ICP Orchestra のメンバーとして活躍するオランダ (het Nederlands) の saxophone/clanrinet 奏者 Ab Baars が viola 奏者 Ig Henneman と組んでいる duo に ゲストに 八木 美知依 を迎えてのライブだ。 Baars、Henneman、八木 に Phil Minton (voice) と 野口 雅子 (dance) を加えた Floating Worlds というプロジェクトのサブユニットでのライブといった方が適切かもしれない。 休憩を挟んで前半は trio で長めのセッションを、 後半は solo、duo、trio の全組み合わせで短めのセッションを聴かせた (順に Baars - Henneman duo、Henneman - 八木 duo、Baars solo、Baars - 八木 duo、 Henneman solo、八木 solo、trio。 八木 solo - trio 間の演奏は連続)。 短いながら展開も音の組み合わせも多様なライブを楽しめた。
Ab Baars は ソフトな音から強く大きな音まで抽象的ながら様々な音出しを聴かせたが、 今回はソフトな音の方が楽しめた。 例えば、前半最後のソフトな tenor saxophone の緩めのフレーズに、 八木のアコースティックな十二絃箏が細かい高音と緩い低音を添えるような展開。 後半の Baars の clarinet と八木の十二絃箏の duo も、 ソフトな音から激しめの演奏まで楽しめて、良かった。 強めの音の演奏の場合、 Baars - Henneman duo が演奏した Henneman 作曲曲が、 作曲曲のせいか音の出し合いのようにならず、 間合いや飛躍の感じる展開もアクロバティックに感じられて面白かった。
八木 はアコスティックな十二絃箏と エレクトリック (というかセミアコスティック) な十七絃箏と弾いた。 前半の冒頭と後半最後の solo と trio 以外は十二絃箏を弾いたが、 Baars や Henneman の演奏は強く弾きまくるような展開にあまりならないので、 アコスティクな箏の演奏の方が相性良いように聴こえた。