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タイトル画:武川雅寛・白井良明(ムーンライダーズ) |
2002年2月 第2回 「はやくも今年のベスト1(イチ)」 | ||
ここに野郎10人いれば、1本たりとも同じ形のポコチンが無いのと同様、性の仕様も実にパーソナルだと思う。セックス産業をみれば一目瞭然。感じるツボは人それぞれであり、性のニーズもいくところまで細分化されている。例えば、同じコスプレフェチであってもバドギャルスタイルでしか焼えないヤツもいれば、アンナミラーズ命のヤツもいるだろう。裸体より、制服を着たままの女性でないと昇天しないヤツを、少なく見積っても3人は知っている。しかし仕様はどうであれ、相手が女性たとえ男性であっても対象が人なら、まだ個人的には良しだと思う。もしその対象が生き物の場合、つまり鶏・羊・犬・馬・エイ等々、人間には興味が無く、これら生き物バンザイでしかだめ、という者もいるに違いない。まぁイソギンチャクあたり、やわらかく包んでくれそうな分、100歩譲ってわからなくもない。じゃその対象が命宿る生き物じゃなく、ときたとたん、何となく空恐しくなってきたのでもう止めにする。 「殺し屋1」。浅野忠信演じる「ピアスのマ−坊」こと垣原。自虐的ないたぶりに陶酔し、他人の苦痛を糧をする男。性の仕様がサドでマゾであるところがミソ。どちらか一方ではなく、この両刀の具合がいかにも、アブノーマル度を増していると思う。ベタにたとえるなら、野鳥の会に所属しながら、無類の焼き鳥好きの様なものか。永瀬、本木、窪塚、誰もがうらやむこのキャラで、浅野忠信は三馬身リードしてみせた。ぶっちぎりである。劇中、恐怖という奈落の淵にたたずみ、背中を押してくれる人物を探し続ける垣原。筆者はこの作品を、上質のボーイ・ミ−ツ・理想の人よ、として観ることができた。蛇足ながらその「理想の人よ」てのが、1(イチ)という好敵手をラスト、より凄いヤツにイメージでつくりあげた自分自身であった事を指摘するのは、野暮かもしれない。 鑑賞中ゼヒと思った事は、あの裂けまくった口(くち)で私の後頭部をパカパカしてもらいたかった。そう獅子舞のノリでね。 |
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葛城より:「映画は一人で観る事にしてるんですよ」、という返事により流れてしまったが、実は牧口雄二監督を誘いだし、「殺し屋1」を一緒に鑑賞する筈だった。「女獄門帖・引き裂かれた尼僧」「徳川女刑罰絵巻・牛裂きの刑」と、かつてメーターふりきれモノの傑作を連打していた監督に、メーターふりきれモノの最新作を観てもらうと、一体何が起きたのか。実験であり、ケミストリーを期待した。 | ||
(レーコより)「殺し屋1」、私もシビレました。浅野くんは旬の若手役者のみならず、世代を超えて、いろんな人のめくるめく愛憎の対象にされているかもしれませんねえ。三池崇史監督もしかり。この才能、海外で大ブレイクする日も近いような。今年の公開作品は、現在公開中の「DOAファイナル」、そして「カタクリ家の幸福」「荒ぶる魂」と続きます。「アメリ」のイタみはこれで解消されるでしょうか、葛城さん? |
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●甘い生活苦バックナンバー 1月 | ||
※「シネマックスモナムール」(全12回)は、2001年に葛城さんに連載していただいた、熱く濃ゆ〜い、日本映画コラムです。読みたい方は下記バナ−をクリックして、ご覧ください。 |
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