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text by Takawo Nishi


〜98-99シーズン編・その10〜

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4月23日
 朝日新聞や日刊スポーツを見るかぎり、案の定、トルシエ采配への批判記事は見当たらない。きのうの夕刊紙の見出しには「采配に疑問」みたいなのがあった(どうせゲンダイだろう)ようだが。称賛すべきことは称賛し、批判すべきことを批判するというバカバカしいほど当たり前のことが、なぜできぬ。

 明日から旅行なので、次の更新は30日(以降)の予定。バリにはテレビがあり(当たり前だ)、NHKの番組もいくらか見られるらしいが、ユース決勝はどうだろう。頼むから見せてくれ。1万円ぐらいなら払ってもいいぞ。

4月22日
 ユベントス×マンチェスターUをビデオ観戦。もう、ぐだぐだ言う必要はない。すばらしいゲーム。サッカーのある時代に生まれてよかった。きのう日本戦のハーフタイムに、誘惑に勝てずちょっと見たら、あっというまにインザーギが2ゴールを決めていたので、正直、「結局、ユーベか」と諦めていた俺である。ところがどっこい、前半のうちに同点にしていたとは。しかもギグス抜きで。ベッカムは偉いなぁ。ほんとに偉い。クロスはマシンのように正確だし、献身的な守備もできるし。ミーハー感の漂う「人気者」から、「尊敬されるスター」へ脱皮しつつあるような感じである。いずれイングランド代表でキャプテンマークをつけてもらいたい。インザーギは、グレないで頑張ってね。

 一方のバイエルン×キエフは、見なきゃよかったと思うぐらい退屈だった。ま、日本の決勝進出、マンチェスターの大逆転劇というドラマを立て続けに味わった後じゃ、たいがいのものは退屈に見えるだろうけど。だけどキエフ、もっとやれるはずじゃないの? 決勝進出に賭ける執念や野心みたいなものが、ぜんぜん伝わってこなかった。ホームで同点にされた時点で終わっていたということなんだろうか。残念である。

●似てる人シリーズ
マンチェスターのスコールズとスティーブ・マックィーン。

4月21日
 日本決勝進出! 日本決勝進出 !! 日本決勝進出 !!! がおー。
「いくら何でも決勝までは……」という思いと「こいつらにはファイナリストの資格がある」という思いが複雑にからまりあいながらの観戦だったが、いやはや驚いた。そして、疲れた。見てられなくて、後半だけで3回もテレビ消しちゃったよ。「相手のセットプレイはスイッチ消せば入らない」というのが、わが家のジンクスになってしまいそうだ。
 それにしても、ウルグアイはこれまでの相手にくらべて格段に強そうに見えたけど、日本も格段に強くなっていた。本山の突破、すごかったなぁ。永井のシュート、どうして入ったんだろう。

 しかし、勝った勝ったとはしゃいでるだけじゃ、ファックなマスメディアと一緒である。後半の選手交代の「謎」について、納得のいく説明をトルシエか山本か協会幹部から聞きたいものだ。あれで失点しなかったのは、ラッキーとしか言いようがない。むろんDF陣と南の感動的な集中力があったればこそだけど、カメルーン戦の後半やポルトガル戦の延長よりも不安定に見えた。絶対に同点にされると思った。なんで勝ってる試合で、大会中に一度も試していないシステムにする必要があるんだ? たとえ優勝したとしても、あの采配はきちんと検証しなきゃいけないと思う。まだ日本のサッカーは、あれを「結果オーライ」で済ませられるようなレベルじゃないんだから。

 ま、それはそれとして、ここまでトーナメントを勝ち上がったことは、すごく価値のある経験になるんじゃないだろうか。われわれテレビ観戦者まで、「トーナメントの戦い方」を学んだような気がする。16から8、8から4、4から2と、勝つごとに残りチームが半分になっていくことの意味が、理屈でなく実感できたというか。何のこっちゃか自分でもようわからんが、とにかく偉い。

4月20日
 旅行前にちょっとした仕事(まったくないわけではないのである)を片付けようと久しぶりに仕事机に向かったものの、ぜんぜんやる気が出ないのである。明日の夜の過ごし方ばかり気になっちゃってさ。だって、日本×ウルグアイ(BS−1)、ユベントス×マンチェスター(BSのWOWOW)、バイエルン×キエフ(CSのWOWOW)が、たぶんほぼ同時刻に放送されるんだぜ。準決勝だらけだ。どーすんだよ。しかも明後日は朝10時から取材があって、早起きしなきゃなんないし。
 ま、ミュンヘンの試合は翌日の録画中継でいいとして、ライブでトリノとナイジェリアのどっちを見るかが問題である。どっちも、翌日まで待てないぞ。ライブでユース選手権を見つつトリノの試合を録画しておき、立て続けに見るか。ぜんぶ見終わるのは7時になっちゃうな。徹夜で取材に臨めるだろうか。うーむ。取材さえなければなぁ。仮病使って休んじまおうか。そういうわけにもいかんしなー。ユース=翌日の再放送を見る、トリノ=録画して翌日に見る、バイエルン=翌日の録画中継を見る……と、すべてを先送りにして早く寝るってのがいちばん無難かなー。その場合、結果がわかってしまわないように、あらゆるメディアとの接触を断たねばならないが、そんなことが可能だろうか。ヤバイのは、取材からの帰り道だ。「日本決勝進出!」なんて夕刊紙の見出しを見ないよう、駅売店からも視線を逸らして歩かなきゃ。あー、めんどくさい。やっぱ、日本×ウルグアイをライブで見るべきだな。チャンピオンズリーグが夕刊紙の見出しになることは考えられないから。……でもなぁ。第1戦の感動を思うと、トリノは生で味わいたいよなー。しかし、「日本決勝進出!」の喜びをリアルタイムで経験できる機会がこの先あるかどうかわかんないしなー。ああ。悩める35歳。

4月19日
 日本ユース代表、メキシコを2-0で下して初のベスト4進出。見違えるほどいい試合だったぞ。心配されたスタミナも、まったく問題なかった。守りきるためにDFを入れるのではなく、2トップを入れ替えて前線からのプレスにこだわったトルシエ采配も、なかなかオツなものがあった。「なぜ3点目が取れなかった」などというのは、欲をかきすぎというものである。だけど、なんでアジア予選では韓国に負けちゃったの? GKが南じゃなかったから? 本山とか小笠原とか、大会後にはけっこう海外から「買い」が入るんじゃないだろうか。どんどん出てってほしい。ユース世代の強さをフル代表につなげるには、選手が欧州リーグの真剣勝負を経験することが不可欠だと思う。代表で、大相撲の地方巡業みたいな親善試合をいくら積み重ねたって、屁の役にも立たない。
 それにしても準決勝進出というのは気持ちいいな。この際、欧州勢のモチベーションが低くて大会自体のレベルに疑問符がつくことや、トーナメントでアフリカ勢と当たらず、アルゼンチンがメキシコに負けてくれたラッキーなんかに目を向けることはやめといて、素直に喜ぼう。だって、ベスト4だぜ。大会最終日まで試合ができる(負けても3決がある)ってのは、なかなかかっこいいじゃないか。わけあってウルグアイを応援してきた俺だが、もう、そんなことどうでもいいや。でも24日にバリへ行くので、決勝も3決も観戦できないんだよなー。バリって、サッカー中継してないのか。それ以前に、テレビはあるのか。

4月18日
 ペルージャは3-2でローマを撃破。なんとなく調子が悪そうだった中田だが、3点目を生んだラパイッチへのラストパスは見事だった。ああいう勝負強さは、やはり日本人の中では希有なものかも。

 ウディネーゼ×ミランは、前節の前半で引っ込められたビエルホフが奮起の2ゴール。なんかスポ根マンガみたいで不愉快だった。ウディネおよびソサを応援していたという個人的な事情によるものだと思うけど。ウディネーゼは結構ワンダフルなゲームをしていたように見えたのに、終わってみれば1-5の大敗である。ミランのしぶといディフェンスを賞賛するべきか。

4月17日
 誕生日。35歳になった。うわお。このあいだ、18歳の高校生は俺よりも俺のセガレとのほうが年齢が近いことに気づいて、ちょっとビックリした。毎年新人が入ってくるような組織にいると違うのかもしれないが、ひとりで仕事してると、自分の年齢とうまくつきあえない気がする。なんか持て余すっていうか。

 昨夜のポルトガル戦について再び考える。たとえば中田はジョホールバルでの延長後半、相手GKが左腕を負傷した(ほんとかどうかはともかく)のを見越して、向かって右のサイドにシュートを放った。それでいいのだ。たとえば先日の巨人×横浜戦、村田が斉藤隆から死球を受けて退場した後、ベイスターズは遠慮なく打ちまくり、7点差を逆転してみせた。それでいいのだ。ただし、相手に大怪我させておいて、「勝った勝った」とはしゃぐのはどうかと思う。たとえば波留という選手は、1点差に詰め寄る適時打を放った後、塁上でこれみよがしなガッツポーズをくり返していた。この選手、「ぼく、闘志満々で〜す」というケレンが感じられて俺は昔から嫌い(ついでに言うと、「ぼく、いぶし銀で〜す」というケレンの感じられる巨人の川相も嫌い)である。その直後に同点打を放ち、塁上でベースコーチと控えめな握手をしていた鈴木尚の態度のほうが、日本人の伝統的な美意識に適っているのではないだろうか。いや、武士道だろうが騎士道だろうが、それが世界共通の礼儀だと思う。ユース代表はシュートの雨を降らせて120分以内に決着をつけ、淡々とピッチを去るべきだった。素人GKにPK戦をやらせるのは、単純な話、気の毒じゃないか。

4月16日
 5人目のキッカー酒井のPKが決まった5分後にこれを書いている。代表チームのPK戦って初めて見たような気がするけど、こりゃシビレるねぇ。ユースの大会でこうなんだから、W杯でイタリア人やフランス人やブラジル人やオランダ人がどれだけ心臓ばくばくだったか、想像しただけで気の毒になる。それ以前に、延長に入った時点で俺はシビレてたなー。ゴール前の相手FKのときなんか、あんまり怖かったんで、キックと同時にテレビ消しちゃったもんね。10秒後にスイッチ入れたらまだ試合やってて嬉しかった。
 しかし日本、やっぱお人好しである。はっきり言って、俺、ポルトガルに負ける気がしなかったよ。相手GKが負傷退場するまでは。コスタとかソウザとか名前を聞くと強そうだけどね。1次リーグの相手と違って、ちゃんとサッカーやってくれる相手だったから、逆に日本のリズムが引き出されるような感じがして、なんか安心して見てられた。こういうの、業界用語で「噛み合った試合」っていうのかな。ポルトガルはどうせ決定力がないんだろうとタカをくくってたし。あそこにサ・ピントが加わっても点を取られないんじゃないかと思ったぐらいだ。
 ところが素人がGKになった途端、あのナイーブさ。愚妻は「山下の足を攻めなかったラシュワンじゃないんだから」と怒っていた。なるほど。うまいこと言うな。あんなもん、高原のチャージはイエロー喰らうようなプレイでもなかったし、そもそも延長もあり得る試合で早めに交代枠を使いきったポルトガルベンチの判断ミスでもあるんだから、遠慮するこたねーよ。がんがんシュートを打たんか。あんなことじゃ、PK戦でもシュートが枠に行かないんじゃないかと思ったよ。ともかく、1本きっちり止めた南は偉かった。あのPK戦でいちばんプレッシャーかかってたのは彼だもん。素人GKに負けるわけにいかんからな。一方のポルトガルは、とても立派だった。そのガッツをフル代表にも分けてあげてほしいものである。

 ところで、以前から疑問に思っていたのだが、中東やアフリカのサッカー場って、どうして常に通路を人がうろうろ歩いてるんだろう。暑くてじっとしてられないのか? 止まると死ぬ病気でもあるのか(愚妻の説)? やたらみんなトイレが近いのか? スタジアム内を公道が横切っているのか? どうでもいいけど、気が散るからやめてほしいです。

4月15日
 昨夜はナビスコ杯、福岡×札幌(第2戦)観戦。0-3で完敗である。WOWOWは完全に「コンサドーレ復讐劇完結編モード」にしてくれていたが、そんな期待に応えられるようなチームじゃないんだよね、悪いけど。思えば室蘭で勝ったときは、向こうにマスロバルがいなかった。彼がいるのといないのとじゃ、福岡は別のチームだな。しかし相手のことより、札幌はあまりにもひどかった。目を覆いたくなったよ俺は。なんで味方がいないとこにばっかタテパス出すんだよ、おい。10番つけてるアシスって、どうなんだろう。まだ彼のサッカーを他の選手が理解してないのか、彼が下手なのかわからんが、ぜんぜん機能してないぞ。日曜には新潟にも負けたようだし、このまま岡田に任せてていいのかね。監督のせいでヘンに注目されるのが、裏目に出てるような気もする。
 一方、FC東京は2回戦進出。こっちのほうが応援のしがいがあるかなぁ。いや、愚妻の実家が調布なもんでね。スタジアムができたら見に行くのも近くて楽だし、遠くの故郷より近くの実家って言葉もあるしな。ないってば。

 なんか、ある意味すごいことになってるようなんで、たまには見てやろうと思い、巨人×広島(2回戦)観戦。石井は偉いなぁ。打ったから言うワケじゃないけど、4番は石井だってば。清原と石井、どっちがより相手投手の負担になるか、誰が考えたってわかるじゃねーか。たとえ打率は同じぐらいだとしても、「いるだけで仕事ができる」のは石井のほうだ。清原なんか、7番にいたって怖くないよん。あと、槙原が抑えで(1シーズン通して)通用すると本気で思ってるような人は、プロ野球の指導者として給料をもらっちゃいけないと思う。他にいないなら、鹿取、おまえが投げろ。
 開幕戦に勝ったとき、「今年の巨人に監督はいらない」と書いた。長嶋が余計なことせずに、選手が勝手にやってれば個人の能力だけで勝てると思ってしまったのだ。やれやれ。それじゃ勝てないのは、インテルを見てればわかるのにねぇ。反省した。しかし、だからといって監督が動いたらもっと勝てなくなるのは火を見るより明らかである。では、仮に森が監督になっていたらどうかと言うと、やっぱり今年はダメだったような気がするな。長嶋政権が長期におよんだせいで、コレクティブな野球のできる選手が育っていない感じがするから。どっちにしても、今年は監督不要の野球で勝ったり負けたりするしかないと思う。勝負はともかく、清水や高橋の快打に胸躍らせながらゲームを楽しむ(こうなったら、シャンパン・ベースボールだ!)。たまには、そういうシーズンがあってもいいじゃないの。どうせ中日が優勝するんだし。

4月14日
 もう2ヶ月半もまともに働いていないので、脳みそがトロトロになってきた。次の仕事の仕込み(インタビューやら資料集めやら)はいろいろ始まっているのだが、どうも頭が仕事モードに切り替わらなくていけない。このままバリなんか行ったら、脳が耳から出てくるかもしれないぞ。大丈夫なのか俺。
 めちゃめちゃヒマだったのに、確定申告を片づけたのは1週間前だった。だって面倒臭いんだもん。税務署は編集者よりも〆切に甘いので助かる。申告後に税金を納付する人はともかく、還付金を受ける奴は遅れても文句を言われないと知って以来、3月中に済ませた試しがない俺である。

4月13日
 セルタ×R・マドリード観戦。きのうBS−1で途中から見たときはいきなり4-1だったので、どういうことかと思ってCSで前半だけ見てみた。どうもこうもなかった。あれだけフリーでプレイさせりゃ、15分で3点取られてもしょうがないやね。レギュラーDFが3人欠けていたレアルに、来週のラツィオの姿がダブって見えた。どうせラツィオが負けるなら、せめてダビッツがハットトリックでもしてくれんかな。してくれんか。してくれんよなー。ユーベもマンチェスター戦を控えて、本気出してる場合じゃないだろうし。ということは、CLに出られないアンリにとって、ラツィオ戦は自分をアピールする最大のチャンスになりそうだ。ああ怖い。

 1週間前のラ・コルーニャ×A・マドリード観戦。今のアトレチコに負けるわけないと思っていたら、先制されて苦しい展開。何とか追いついてドローに持ち込んだものの、ここで勝ち点3をゲットできなかったのは痛いな。いかにもムラっけのありそうなメンバーで、ほんとうにムラっけたっぷりなところが、ラ・コルーニャの面白いところではあるんだけど。

4月12日
 昨夜、CSで生中継していたダービーマッチ、ラツィオ×ローマをビデオ観戦。たぶん金曜日にBSでやるだろうから結果は書かないけど、ラツィオはミハイロビッチとネスタが退場を喰らい、パンカロとネグロもイエロー累積で次節は出場停止。来週のユーベ戦は、DFが4人とも不在になるという緊急事態である。おいおい。エリクソン監督、いまごろ「イヤな予感」と戦っていることだろうなぁ。困ったもんだ。復活ボクシッチが途中からサラスに代わって登場していた。次の試合、2トップはボクシッチとサラスにして、ビエリはCBで使ったらどうだろうか。意外にやれるかも(溜め息)。

4月11日
 晩飯は、フェットチーネの菜園風(野菜のごった煮ソース)と子牛肉のモッツァレラチーズ包み焼き。パスタのソースは、ホールトマトにケチャップを加える。邪道だが、とてもマイルドに仕上がった。

 ピアチェンツァ×ペルージャ観戦。「守備的な戦い」という素朴に考えれば矛盾に満ちた戦術が成立するのはサッカーだけだと思う。しかし相手の力量に関わらず、サッカーで最初から最後まで「守りきる」のは大変だ。何とかスコアレスドローに持ち込みたかったペルージャだが、終了間際に2ゴールを許して沈没。まさに「眼下の敵」の魚雷を避け損なったというところか。それにしても、WOWOWの大仰なオープニングはどうにかならんもんかね。

 ミラン×パルマ観戦。ここ数週間、明らかに仲間との信頼関係を喪失していたビエルホフに代わって途中出場したガンツが執念の決勝ゴール。ガンツって、「ガンツ」って顔してて笑える。解説が早野さんだったら、きっと「ガンツがガツンとやりましたね」というオヤジギャグを飛ばしてくれたに違いない。俺、早野さんの駄洒落はけっこう好きだったりする。このあいだの「スコアが3-3で、キエフには散々でした」というネタなんか、わざわざビデオを巻き戻して愚妻に聞かせたぐらいだ。ときどき売れない漫才師みたいな派手な衣装に身を包んでいるのも、バカっぽくて悪くない。

 世界ユース、日本×イングランド観戦。この試合、最大の見せ場はイングランドの国歌演奏シーンだった。驚いたなぁ。物凄くヘンな顔の奴ばっかりで。奇面組かと思ったぞ。
 石川のFK、小野のループで2-0と勝ったものの、先制するまでは相変わらず1対1に弱いところをさらけ出していた。日本代表のゲームが見ていて辛いのは、なんか自分自身と向き合っているような気分にさせられるからだ。シュートが枠を外れるたびに、いくら三面待ちのリーチをかけてもツモれない自分の麻雀を思い出したりするんだな、これが。ま、何はともあれグループ1位通過という結果は気持ちがいい。

 都知事選は、石原慎太郎が当選。今回の選挙って、有権者としてポリシーを問われているというより、心理テストや性格判断の類を受けているような気分だった。午前中のJ-WAVEで「富田隆先生の監修でお送り」してる奴みたいな。たとえば、こんな設問が成立するかもしれない。

◎あなたは都知事選でどんな投票行動を取りましたか?
A=石原か舛添か迷った挙げ句、石原に投票した。
B=鳩山か舛添か迷った挙げ句、鳩山に投票した。
C=三上か舛添か迷った挙げ句、よくわからなくなって柿沢に投票してしまった。
D=柿沢か明石か迷った挙げ句、面倒になって舛添に投票した。
E=兄貴だったら鳩山に入れたのに、出馬したのは弟のほうだったので三上に投票した。
F=明石が当選するものと勘違いして、明石に投票してしまった。
G=投票日は来週の日曜だと思っていた。
H=さんざん迷った挙げ句、自分が神奈川県民であることに気づいた。

 これは、いったい何を診断するテストだろう。「あなたの優柔不断度」か? あるいは、「あなたの付和雷同度」か? しかし今回の選挙で、優柔不断でも付和雷同でもない選択肢があっただろうか。

4月10日
 先日亡くなった義理の叔母に線香をあげに目黒へ。ほとんど付き合いがなかったが、もっと言葉を交わしておけばよかった。合掌。結婚式よりも葬式に出席することが多くなった今日この頃である。

4月9日
 ディナモ・キエフ×バイエルン(CL準決勝第1戦)観戦。結果(3-3)を知っていたんで醒めた目で見ていたが、それにしてもクソいまいましいゲルマン魂め。エッフェンベルクのFKは美しかったが、ヤンカーの同点ゴールはめちゃめちゃ胸くそ悪かった。だけどリーチが長いのって得だよなー。あんなの、城や柳沢じゃ届かないもん。
 ところでこの試合、今日の録画放送では修正されていたが、ゆうべ少しライブで見たときは音声が映像より約1秒早く届いていたため、とてもつまらなかった。1秒後に起きることを先に実況されちゃうんだから。音質そのものも昔のオリンピック中継みたいにくぐもった感じで、ヘンに懐かしかったぞ。

 ゆうべ見損ねた妻と共に、オールド・トラフォードのゲームを改めてビデオ観戦。何度見ても素晴らしい。ただ冷静に見てみると、汚いファウルが少なかったのは警告の累積を恐れる選手が多かったからかもしれない、と思った。ところでキーンの「幻のゴール」は、シェリンガムに当たっていたのだろうか。あと、どうでもいいことだが、スタムって格闘家っぽいよね。ヘディングが「頭突き」に見える。ヤンカーとケンカしたら、どっちが勝つかしら。

 深夜、日本×アメリカ(世界ユース)観戦。日本の先制点は、相手のオウンゴールだった。おお、その手があったか。自分で決められないなら、相手に決めてもらう。これが農耕民族的な手法かどうかは知らないが、これならプレッシャーや責任感で自分を追い込まずに済むじゃないか。すばらしい。それにしても、日本人ってお人好しなんだろーなぁ。前半は、相手に合わせてゾーンをべろべろ〜んと間延びさせちゃって、ひたすらロングボールの蹴り合い。テニスじゃねーぞ。さらに後半は、日系4世のフタガキ君にノープレッシャーでシュートを撃たせてゴールをプレゼント。嗚呼、心やさしき若人たちよ。

4月8日
 昨夜、CL準決勝第1戦、マンチェスター×ユベントスをライブで見ようとテトリスに興じながら必死で起きていた愚妻だったが、キックオフ直前に、眠っていたはずのセガレが「たーたん(母さん)、ねんね」と完全に寝惚けた状態でのこのこ起きてきたため、再び寝かせつけているうちに、そのまま一緒に寝てしまった。かなり気の毒。

 俺はBSのWOWOWで録画しつつCSのWOWOWにチャンネルを合わせていたのだが、なぜかキエフ×バイエルン戦が始まったので、頭に疑問符を浮かべながらしばらく見ていたのだが、ふとBSのほうを見てみたら、ちゃんとマンチェスターの試合をやっていたので、慌ててそっちを見始めた。いつもセリエAの中継はBSもCSも同じ試合をやっているのだが、今回は両方を使い分けたらしい。スタジオの八塚アナが、現地に切り替えるときにカードを言わず、「それでは準決勝第一戦をご覧いただきます」と言ったのは、スタジオの部分だけ両方で共有していたからである。ハーフタイムに両方のハイライトをやったのも、同じ理由だ。おかげでキエフの結果もわかっちまったじゃないか。

 そんなことはともかく、マンチェスター×ユベントスは間違いなく歴史に残る名勝負だった。うまい形容詞が見つからない。This is FOOTBALL ! ひたすら興奮し、猛烈に感動した。あれほどの興奮が、22人の生身の人間と1個のボールだけで生み出されるなんて、とても信じられない。最高に濃密な90分。サッカーのある星に生まれて良かったと思った。後半ロスタイム、ギグスのシュートがゴールネットに突き刺さった瞬間、俺は叫ぶことも忘れ、口に両手を当ててわなわなと体を震わせていた。どういうことか自分でもよくわからないが、見ていて怖かったのだ。サッカーに限らず、スポーツの試合を見て「怖い」と感じたのは初めてである。
 ユーベ(およびジダン)は、ずっと死んだふりをしてたのだろうか。久しぶりに、あるべきユベントスの正しい姿を見たような気がする。せいぜいベスト4までと思っていたが、ダビッツやディリービオのことを、もっと信じてあげればよかった。凄い。凄いチームだ。
 マンチェスターは、頼みのベッカムが前半はディリービオに封じ込められて苦しい展開。しかしベッカム、最後の最後に仕事したな。ゴールライン際から、味方を信じて後ろ向きで上げた浮き玉。彼らは、決して揺るがない信念を持ってプレイしているように見えた。彼らが下したインテルとは違い、気迫や闘志が苛立ちに転化することが決してなかった。シェリンガムの鈍くさいオフサイドで主将のゴールがフイになっても、「自分たちは絶対に負けない」と信じていた。それがなければ、完全無欠にさえ見えた堅牢きわまるユーベのディフェンスをあのラストチャンスで薙ぎ倒すことはできなかったに違いない。そして、その信念と勇気を与えたのは、間違いなく地元のファンだ。昨夜、俺は人が何のために拍手をするのかがわかったような気がした。オールド・トラフォードは、地球上でいちばん人間の拍手が美しく聞こえる場所かもしれない。

 アウエーで1ゴールをもぎ取ったユーベが基本的には有利になったわけだが、オリンピアコスとの第1戦に続くロスタイムの失点が気持ちの上では痛いところ。とにかく、このカードがもう1試合見られるというのは、この上ない幸福である。あれだけ激しく、尋常ならざるガッツとプレッシャーがピッチ上で交錯する戦いであるにもかかわらず、汚いファウルがほとんどないのが素晴らしい。俺の記憶が正しければ、イエローカードは終盤に1枚出ただけだったと思う。フェアなファイトをモットーとする母国イングランドの空気が、そうさせたのだろうか。トリノへ舞台を移しても、同様の戦いぶりを期待したい。

4月7日
 昼間っから、札幌×福岡(ナビスコ杯1回戦)生中継を見る。CSに入っててよかった。
 室蘭は雪。なぜかペナルティ・エリア周辺だけ除雪されていて、ピッチ中央部は真っ白。もう4月なのに、黄色いボールでの試合である。ちょっと前まで目くそ鼻くその実力だったはずの両チームだが、入れ替え戦で川崎Fとの死闘を経験した上にJ1でもけっこう頑張ってるアビスパが、前半はまるで格上みたいな(格上なんだけど)戦いぶり。札幌は、コータ吉原が決定機を外しまくる。集音マイクを通じて「センタリングを上げるんだ!」というプロに対する指示とは思えない岡ちゃんの怒声が聞こえてきたりなんかして、「こりゃあかん」感を募らせた俺であった。
 しかし後半、吉原に替わって入った深川が、GK小島が弾いたリカルジーニョのFKを押し込んで札幌が先制。今季初めての先制ゴールであるらしい。やれやれ。その後はいつ同点にされてもおかしくはない攻め込まれっぷりであったが、GK佐藤のファイン・セーブなどもあり、コンサドーレが天皇杯での神戸戦に続く2度目のリベンジに成功した。よっしゃー。
 攻撃はともかく、名塚の加わったディフェンスはけっこう引き締まっていて悪くない。集中力もある。にもかかわらずJ2で失点を重ねているのは、たぶん、札幌の連中に勘違いの「格上意識」があって、川崎FとFC東京以外には楽に勝てるという錯覚があったからじゃないだろうか。何を隠そう、俺自身がそう思っていたのだからして。マラドーナとバルデスがいないんじゃ、とっくに別のチームになっているのだよね。だから、今日みたいに相手が「格上」だと思って戦えば、余計な失点は減るに違いない。そういう意味でも、今日の試合は良い経験になったはずぢゃ。
 あと、札幌の応援団(どうも俺はサポーターという言葉が好きになれない)、"WE WILL ROCK YOU"のサビのメロディで「コーター、コーター、ゴール!」という合唱は、聴いていてちょっとツライぞ。いまの彼は、テーマ曲を与えるほどのもんじゃないと思うし。ついでに言うと、甲子園でPLのブラスバンドが吹いていた"WE WILL ROCK YOU"も聴くに耐えなかった。サビはともかく、あの曲の前半を器楽演奏でやるのはダサすぎる。ま、ブラバンのセンスなんてあんなもんだけどさ。ブラスバンドと言えば、オランダの応援団、試合中に「蛍の光」を吹くのはやめてほしい。ピッチャー交代かと思うから。文句ばっかりである。
 ちなみに(誰も興味ないと思うが)札幌のユニフォームはスポンサー名が前後逆になっていた。胸がサッポロビールで、背中が白い恋人。こっちのほうが、少しは強く見える。
 ユニフォームといえば、代表の新ユニフォームがカメルーン戦で初披露された。ま、毒にも薬にもならんデザインだが、炎にくらべりゃナイスだと思うね。タボン氏には悪いけど。決して愉快なデザインじゃないけど、不愉快ではない。俺にとっては。

4月6日
 悔しさのあまり忘れていたが、昨日はバルセロナ×オビエドも観戦。ずっと周回遅れだったBS-1のリーガ中継だが、だんだんペースを上げてきて、ついにCSを抜き去ってしまった。いつも見ているJ-SPORTSのバルサ戦は明日の放送である。いったい、どういう仕組みになってるんだろう。別にいいけど、だったらシーズン当初から中継できなかったのか?
 試合はリバウドの3ゴールでバルサの楽勝。やはりリバウドは代表よりこっちのほうが圧倒的に存在感があるな。それにしても、ルイス・エンリケの代役にアンデルソン先発とは。途中から出てきたとはいえ、ジオバンニの苦悩は癒されなかったに違いない。
 ところで、バルセロナのシャビがスペインのユース代表だということを初めて知った。なるほど、そういわれてみりゃ、そうだよな。こりゃ、スペイン意外に強いかも。そういえば、ナイジェリアには同じバルサのオクノウオもいた。なんか相撲取りのシコ名みたい(奥乃魚?)なんで前から気になっていたのだが、頑張ってもらいたい。

4月5日
 日本×カメルーン(世界ユース1次リーグ)観戦。1-2で逆転負け。あーあ。なんで右サイドの奴、あんなにフリーにしちゃったのかなぁ。ツライなぁ。アフリカのチームは怖いなぁ。悔しいなぁ。いつもそうだけど、夜中にこういう負け試合を見ると、寝付けそうもなくてイヤだなぁ。引き分けでも十分に不愉快だったのに、負けるとはなぁ。
 愚妻は、「加藤(久)さんがヘンなこと(=せめて勝ち点1は失わないように云々)言うから、やられるんじゃないかと思ってたのよ」とプリプリしている。あー。ツライ。
 いまさら決定力のことなんか話題にしたくもないところだが、日本人ストライカーの欠点は技術的なものというより、ほとんどメンタルの問題だと思う。奴らはゴール前で絶好のチャンスを迎えたとき、「ああ、これ外したら大変だ」と自らを追い込み、精神的にはピンチを迎えているように見えるのだ。チャンスなのにピンチ。少なくとも、GKと1対1になったときに「うへへへ、こりゃイタダキだぜ」と舌なめずりするような図々しいメンタリティの持ち主(アルゼンチンのC・ロペスみたいな奴)は皆無なんじゃないだろうか。そんなことじゃ、練習では入ってもゲームでは入らない。ゴール前で必要なのは息苦しい責任感ではなく、快楽の予感に打ち震えるような解放感だ。
 チャンスに舌なめずりするメンタリティは、たぶん狩猟民族に特有のものだと思う。だとするとこれは文化の問題だから、もしかすると未来永劫、解決することはないかもしれないな。いちばん手っ取り早いのは、狩猟民族を帰化させることだったりして。とにかく、そういう農耕民族的な精神構造を前提にした点の取り方(なんだそりゃ)を考えないとダメだ。
 でも、かっこいい場面もいっぱいあったよな。本山のドリブル突破から左サイドの小野に展開して永井にクロスを当てたシーンなんか、惚れ惚れするほど美しかったよ。あれが入ってれば、ぐっすり眠れただろうになぁ。ま、しょうがない。きょうの負けはトルシエのせいだ、と根拠もなく思い込んで気持ちを切り替えることにしよう。こういうとき、外国人監督は怒りのはけ口として使い勝手がいい。

4月4日
 小金井公園で高校の同級生と花見。久しぶりに花見らしい花見をした気がする。隣に沖縄県人らしき大集団(1クラス分くらいいた)がいて、高校野球の決勝をラジオで聞きながら途中経過を絶叫していた。沖縄尚学の優勝が決まった後は、そりゃあもう歌って踊って大騒ぎ。なぜか豊見城高校の校歌を歌ってたけど。勝って良かったねぇ。負けたら花見が台無しだもんな。見てるこっちも酒が旨くなった。

 高橋、3試合連発で10打点。このペースでいくと、400打点を越えるな。すばらしい。しかし巨人の試合そのものはちらほらと横目で眺める程度で、どうも気合いが入らない。たぶん、サッカーにくらべて試合数がやたら多いからだと思う。考えてみると、たとえばラツィオのファンにとって、地元でミランやユーベやインテルと戦うのは(カップ戦で当たらなければ)それぞれ年に一度のイベントなわけだから、そりゃ気合いも入るわな。

4月3日
 きのうゲットした子牛肉で、ミラノ風カツレツを作る。セリエAの中継が始まってから、縁起でもないものを作ってしまったと気がついた。きょうはラツィオ×ミランの大一番である。そんな日に、ミラノ風カツレツって。しょうがないので「ミラノに勝つ」とか何とか言いながら食ったが、試合のほうはスコアレスドロー。レオナルドが最後まで出ていたらやられていたような気もするから、ま、負けなくて良かったと見るべきか。でも、試合としてはいまひとつ盛り上がりに欠けた。信藤さんは「ミランにとってマスト・ウインのゲーム」と強調していたけど、実際には「負けたくない」気持ちが強かったように思う。ラツィオもだけど。
 ミハイロ&スタンコのユーゴ組は、喪章をつけてプレイしていた。祖国の首都が爆撃されてるときにサッカーするのって、どんな心境なんだろう。想像がつかない。ただ、Tシャツに「PEACE」と書くのは、ちょっと違うような気もした。自分の国が紛争の火種をまいてるのは確かなんだから。NATOの空爆に抗議するのと、平和を願うのは、一見すると似ているようだが、実はまったく意味が違うと思う。

4月2日
 GW前に友人夫婦とバリへ行くことになったので、セガレのパスポートを申請しに都庁へ。いまはどんなに小さいガキでも一人一冊(って数えるのか?)持たなければいけないらしい。署名は親が代筆するのだが、考えてみるとセガレの名前って、口に出して呼ぶことはやたら多いけど、文字で書く機会というのは意外に少ないので、うまく書けなかった。
 帰りにクイーンズ・シェフに寄り、念願の子牛肉を買う。ふつうの肉と同じように切り身がパックに入っていて、なんか拍子抜け。いや、まあ、どういう売られ方を期待していたのかときかれると困るんだけど。ああいうふうに売ってると、「なんでこんなもんが簡単に手に入らないんだ?」と思ってしまうのであった。

 プロ野球セ・リーグ開幕。ガルベス完投、高橋満塁ホームランで巨人が阪神を下す。今年のジャイアンツに、監督はいらない。野手総合コーチは、もっといらないかも。辰徳、なんであんなに偉そうなんだろう。



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