じゃ改革は無理、自己責任は無理ね、てな感想。



■デイトレード・・・   2000/4/6


100回くらい株式トレードして全部プラスなんだけど、
まあ、プランニングやコピーのギャラより1桁とか2桁とかいいワケで、
どーかすんと企画料半年分よりよかったりするんで、
もー、資本主義バンザイなんだけど。

月に1、2本原稿を書けば生活できるアメリカなんかと比べるのは無理かもしれないけど。
日本て、もう、ン?てな感じ。

別の面から考えると
低賃金でもやっちゃうクリエイターによって広告やテキスト文化や
いろんな表現文化がフラットになってきたんだとも思うし。

テクノロジーでポップになったのとかゆーのはウソで、
ポップにみえるけど単なるバカなんじゃないかとか思ったりしてます。ハイ

レーニンがエライのは、そんでもバカに従え、って言ったから、だっけか。

まあ、オタクに従え、じゃないよ、もちろん。うふ

エライぞ、レーニン。



■ニューヨーク崩壊?・・・   2000/4/1


有名ヘッジファンドのタイガー・ファンドが終わり、です。
自己責任の国アメリカで例外的にクリントン大統領が政府の力で救済したのがロン
グ・ターム・キャピタル・マネジメントでした。ロシアの金融危機で巨大な損害を
被ったんですが、この時にジョージ・ソロスのカンタム・ファンドも大きな痛手。
そしてタイガー・ファンドも、だったんですね。

金持ちだけを客にしていたタイガー・ファンドはネット経済以前の投資を象徴する
存在。そのオーソドックスな対象も手法も旧経済の代表的なもの。店じまいする理
由が現在のネット経済に対する「狂気」という指摘に集約されてます。

タイガー・ファンドがナスダックを中心としたインターネット、IT関連の株や金
融の動きを「理解できない」「狂気だ」と批判してるのは当たりですね。タイガー・
ファンドは既に古く、ナスダックは不確実過ぎるということです。


マイクロソフトの時価総額がスペイン一国のGDPに相当するのは資本主義では
珍しくありません。違うのはマイクロソフトへの評価は期待値だということ。
それは先物の先渡しとしての価値であり、不確定要素を含んだものだということ
です。絶対値ではなく、そうなるだろうという期待値なり差延された値です。ど
こにも確約はないですね。(この期待値の中に確実性を高めていく数値の生成を
読見取ろうとするのがヘッジファンドの原理論である確率過程論です。伊藤理論
と呼ばれる日本発の統計理論ですね。)

事実今日マイクロソフトと司法の和解協議は決裂してます。これでマイクロソフ
トが分割されれば時価総額はどうなるんでしょうか。またテクノロジーが将来の
価値を約束するとしてもWindowsにはLinux、UNIXまたはJAVAのように安定性か
ら開発コストや発展性などさまざまな面での強敵がいます。Windowsが勝利する
保障はどこにもありません。むしろ巻き返しが強くなってきてるほどでしょう。

通信やハイテク関係というだけで高くなってる株価の崩壊は正常化への第一歩。
同時にアメリカの2倍の設備投資で拡大して来た日本の重厚長大産業の株価も適
正以上になるのはヘン。生産と消費と就労の6割を占める一般消費関連の株価が
どこまで上がるか広がるかが経済の目安ですね。


ところでいつだかTVで宮崎哲哉さんがロング・ターム・キャピタル・マネジメ
ントが政府から援助された資金を9割返済できたことを返済できない日本の銀行
と比べて評価してましたが、これはおかしいですね。ロングタームが返済したお
金がどこから持って来たお金なのか全然分析しないでエラソーに語ってる。投票
権に対して等価な投票棄権があると主張したり形式論理の範囲内でしかジャッジ
できない。弁証法論理のように対立する概念が現実的には一方のマテリアルに依
拠してるというリアルな認識が全然ない。だから現実的な解決には全く無力で無
関係。典型的な論壇オタク言論なんですね。サブカルしか語れないのに現実を語っ
たつもりになっているフラットな輩そのもの。発言者である自分の論拠は絶対的
に屹立しうると思ってるその姿は弱さそのものの反映で何だかカワイソーなくら
い。これは保守思想でもなんでもなく自閉した“器官なき身体”が器官があると
幻想してグニュグニュしてるだけみたい。福田和也さんの憎まれ口の上等さどこ
ろかや西部さんのレトリックにさえおよばないんだね。ああ言い過ぎたかしらん?

で、ロング・ターム・キャピタル・マネジメントが手にしたお金はどこから巻き
上げたり吸い上げたりしたお金か? まあ、大前研一さんほか何名かはそれを指
摘してますね。リアルな認識がすべての大前提でないと話しにならないです
よん。



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