ニューヨークの BAM (Brooklyn Academy of Music) でアニュアル・フェスティバル BAM Next Wave 2009 が始まってます。 今年で第27回となるコンテンポラリーなパフォーミング・アーツのフェスティバルです。 公式サイトに作品を紹介する動画も載っていますし、 自分向けのリンク集 & 備忘録も兼ねて、 プログラムの中から気になるものを簡単に紹介。
今年の一番手は10月3日から Robert Lepage: Lipsynch [公演情報 @ BAM]。 動画を見る限り、相変わらずライティングがトリッキーな舞台 [関連レビュー]。 しかし、三部構成で上演時間約9時間とのこと。 The New York Times に載った レビューでは、 “Game on, lovers of theatrical marathons. Or should I say martyrs to theatrical marathons?” なんて言われちゃってます。むむむ。日本には来なさそう……。 むしろ、Sylvie Guillem との共演作品 Eonnagata (2009) が日本に来ないかな……。
10月21日からは Meredith Monk & Ann Hamilton: Songs Of Ascension [公演情報 @ BAM]。 Monk と Hamilton のコラボレーションは Mercy (2002) に続いて。 Meredith Monk & Vocal Ensemble だけでなく The Todd Reynolds String Quartet [関連レビュー] をフィーチャーした舞台、というのが気になります。 数日すると The New York Times にレビューが載るのではないかと。 Mercy 同様にECM からCDが出るのではないかと思いますが、 舞台の様子のビデオも含めてDVDでリリースして欲しいなあ……。
11月4日からは Robert Wilson: Quartett [公演情報 @ BAM]。 Heiner Müller の戯曲、というのが気になります。日本に来ないかなあ……。 しかし、前回来日の Woyzeck [レビュー] の 客の入りがイマイチだったからなー。厳しいかも。
11月12日からは Cirkus Cirkör: Inside Out [公演情報 @ BAM]。 紹介の動画を観る限り、 以前に観た 99% Unknown [レビュー] に比べて、 伝統的なサーカスっぽい印象を受けます。また、来日公演しないかなあ……。 しかし、先日紹介したバルセロナの Mercat de les Flors のラインナップにしてもそうですが、 欧米ではこの手のラインナップにコンテンポラリー・サーカスを含めることが普通になってきてます。 日本ではまだまだ、という感じですが……。
12月9日からは Chunky Move: Mortal Engine [公演情報 @ BAM]。 オーストラリアのカンパニー。今までノーチェックだったのですが、何回か来日していたよう。 照明や映像や駆使した舞台が気になります。今度来日したときは見逃さないようにせねば。
12月16日からは Reggie Wilson / Fist & Heel Performance Group and Andréya Ouamba / Compagnie 1er Temps: The Good Dance - dakar/brooklyn [公演情報 @ BAM]。 どういうカンパニーなのか全く知らないのですが、 ニューヨークはブルックリンのカンパニー (Fist & Heel Performance Group) と セネガルはダカールのカンパニー (Compagnie 1er Temps) との共演、というのが気になります。
と、先日の twitter でのつぶやきを 談話室向けまとめてみました。 ロンドンで始まっている Dance Umbrella 2009 の話の方も、談話室へちゃんと振りたいものです。
ニューヨークの BAM Next Wave 2009 について、 先日した話のフォローアップ。 Meredith Monk & Ann Hamilton: Songs Of Ascension [公演情報] の レビューが The New York Times に出ています。 1980年代の主張の強い感じは無くなっているけどその遺伝子は残ってる、と、評価は若干微妙な感じです。ふむ。
さて、先日ちょっと触れましたが、 1978年創設のロンドンのコンテンポラリー・ダンスのアニュアル・フェスティバル Dance Umbrella 2009 も始まっています。 こちらは 公式 YouTube チャンネル を開設して、 作品紹介、リハーサルやインタビューを公開しています。 やはり、自分向けのリンク集 & 備忘録も兼ねて、プログラムの中から気になるものを簡単に紹介。
第1週の中では、 Cloud Gate Dance Theatre of Taiwan (雲門舞集): Wind Shadow [公演情報]。 舞台美術 Cai Guo-Qiang (蔡 國強) というのが、気になります。 The Guardian に載ったレビューでは星3つ。ふむ。 The Guardian はインタビュー映像も載せてます。
あと、BAM Next Wave 2009 でも 取り上げられている セネガルの Andréya Ouamba と、 イギリス (UK) の Matthias Sperling とによる、 Diplomacy 2 [公演情報]。 The Guardian にはレビュー出ませんでしたが……。 ちなみに、この公演は、 African Crossroads というアフリカのコンテンポラリー・ダンスに焦点を当てた公演シリーズの一つ。 BAM Next Wave といい、欧米ではアフリカのコンテンポラリー・ダンスに注目が集まりつつあるよう。
第2週の中では、オーストリアのカンパニー Cie. Will Dorner の Bodies In The Urban Spaces [公演情報]。 AFPBB News が 「究極の姿勢で1時間、ロンドンに人間彫刻現る」 (2009-10-19) と写真50枚も使って伝えています。 けど、The Guardian はスルー……。 街中で展開したパフォーマンスで、映像や写真で観る限り、ユーモアも感じられてとても面白そう。 大道芸フェスでもいいから日本でもパフォーマンスして欲しいものです。
第3週の中では、イギリス (UK) のカンパニー Shobana Jeyasingh Dance Company の Bruise Blood [公演情報]。 The Guardian のレビューは星3つですが。 名前から伺われますが、芸術監督/振付家の Shobana Jeyasingh は ロンドン在住ながら南インドのタミル・ナードゥ州チェンナイ (Chennai, Tamil Nadu, India; 旧称 Madras) 出身。 最近注目を集めているバングラティシュ系の Akram Khan といい、 南アジア系イギリス人 (UK Asian) のコンテンポラリー・ダンスも元気そう。
第4,5週は今回のトリともいえる Michael Clark Company: New York [公演情報]。 今年の Biennale di Venezia で 初演し、 Edinburgh International Festival でも 上演した、 David Bowie、Iggy Pop と Lou Reed に着想を得たという 1970s rock な新作です。 Edinburgh の時の The Guardian の レビューは星4つと評価高めでした。 ちなみに、The Guardian の “Step-by-Step guide to dance: Michael Clark” (2009-04-27) はよくまとめてあって、お勧め。
Dance Umbrella 2009については、とりあえずこんなところでしょうか。
海外のコンテンポラリー・ダンスの動向のチェックといっても、 フェスティバルやカンパニーの公式サイトをチェックして、 The Guardian や The New York Times のような 有名なニュースサイトに載るレビューを、 他の国際ニュースを読むついでにチェックする程度。 深く専門的にはチェックしてはいないですし、非英語圏のチェックは薄くなりがち。 BAM Next Wave 2009 や Dance Umbrella 2009 のこういった公演に興味があるのであれば ここをチェックすべき、という所をご存知の方は、是非教えてください。
一ヶ月余り前にした BAM Next Wave 2009 と Dance Umbrella 2009 の 話の話の簡単なフォローアップ。 The New York Times や The Guardian へ載ったレビューなど。
BAM で11月頭に上演された Robert Wilson: Quartett [公演情報 @ BAM] の レビュー が The New York Times に載りました。 スライドショー もあります。 カラフルな照明を駆使した舞台は相変わらず。 このレビューで Isabelle Huppert が出演していることに気付きました。 やっぱり、観てみたいなあ。 11月中頃に上演された Cirkus Cirkör: Inside Out [公演情報 @ BAM] の レビュー も出ています。 こちらの評価は Cirque de Soleil と比較されて若干辛めな感じです。うむ。
Dance Umbrella の方では、11月頭に上演したアメリカのカンパニー Mark Morris Dance Group [公演情報] が The Guardian で5つ星でした。 ノーマークでしたが。うーむ。写真で見る限り、ちょっと判り易過ぎるような気がしないでもありません……。 Michael Clark Company: New York [公演情報] の Dance Umbrella でのレビューはさすがに The Guardian に載りませんでした。 ま、Edinburgh International Festival の時に レビュー 載せたばかりですからね。
BAM Next Wave 2009 と Dance Umbrella 2009 で目に付いたレビュー (前に紹介しなかったもの) はこんな所でしょうか。 ちなみに、関連する発言はここにまとめておきました。
パフォーミング・アーツ関連といえば、10月頭に Royal de Luxe: Les Géants Arrivent @ Berlin の話をしましたが、 それについてもここにまとめておきました。
パフォーミング・アーツ関連でもう一件。 現在ロンドンで La Clique というショーをやっていることに、先日気付きました。 サイト等を見る限り、キャバレー+バーレスク+サーカスみたいな舞台のようで、面白そう。 オーストラリアで小さなキャバレーショーとて始まり、 Edinburgh Fringe で注目され2004年から世界を巡回しているよう。 2006年には Cirque de Soleil のお膝元 Montreal で公演していて、 その際のカナダの公共放送局 CBC の紹介は “The Anti-Cirque de Soleil”。 2008年の London 公演の際の The Guardian のレビュー では4つ星と評価高めでした。 今回の London も約2ヶ月も上演するし、人気ありそう。 Cirque de Soleil もいいけど、La Clique が日本に来ないかなー。 自分にはこちらの方が楽しめそうな気がします。