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夢の城

― 登場人物 ―

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― 玉井春野家関係者等の系図 ―

主要登場人物

鋳物屋のみや

　市場町の鋳物屋で働いている少女で、藤野の美那、駒鳥屋のあざみ、水鶏(くいな)屋のさと、銭屋のさわなどと友だちである。ぽっちゃりと肥えた娘。「うちの店」というのは、みやが働いている鋳物屋の逸斎(いっさい)の店のこと。

井澄(いずみ)村の松（お松）、つくし

　「町に集う人びと（一）中」に出てきた真綿の着物を着た娘。「つくし」のほうがもとの名で、村名主の井澄家の養女になって「松」の名を貰ったらしい。

駒鳥屋のあざみ

　市場町の織物屋の娘。隣の葛餅屋 藤野屋 の養女 美那 とは幼い頃からの知り合いである。もちろん美那の育ての親の薫とも知り合いだ。水鶏屋のさと、銭屋のさわ、鋳物屋のみやと友だち。つい先ほど、さととみやを送り出したばかりなのに、みやが舞い戻ってきてしまった［街に集う人びと（一）中］。

水鶏(くいな)屋の（宿屋の）さと、おさと

　市場町の宿屋「水鶏屋」で働いている。藤野の美那、駒鳥屋のあざみ、銭屋のさわ、鋳物屋のみやと友だちの少女。弦三郎が本気で好きらしく、前日、藤野の美那に頼んでデートを申しこんだ［何をなすべきか（一）下］。そのことをみやに伝えていなかったため、みやはさとが抜け駆けしたと勘違いして、あざみにそのことを訴えに来た［町に集う人びと（一）上］。

池原弦三郎(げんざぶろう)

　若い武士。若くはあるけれど、玉井三郡の一つ竹井郡の池原郷の名主である。この物語の始まる前の年、村が出水で大きな被害を受けたため、年貢その他の減免などの陳情のために玉井の町に出てきている。前日、藤野の美那から「おさとに会ってほしい」という伝言を受け、承諾していた［何をなすべきか（一）下］。これからさとに会いに行くというときに、いきなり小森健嘉から呼び出され、しかも屋敷にいた同年代の武士たちのうわさ話につき合わされ［町に集う人びと（一）上］、さらに健嘉の話につき合わされた上に美那とデートに行くと思われていてからかわれて［町に集う人びと（一）中］、慌てて駆けつけてきた。

話題としてのみ登場する人物

藤野(ふじの)の美那(みな)

　玉井の市場町に住む少女。十六歳（数え年、他の登場人物も同じ）。事情があって、市場の老舗の葛餅屋「藤野屋」に預けられ、育てられている。あざみの隣の家の女の子であるが、あざみもその素姓は知らないらしい［街に集う人びと（一）中］。浅梨治繁(はるしげ)の門下で唯一の女弟子でもある。牧野郷に借銭の取り立てに行っている［桜の里（一）］。

木玉(きだま)造りの四助(しすけ)

　井澄村の松に自作の安物の簪(かんざし)を琉球から来た品と偽って売ろうとし、みやに見抜かれた。みややみやの雇い主の逸斎(いっさい)とは以前から知り合いらしい［街に集う人びと（一）中］。

この店（藤野屋）のおかみさん

　薫。一人で葛餅の店 藤野屋 を経営している女の人で、美那の養い親。藤野屋は駒鳥屋（あざみの店）の隣である。

（銭屋の）さわ

　町の銭屋で働いている少女。藤野の美那、駒鳥屋のあざみ、水鶏屋のさと、鋳物屋のみやと友だちで、藤野の美那といっしょに浅梨治繁について剣術を学んでいる元資(もとすけ)はさわの雇い主である。この日はさわは美那といっしょに牧野郷を訪れている［桜の里（一）］。

豊路(とよじ)

　井澄村の郷名主らしいが詳細は不明。

奥方

　その豊路の夫人。同じく詳細は不明。

越後守(えちごのかみ)、春野定範(さだのり)

　玉井春野家の当主で、玉井三郡の守護代（守護大名）。

浅梨(あさり)治繁(はるしげ)、左兵衛尉(さひょうえのじょう)

　池原弦三郎、藤野の美那などの剣術の師匠。稽古の厳しさでは定評があるらしい。

弦三郎の従弟

　野嶋(のじま)当四郎(とうしろう)。竹井郡野嶋郷の名主の息子。家を出て市場で博奕(ばくち)打ちとして暮らしている。弦三郎がいま住んでいる市場の家は本来はこの当四郎の家である。

玉井春野家、大民部様、小民部様

　大民部は玉井春野家初代の正興(まさおき)、小民部はその息子で第二代の正勝(まさかつ)。現在の当主 定範（越後守） から見ると、正興は父、正勝は兄である［玉井春野家］。ともに世親寺に葬られている［桜の里（五）1.］。

玉井春野家関係者等の系図

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