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*** ニュースとして、美容と健康に関して気になる最近の話題を取り上げ、解説します。***
(できる限り、科学的な視点、論理的な視点から解説を試みてみます。)
『おっ、今年初めての話題の回数がちょうど200回とは、区切りが良いですね。さて、毎年の恒例、 今年の抱負です。昨年の4月20日に会社卒業してから1年間の準備期間を通し、いよいよ今年の 4月20日からは本格的な美容コンサルタントとしての起業を始めます。どこと何をするのか、構想は ありますが、今はもちろん、始まっても秘守義務がありますので公表は出来ないでしょうが、商品や 提案が市場へ登場する時は、ひょっとしたら私の名前が出るかも知れません。そして市場の評価に より、私への評価も決まるでしょう。まあ、自立するなら避けられないことですが、そう言う意味でも 今年は最初の大事な勝負の年となります。また、経済環境が悪化している時期なので、なおさら 真の力が試される時だと心しています。』
『ちょっと昨年を振り返ると、昨年の生活習慣美容の普及と私の撮った写真集につきましては、
何とか実行出来たと自己評価しています。今年は、生活習慣美容研究会の組織化を進めていく
ことと、写真集に関しては、これを通じて美しいものを発見したり作ったりする喜びを更に広めて
みたいと思います。継続的な発展ができるようにすれば、きっと今年の目標を下差さえしてくれる
ものと考えています。そう、本格的な稼働の推進要素として、雑誌での連載と、様々な雑誌での
取材協力と、セミナー活動があります。昨年から更に増えていく予感がします。そのことで、私の
主張が少しずつ市場へ伝わり広がって行くことが期待出来るものと信じています。たぶん、お気づきの
ことと思いますが、「載った雑誌」のコンテンツが厚くなりました。しかし、たくさんの雑誌に載れば
良いのではなく、載ったなら載ったということで、私の主張が一貫していなければ意味がありません。
それは気をつけていることですが、ここはひとつ気を更に引き締めて行くつもりです。ということ
ですが、今年もそのような活動をしていきますので、よろしく見守ってください。』
『最近の化粧品のキャッチコピーでどうしてもサイエンティストとして許せないものがあります。 それは「ノーベル賞受賞成分○○○配合」というコピーです。かつて似たフレーズでは「NASA開発 成分」とかありましたが、科学を少しでもたしなんでいる人なら、きっと恥ずかしくて口にさえ出せない でしょう。○○○成分が偉くてノーベル賞を取ったのではなく、○○○成分を研究対象として偉い学者が 努力して得られた成果に対して賞が贈られたもので、もし、どうしてもノーベル賞受賞と言いたければ、 ノーベル賞受賞○○○博士の汗エキスを配合とすれば良いのです。「田中汗エキス」、「益川汗エキス」 とか好きなものを選べます。そもそも生物全体にもいえますね、ノーベル賞受賞「DNA成分」は全員 持っているではないですか。昨年はノーベル賞が日本に強く縁があっただけに、この「ノーベル賞受賞成分 ○○○配合」というコピーは恥ずかしいものがあります。ノーベルさんが生きていたら何と言うのでしょう。』
『このような恥ずかしい錯覚を起こすことは起こるべくして起こったと思っています。それはキャッチ
コピーのインパクトで商品に対する価値を瞬時に判断し、そのハロー効果で何の疑問をもつことなく
その商品の効用を感じてしまうことが増えすぎたからではないでしょうか。有名人が良いという評判を
したからその商品が良いというように思い込んでしまうことも同様でしょう。自分自身の感覚や評価を
素直に感じ取れなくなっていると思われます。これら全てメディアリテラシーの欠如が強く影響している
ものと私は考えています。もっと自分の五感や勘を磨く必要もあるのでしょう。有名人がどう言おうと
自分が良いと思ったら、あるいは好きだと思ったらそれで良く、その良いことを素直に受け止めることが
現代の情報化社会では必要です。そんなことが沸々と「ノーベル賞受賞成分○○○配合」という
キャッチコピーをみて思ったわけです。化粧品の特性を強く訴求したいことは解らない訳ではありませんが
どうも安易すぎるように感じてなりません。恥ずかしい思いから「止めてくれ!」と言うことを止める訳には
いかないのです。皆さんはどうお感じでしょうか?』
『昨年、会社卒業とともに作った植物などの写真集「美光景発見(ガイドブック)」ですが、これに 取り扱い説明書というべき、使用説明書を添付して実験販売をすることにしました。この使用 説明書には自分用だけではなく、親しい人へのプレゼントとしての使用方法も書きました。 どういうことかと言うと、プレゼントをして、この写真集を開き、笑顔や優しい表情がでれば、 その人には美しいものを素直に見て感じることができ、きっとお互いの人間関係がスムーズに 行くでしょうという、心理テスト効果も付けたのです。更に、40枚の写真から好きな写真を 3枚選んでもらい、自分の選んだ3枚と一致する写真があれば、共感性が高いということも できるだろうという仮説です。実際に、私が今まで行ってきた時も、この方法がなかなか良い コミュニケーションツールになっていたのです。気楽にやってみると、その効用、楽しめると 思います。』
『そしてこの写真集をとても気に入ってくれている友人の夏波さんが開いたレンタルドレスサロンで
展示ブースを借りることにしたのです。場所は銀座線の表参道のすぐ近くです。ここは「隠れ家的
スタイル」の会員制ですので、展示ブースを見に行く場合にはあらかじめ予約の電話連絡をとってください。
そして、レンタルドレスサロンの見学も良いのではないでしょうか。アクセサリーも豊富に揃えてあり、
パーティにはとっても便利です。電話番号は03-6804-2087で、担当の南(みなみ)さんに「展示物を見たいので、
行ってもいいですか?」と声をかけてください。また、メールでも受け付けてもらっています。
press@sun-set.jp
担当者の方から折り返しのメールが行きます。写真集「美光景発見(ガイドブック)は書店では販売
しませんので、このように取り扱ってもらえる場所をこれから少しずつ増やしていくつもりです。
なお、本には私のサインも入れてあります。今後の予定としては、私が趣味で作っている陶芸作品も
展示してみようと思っています。ぜひ、表参道に来る機会がありましたら、立ち寄ってみてください。
<完全予約制>
〒107-0061 東京都港区北青山3-5-17 601
Tel / 03-6804-2087 (お電話にてご予約を)
』
『参考までに、このレンタルブースは
夏見夕日さんのブログに紹介されていますので、そちらの方も見てください。』
『今、私のオフイス「ビューティサイエンスの庭」では、女性誌を中心とした取材が、かなりの 頻度で行われています。銀座線、稲荷町駅からすぐ傍にある立地も幸いして、取材する方も 来やすいとの評判です。確かに、美容関係の事務所と言えば青山、表参道が良さそうな イメージで、東上野というとちょっと意外な感じがするのは間違いありません。そして稲荷町は 仏壇屋の集合している町です。私も稲荷町に最初に来た時は、仏壇屋街に驚いたものですが、 それは慣れると聖なる雰囲気もあって気分が落ち着くものです。そして何よりも人の暖かさが うれしいですね。隣の仏壇屋さんとはすぐに仲良くなりました。行きつけの焼鳥屋さんや寿司屋 さんもでき、ランチ、夕食とよく行くようになりました。』
『さて、そのようなオフイス環境の中で取材が行われますが、この一年間で取材を通して感じた
ことは、会社時代には考えられなかったテーマが増えたことです。会社時代は、どうしても
会社の扱う商品が関係する必要があって、テーマは限られていたし、話す内容も、それに合わせて
制限がありました。ところが今は自由度が広がり、社会的な責任は強まりはしましたが、
話す内容の多様性がとっても増えたのです。それは美容コンサルタントを業とする私にとって、
たくさんの新鮮なヒントが生まれる現場ともなっています。有り難いことだと、この環境と現状に
感謝している毎日です。』
『取材に来る方々は、もちろん今までの仕事を通じて知り合った雑誌編集者やジャーナリストの
場合が多いのですが、新たな出会いもたくさんありました。取材された記事がきっかけとなって、
そこから新たな取材も生まれています。そのような新しい出会い、そして何年ぶりかの再会と
なる取材を通じて、また何か新しい活動が生まれて来そうです。改めて「載った雑誌」のページを
見るとその変化に気づくのです。同様のことが私の友人であり、生活習慣美容の研究仲間である
横倉恒雄先生にも言えるようです。今後も、あらゆるテーマで、引き受けられるように、美容と
健康と、そして生き生きとしたライフワークについて、取材を受けることが出来るよう、研究心と
好奇心を磨いていこうと思っています。』
『昨年、ウェブマガジンのOPENERSにブログを持たれている小林ひろ美さんのインタビュー 記事が掲載されましたが、そのご縁で、今年は私も「Beauty Science Eye」というブログを持つことになりました。 ここでは化粧品や美容の本質を科学的に追究し、今までになかったような内容を突っ込んでみる という内容です。毎月1回ほどの更新としますが、そのうちペースがつかめれば更新頻度も変わる かも知れませんが、無理のないように着実に進めることにします。ウェブマガジンとしてのテイストも ありますので、ここでは取材形式として記事にしました。むしろその方が突っ込んだ内容に なりますので、私もその方法に納得しています。取材にあたる女性のジャーナリストの方が 美容にたくさんの「何故?」を持たれているので、それを解消することで記事が構成されて います。 第1回目は4月16日アップで、「化粧水をコットンでつける本当のワケ」という内容です。 ぜひこれからも定期的に見に来て下さい。』
『さてこのOPENERSは、「ハピネスに貢献したい、と考える新しい
ウェブマガジンとして、時代のとびらをひらくカギ、そのカギをもつオウプナーズによる新しい
メディア」というコンセプトの元に数多くの文化人や専門家が記事を書いています。ジャーナリスト、
コラムニスト、アナリストだけでなく、ミュージシャン、ファッションディレクターにクリエイティブディレクター、
そしてエコノミスト、ドクターなどなど。最前線で活躍される人々(オウプナーズ)が執筆、参画
しており、私もその一員として参加した訳です。しかも専門分野以外での発言や活動も活発な、
いわば、見巧者=オウプナーの方々が、ライフにかかわるすべての事柄に積極的に発言して
いく装置、それがオウプナーズというウェブマガジンの機能だということです。世界じゅうの都市が
シンクロしている、シンクロしたがる、私たちの「東京」をそのまま伝えます。つまり、編集のキイワードは
「TOKYO感」と「TOKYO観」だということです。内容も「ファッション」「美容と健康」など6つの
カテゴリーがあり、「美容と健康」では、メイクアップアーティストの藤原美智子さん、ビューティ
ディレクターの小林ひろ美さん、美容ジャーナリストの國藤直子など充実したオウプナーズが
記事を書いています。』
『5月に入ってから、化粧品専門店の若い経営者の方々と話す機会が続きました。中には20年 ぶりに、温泉に入り、美味しい料理とお酒を飲み交わしながら、大いなる夢の実現に向けて、 アイデアや構想を話すなど、元気になる交流が続いたのです。思えば、このコーナーで取りあげて いた「化粧品専門店に行こう」シリーズを書いていた時に思い描いていた構想が、やっと現実的に なって来ていたのです。いや、時代がそのような化粧品専門店を必要にしてきたともいえるのでは ないかと感じています。今年に入って、化粧品業界誌の現代粧業界2月号で述べた、化粧品 専門店は化粧品メーカーから自立して、お客様の為の、商品選びと美容サービスを考えるべきだと いう意見の実践段階に入って来たとも言えます。そうすることで、自由で思いっきりのある店づくり からサービスのアイデアが湧き、実現したくなる訳です。様々なメーカーのしがらみを取っ払うことで、 お客様に満足してもらえるアイデアが生まれてくるのです。』
『このことは、決して、メーカーとの対立でも対決でもありません。むしろメーカーにとっては、
真にお客様が美容の為に求めているニーズやウォンツが見えてくる状況になるのです。特定の
ひとつのメーカーではなく、不特定多数のメーカーにチャンスと競合が生まれてくるのです。
お客様が求めているニーズやウォンツが商品やサービスで実現する時に、それを提供した
メーカーは大いなる喜びの結果を得ることになるのです。一方では、他のメーカーにとって、
それを越えるような商品とサービスを考え、作るチャンスを生むことになります。そのような
お客様の満足度を高めることが出来る上昇のスパイラル風を生むことが出来る環境作りが
理想の化粧品専門店像ではないでしょうか。実は、このようなアイデアを話し合う機械を持ったと
言うことだったのです。この動き、数店の若き化粧品専門店の社長さん達と智恵を出し合う
グループの結成へと続くでしょう。それを強く予感した、この5月です。』
『ちょうど6月12日(金曜日)には日本オリエンテーション主催のマーケティングセミナー、
商品開発大全「コスメティックマーケティング講座ーその@」を私が開きます。ここでも
化粧品専門店の若き社長、中原さんをゲストに呼んで、販売の現場から出てきた、様々な
お客様のニーズについて話してもらいます。商品開発や商品プロモーション企画を担当して
いる方は、参考になると思いますので、ぜひ参加してみて下さい。このセミナーの内容に
ついては、日本オリエン
テーションのHPを参考に見てください。』
『昨日、博多にて日本エステティック協会の九州地区のセミナーに講師として呼ばれ、 行って来ました。テーマは「肌タイプ・肌症状の判別法とスキンケア」で、昨年の6月に 東京で開いたセミナーと同じです。今回は、先月行ったビューティワールド・ジャパンの セミナーで話した内容も一部取り入れて話しました。会場は多くのエステティシャン、 そして学校の生徒さんで満席となりました。とっても熱心に聴いていただき、話す方も 熱が入りました。そしてQ&Aコーナーですが、30分の時間が足りず、セミナー終了後も 質問を受けました。そう、私にとって、セミナーでの質疑応答は大事なコミュニケーションに なっているのです。自分の話した内容も反響がダイレクトに聞けるし、美容情報が どのように伝わっているのか、現実の状況がよく解ります。』
『今回の質問の中で気になったことは、化粧品原料で石油系のオイルは肌に悪いと
言われており、そういった成分を配合していない化粧品を進める業者とか本とかがあるが、
それは本当かどうかと言う質問でした。質問が出た時、会場でうなずく人も多かったので、
現実的に、そのような化粧品を販売する業者の活動があいかわらず活発なのだろうと
推測されました。さて、化粧品原料の中でもオイル成分の開発は安全性と有用性、そして
感触面でも大変進化してきました。化粧品研究者なら誰でも知っているのですが、
市場は違います。石油系原料とか鉱物系原料と言えばドロドロした原油から作られた
イメージや、ガソリンや様々な公害を引き起こした化学合成成分をイメージしている
ようです。いずれにしても体に、肌に良くないイメージがすぐ浮かぶようです。そこで、
いつも私が使うイメージ転換が、ワセリンの話とベビーオイルの話です。特にワセリンに
関しましては、私の若き研究者時代に、様々な安全性試験を行ってきて、安全である
ことを充分に知っていますので、自信を持って話せます。もちろん、安全性と保護性は
充分なのですが、欠点は使用感ですと、はっきり言うことにしています。現代の化粧品は
どのように作られているのか、まだまだ市場には正確な解りやすい情報が不足しています。』
『6月27日に訃報のメールが突然入りました。それは大阪樟蔭女子大学教授の村澤博人さんの 訃報でした。病気療養中であったことは知っていましたが、こんなに突然にお亡くなりになるとは 思ってもいませんでしたので、ショックでした。1948年生まれの村澤さん、私は1949年生まれと、 同年代の良き美容研究仲間でした。私が商品開発をしていた時からポーラ文化研究所で活躍 されていた村澤さんの書籍や論文をよく参照しており、1990年代のある時、顔学会の会場で バッタリ出会ったのが初対面でした。しかし、初対面であるにもかかわらず、お互いをよく知って いて、もう何年も前からの知り合いであったような感じで交友関係を続けてきました。当時は職場も 近く、時々はランチミーティングをして、お互いの目指す研究テーマを語り合ったものです。』
『村澤さんとの共通軸に、美容研究の内容を市場へ還元することがあり、お互いにメディアリテラシー
についても同じ考えでした。そして、村澤さんは諸事情でポーラ文化研究所を辞めて、大阪樟蔭女子大学
にて化粧文化を教えることになり、時々情報交流を行うこととなりました。またJMAN (Japan Make-up
Artist Network)というメイクアップ団体にも特別理事として参加していました。現在私が隔月連載をしている
化粧品専門誌「フレグランスジャーナル」にも連載を持たれていました。美容文化研究に関してたくさんの
情報発信をしてきた村澤さんの若すぎる死は、本当に惜しい気持ちでいっぱいです。研究テーマで
重なる部分については、今後も村澤さんの研究成果を引き継いで行こうと思っています。村澤さんの活動履歴は
2008年までフォローしてありますが、このプロフィール
ページが参考になります。たえず笑顔を絶やさず、いつもお洒落な帽子姿の村澤さんは、
今後も美容文化分野にたくさんの叡智を与え続けてくれるものと思っています。』
『え〜、このタイトルは決して国家予算の話ではありません。ここはビューティサイエンスの庭です から、あくまでも美容科学、特に研究者の話です。そもそも研究は漠とした課題から始まり、好奇心が 後押しをして、たくさんの仮説を出して、有望そうなものから手当たり次第に検証をしていくことが 多いものです。もちろん、優秀な研究者は、手っ取り早く、話題性があり、落とせそうなテーマに絞って 研究をしていきますが、果たして、その達成感はどのレベルでしょうか。私が言いたいのは、世間的な 名声ではなく、研究者本人の達成感、そしてやって良かったと思う満足度でしょう。「話題 207」で 触れた研究者の村澤博人さんは、本当に自分の達成感と多くの生活者にそれを分かち合うことに 生き甲斐を感じていた方でした。私も同じ思いでしたから、やはり、今はその意思を更に強くして、 サイエンティストを貫き通そうと思っています。』
『私は昨年の4月に、会社を卒業し、それ以降は自分が感じていた市場のニーズに応えるべく、
新たな研究テーマに取り組むことを始めました。その中でも、「美」とか「魅力」に対しては、特に
集中して研究を続けています。「載った雑誌」でも紹介していますが、オウプナーズサイトの連載は私の新しくて自由な環境の
中での記事になっています。何のしがらみもなく、今まで感じていたことを取材形式で記事を連載して
います。この連載は、とある美容には初心者のライターの方が担当されているのですが、私は
彼女が思っている素朴な美容の質問や関心事に答えているのです。そして、いつも目からウロコと
言われ、それが記事になっているのです。けっして、唯一の答えとは思っていませんが、このような
話が出来るのも、実はたくさんの無駄に見える研究や調査があってこそ解ったことなのです。
時には、何でそんな無駄なことをするのかと言われ、もっと仕事をしろと言われたこともあるのですが、
この無駄のように見えた研究が、後で多くの大事な気付きをもたらせてくれているのです。だから
言いたいのですが、サイエンティストを目指すなら、大いなる無駄な研究や調査を惜しまないように
してください。そして、上司の方は、そのような部下を、見守り、育んでください。それは、今でも、私自身
に対しても言っていることです。』
『最近の美容記事や商品広告から少し落ち着いた感のある「ミネラル」の言葉ですが、一時期は ミネラルファンデーションやミネラルオイルという単語が賑やかでした。メディアリテラシーの 観点から私は、このブームにはかなり問題視していました。ミネラルは鉱物の意味です。ところが、 印象はずいぶんと違うもので、ミネラルと聞けば体に良いものであり必要な成分となり、鉱物と 聞けば体には悪いものであり体から排出しなければならないものと感じます。おそらく、ミネラルは 栄養学でいう微量必須成分としての栄養素ミネラルが記憶本能に残り、鉱物は体に有害な 重金属類や鉄や銅などの金属素材が記憶本能に残っているからでしょう。その為に、英語のミネラル という接頭語がつけば体に良いものと感じ、日本語の金属という接頭語がつけば体に悪いものと して感じるのでしょう。このことは10年以上も前から、商品開発をしている時に気づいていました。』
『当時も、鉱物由来、すなわち石油系原料が肌に良くないものとして、鉱物油を配合しないことが
安全性の高い化粧品の一条件として大いに訴求され続けていました。そこで鉱物油を英語に訳して
ミネラルオイルとすると、不思議なことに肌に良さそうな印象になることも解っていました。その
理由ではないでしょうが、化粧品成分の全成分では、鉱物油の代表格である流動パラフィンは
表示成分名としてミネラルオイルが採用されました。その後、幾つかの商品では、肌に良いミネラル
オイルが配合されているなどという訴求がされているものが増えていったのは言うまでもあり
ません。そして数年前から100%ミネラル成分から作られている自然化粧品であるというミネラル
ファンデーションの登場です。その商品に使われているミネラル成分の代表格は、ファンデーション
なら必ず使う酸化チタンという白い粉体原料なのです。その他、古くから使われている粉体原料の
大部分は、ミネラル成分なのです。』
『情報化社会の盲点として、言葉のもつ印象がニュースや事件などにより強く記憶に刷り込まれる
危険性を感じていました。私はそれを記憶本能として考えていました。一度記憶本能に刷り込まれると、
なかなか消すのは困難なもので、やっかいなことが多いものです。金属で言えば、公害問題で
悲しい被害者を出した水銀があるでしょう。水俣病の原因は生物により取り込まれ、分子的に有機
化合物となったメチル水銀という有機水銀のことです。その他の公害でもカドミウム、ヒ素、クロムなど
様々な金属化合物が原因として報道され、どうやら金属は体に悪い成分と記憶本能には刷り込まれ
ています。一方では、栄養としてカルシウムを始め、鉄分、マグネシウムなど微量栄養素としての
ミネラル類は、体に必要な成分として記憶本能に刷り込まれているのです。この言葉の印象を意図的に
つかった最近の事象として気になったのが「ミネラル・マジック」だったのです。私は決してこのマジックを
使う気はありませんし、出来る範囲で正しい見解を述べて行くつもりですが、果たして、このブームが
どのような経緯を通っていくのか、見守っているところです。』
『早いもので、今年で第4回目を数える生活習慣美容シンポジウムです。今年のテーマは 「私は快になりたい 〜ハッピースイッチの入れ方〜」と決まりました。日時は10月18日の 日曜日、午後1時から開催で4時30分まで。場所は東京都港区田町駅前の「女性と仕事の未来館 ホール」です。詳しくはシンポジウム案内のページを作りましたので、 そちらを読んでください。』
『生活習慣美容研究会は、毎月勉強会を田町の健康外来横倉クリニックで開いており、
出席者も毎回、15名前後と盛況です。特に昨年来、女性の出席者が活発に提案をするように
なってから、専門のジャンルも広がってきています。研究会の副会長、横倉先生も、数多くの
本を出版され、健康関係の雑誌や新聞から取材も多く、その記事などを読んで、会に参加
される方も増えてきています。さて、今年は、活発度の高まった女性の研究員が主役です。
アンチダイエットカウンセラーの夏目祭子さん、カラーライフスタイリストの大坂和子さん、
ヘア&メイクアップアーティストの永野さち子さん、ビューティフルエイジングプランナーの
谷口文さんと、4人の相互関連をお楽しみいただけたら、きっと生活習慣美容の入り口の
ドアが開くと思います。美容と健康に関心のある方なら、どなたでも気軽に参加出来ますので、
ご都合をつけて参加してみて下さい。今年もお薦めです。』
『この10月18日、快晴に恵まれて第4回目を数える生活習慣美容シンポジウムが開催されました。 今年のテーマである「私は快になりたい 〜ハッピースイッチの入れ方〜」らしく、空も快を感じて 「快晴」になったと思われます。まあ、時空の流れを味方につけたかのようですけど。東京都港区 田町駅前の「女性と仕事の未来館 ホール」は、とっても使いやすく、しかもお値段も格安でした。 また来年もここでやりたいとは、私も含めて研究会員の意見でした。このシンポジウムも含めて 生活習慣美容につきましては、来月に発売されるフレグランスジャーナル11月号の連載に意見を 書きます。その締めくくりとして「生活習慣の中で自ら快適なことをすることで、自然に美しく魅力的 に向上する」ことに賛同している人に参加を呼びかけました。毎年、シンポジウムを迎える度に、 新しいスペシャリストが誕生し、シンポジウムで発表体験をしています。いつも思うのですが、 発表体験をすることで、何か新しい方向性や考え方を得ることが多いようです。』
『さて、私と数人の生活習慣美容研究会仲間で、新しい方向性を探る為に、沖縄県の座間味島へ
合宿してきました。ところが、ちょうどそのころに、珍しく台風が接近して来ました。台風20号です。
その為、3泊する予定だった座間味島は、1泊で切り上げ、那覇に移動しました。その時に、ちょうど
タイミングよく、研究会の仲間で、ライフコーチングをされている紀々さんと時間を共にしました。
会食やレザークラフト、そしてスペシャルコンサートなど、様々なイベントを通し、私も含め合宿仲間は
予想外のヒラメキを得たのです。どうやら、台風とは、私達を導いた、龍神だったのではないかと
思うのです。さあ、これからまた新しい展開を求めて勉強会が進みます。関心が少しでもあれば、
ぜひ、生活習慣美容研究会に参加をお願いいたします。』
『会社を卒業して以来、今までとは違う美容業界人と出会う機会が増えてきました。そして素敵な 生き方をされている多くの方々との意見交換は、今の私の元気の基であるし、楽しみになって います。そして、この業界で素敵な生き方をしている人の条件を、発見したというか、気づきました。 それは、ほとんどの方に、美学センスを感じることです。実際に趣味に何らかの芸術活動を されていたり、観賞したりして、それをさりげなく仕事に生かしている場面をみてきました。特に、 器用であるとか、不器用であるとか関係なく、とにかく好きでしていることが多いと感じました。 美学センスというと、合うとか合わないとかなりやすいのですが、そうではなく、そのようなセンスに 出会うと、私の方も「良いな」と気持ちが快適になるのです。そう感じた時、私はまた何らかの 美的なセンスを、少し分けてもらったような気持ちになるのです。ひょっとしたら美容とは、自分 自身だけの問題ではなく、人に何らかの良い影響を与えるものかも知れないと思うのです。 それ故に、美容は人間社会に於いて必要なもので、無人島に行って一人だけになったら不要の ものになるのではないでしょうか。』
『会社にいる時は、否が応でも組織人としての意識があり、一人だけの行動が解りにくかった
のですが、会社卒業して、一人のオフイスで活動を開始してから物事や人との接点が変わって
見えてきたように思います。以前、「人は人により磨かれる」と書いたことがありますが、まさに
そのことを目の当たりにすることが増えました。特に美容業界では、美学センスをもっている
方との出会いが、その思いを強く感じています。美学センスは個性的、独創的であっても、決して
排他的ではないものの方が素敵に感じます。また押しつけるような圧力も感じなくて、自然に、
心地良く感じる場合の方が素敵に感じるように思います。』
『この数ヶ月、今年の新製品を振り返ってみて、傾向や来年の予測に関する取材も多く ありました。私の新製品に関する情報源は業界誌、女性誌、新聞、そして新製品発表会 ですが、全て網羅をしている訳ではありません。その中で、意外と重視するのが美容仲間や 取材で来て頂いた美容ジャーナリストや編集者からのコメントです。取材されながら、 逆取材のような感じで話を聞きます。そうすることで、私のコメントが客観的な視野に 少しでも立てると思っていますので、あえてそうしています。そのような取材があるから こそ、業界の動向も見えている状況です。本来なら、もっと多くの新製品発表会に出かけて いくべきでしょうが、招待されることが増えたとは言え、やはりまだまだ全体を把握するには 少ない状況です。ただし、以前会社に勤めていた時よりは、遙かに新製品情報に触れることが 増えて、新たに気づくことは多くなりました。美容コンサルタントをする上で、この体験情報は 心強い限りです。』
『さて、そんな取材状況の中で、いよいよベストコスメについての問い合わせも出始めました。
よく女性誌に、美容ジャーナリストや美容家による選出でベストコスメの特集記事が企画され
ますが、そのメンバーの中にはまだ入れませんが、いずれは入れるように努力はし続ける
つもりです。しかし、現在連載を持っているウエブサイト「オープナーズ」に於いては、
「2009 COSMETIC OF THE YEAR 特集:美容業界のカリスマ8人のベストコスメ」という
企画のメンバーに選ばれて、各カテゴリーのベストコスメを選定理由と共に答えました。
全ての新製品情報を網羅はしていませんが、出来る範囲内で、選びました。私の選定基準は、
企画コンセプト、新製品の業界へのインパクト性、そして使用者にとっての使用感と効果
実感ということに絞りました。あと、新製品発表会に呼ばれていなくても、気になる商品は
購入またはサンプルで入手して使用感などを確かめて選んでいます。とくに女性の立場での
使用感や新製品情報については、私と現在一緒に仕事をしている女性のサイエンティスト達の
協力で補っています。ということで、来年は、より新製品動向の感度を高めるべく、毎日の
活動をしているオフイス「ビューティサイエンスの庭」です。』
『2009年のビューティサイエンスの庭は美容コンサルタントとして確実な一歩を歩んだ年 でした。昨年4月に会社を卒業して1年間の勉強期間を経て、今年の4月21日から企業に 対してコンサルタントを始めました。この不況期にクライアントが来てくれたことに、心から ありがたく思いました。いずれのクライアントも満足行く結果を出せたと思います。市場へは 来年に出ますので、その時に明らかにしようと思っています。これらの縁は、すべて今までの 人間関係からつながったものでした。』
『それからビューティサイエンスの庭のチームも一人のビューティサイエンティストが加わり、
マネージャーと合わせて3人の体制になりました。やはり一人ではなかなか回らない仕事が
増えて、ようやく途切れのない仕事が出来る状態になり、複数の仕事も行えるようになりました。
この縁はセミナーでした。セミナー受講者と言えば、今年もたくさんのセミナーを開き、そこから
また新しい縁が次々に生まれ、来年につながる期待が大きく膨らみました。嬉しいことです。
またタイミング良く、オフイスの上の階が空きましたので、そこを借りてスペースも増やせ
ました。ちなみにその部屋は「ビューティサイエンスの庭 研究室」としました。少人数のセミナーや
簡単な実験も出来るようになりました。ということで、来年はミニセミナーもこの研究室で
バンバン開く予定です。オープンセミナーあり、パーソナルセミナーあり、といろいろ考えて
いますので、その際はこのHPにて告知することにします。』
『あと、メディアリテラシーは、私にとって重要なテーマですが、今年もたくさんの雑誌や
セミナーで、そのことを意識して発言しました。おそらく、美容専門の人間としてのメディア
価値も認知され始めたものと感じています。取材に当たったジャーナリストの方々に、そのことを
理解して頂き、連鎖反応的に続けて行けそうです。2月にはフレグランスジャーナル社から
「化粧品成分ガイド 第5版」も発売され、来年にも出版が控えています。この1年間、メディア
活動の充実は来年への大きなステップになりそうです。』
『最後に、もうひとつの活動である、故郷での美肌野菜園について報告します。3年目になり
ますが、やっと収穫のメドが立ったストロベリートマトも多少の事故があったにせよ、順調に
育っています。今年はサフランにも手を伸ばし、アーティチョークも何とかなりそうです。そして
一番嬉しいことは、畑の管理人である、一人暮らしの母が、とっても元気になったことです。
と、このように多くの人に支えられ、自然界の生物にも支えられ、2009年を感謝の気持ちで
終えることを、とっても幸せに感じています。そして、新しい2010年を迎えます。』
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