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バルセロナ市立劇場 Mercat de les Flors の YouTube チャンネル

[2494] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Mon Sep 28 2:00:55 2009

木曜に観た Cie Michèle Noiret: Chambre Blancheレビューを書く時に、 ダンサーの服装を確認するために映像を検索していて、偶然に、 スペイン・カタルーニャ州バルセロナ (Barcelona, Catalunya, ES) 市立の劇場 Mercat de les FlorsYouTube チャンネル を見付けました。劇場で公演するカンパニーを紹介するための映像を載せているようなのですが、 コンテンポラリー・ダンス中心のラインナップで、これがかなり面白いです。 こんなラインナップの常設の劇場があるなんて羨ましいです。 東京にあったら、迷わず通ってしまいます。

たぶん、コンテンポラリー・ダンスを観たことが無い人にとっては、 このサイトのダンスのレビューを読んでも、どんな舞台なのか、僕が何を面白がっているのか、 わからない人がほとんどかと思います。(文才なくてすみません。) 1分弱程度で観られるようにコンパクトに編集されていて、 初心者向けにも良いのではないかな、と思うので、 この劇場の YouTube ビデオを簡単なコメントを付けつついくつか紹介。 選択と順番には深い意味はありません。 ちょっと目に付いたものを思いついた順で紹介してます。

まず、来日公演もそれなりにある日本でのメジャー所から。 バレエやモダンダンスのイデオムが強いものが多く、比較的とっつきやすいのでは。

地元カタルーニャ出身の振付家といえば Nacho Duato。彼が芸術監督をしている Compañía Nacional de Danza (CND, スペイン国立舞踊団) はもちろんあります。

カナダの高速バレエ La La La Human Steps。 この作品は、彩の国さいたま芸術劇場で去年上演してます [レビュー]。

イスラエルのカンパニー Batsheva Dance Company。 この作品は、舞台と観客席の配置がちょっと面白いです。 この作品ではないですが、去年、神奈川県民ホールに来てます。 チケット取ったのに、入院して行かれませんでしたが……。

ベルギーのカンパニー Les Ballets C de la B。 といっても、これは Alain Platel ではなく Lisi Estaràs が振り付けた作品です。 生演奏の音楽がいい感じです。 ちなみに、去年、オーチャードホールで上演した Patit! もあります [YouTube]。 Patit! はメジャー感が強過ぎてパスしてしまいましたが、 Patchagonia みたいな作品なら観たいなあ。

ベルギーのカンパニー Rosas の、 11月に彩の国さいたま芸術劇場で公演予定の作品。 2003年に彩の国さいたま芸術劇場で公演 [レビュー] した Rain もあります [YouTube]。 このカンパニーのミニマルな感じは、Rain の方が判りやすいかも。

バングラディシュ系でイギリスで活動するダンサー/振付家 Akram Khan が 中国国立バレエ団を振り付けた作品。中国拳法の動きも使ってるのでしょうか。 今や、すっかり売れっ子ダンサー/振付家で、 今年3月に Juliette Binoche と共演する公演がありましたし [レビュー]、 12月には Sylvie Guillem と共演する公演が予定されています。 2年前に彩の国さいたま芸術劇場で上演 [レビュー] した Sidi Larbi Cherkaoui との共同作品 Zero Degree もあります [YouTube]。

フランスのヌーヴェル・ダンスの草分け Carolyn Carlson。 フラメンコ風の所もいい感じです。 Dance Triennale Tokyo 2009 のダンス映像作品特集上映で取り上げられていましたね。 大野一雄フェスティバル2007で来日した時は見逃しました……。

続いて、単独公演ではなく Dance Triennale Tokyo のような所で日本に紹介されるような、 これから注目度が上がりそうなカンパニー。

ベルギーのカンパニー Compagnie Michèle Noiret の Dance Triennale Tokyo 2009 で上演した作品 [レビュー]。

イスラエル出身の振付・演出家 Yasmeen Godder。 Dance Triennale Tokyo では2006年に I Feel Funny Today、 2009年に Singular Sensation を上演しています。 見逃してますが……。

日本で公演したことはないと思うけれども、映像を観てちょっと気になったカンパニー。

地元カタルーニャのカンパニー Compañía de Dansa Sol Picó。 カタルーニャの Michael Clark Company という感じか。

もちろん、コンテンポラリー・サーカスもあります。 どれも生で観たい……。日本に呼んで欲しい……。

綱渡りのみ7人のフランスのカンパニー Les Colporteurs。 田中 未知子 『サーカスに逢いたい』 (現代企画室, 2009) でも紹介されていましたね。

地中海の島、マヨルカ (Mallorca, Illes Balears, ES) のカンパニー Res de Res。 方形のチャイニーズポールと、エアリアルの組み合わせで、いい舞台を作ってそうです。

スペインのエアリアル・ダンサー Fura。 1999年に 大道芸ワールドカップ in 静岡 で来日した際に、 青空の下で観てます [写真集]。 日本では、このようなパフォーマーに大道芸フェスティバルくらいしか場が無いのが残念です。 素晴らしかったなあ……。やっぱり、劇場で観たい……。

コンテンポラリー・ダンスと言っても、ちゃんと子供向けの公演もあるよう。素晴らしい。 それに、そんな公演も楽しそうです。

イタリア・トスカーナ州ピアッツァ (Piazza, Toscana, IT) のビジュアル・シアター・カンパニー Teatro di Piazza o d'Occasione。 舞台に子供を上げたりもしているよう。

スペイン・マドリード (Madrid, ES) のカンパニー Aracaladanza。 可愛らしくも抽象的なオブジェクト・ダンスが、いい感じ。 このカンパニーは子供向けに特化しているようです。

ノルウェーの演出家 Inger Cecilie Bertran de Lis による作品。 こういう、ちょっとベタな子供向け舞台作品が混じっているのが、面白いです。

他にも面白そうなものもあるけれども、とりあえず、このくらいにしておきます。 コンテンポラリー・ダンスの最新動向に詳しいわけでもないですし、 網羅的に全部観たわけではないので、他にお勧めの物があったら是非教えて下さい。 それにしても、メジャーなカンパニーだけでなく、 サーカスや子供向け作品まで含むこういうラインナップを観ると、ほんとにうらやましい……。