*** ニュースとして、美容と健康に関して気になる最近の話題を取り上げ、解説します。***
(できる限り、科学的な視点、論理的な視点から解説を試みてみます。)
『今年の後半からやたらに目立つ「白金ナノコロイド」関連の商品についてのTVや雑誌の広告、 インターネットでの広告やブログでの書き込みです。これもメディアリテラシーについて考える 良い素材だと思いますので、今回は「白金ナノコロイド」について私が入手できた資料を基に 考えてみたいと思います。これは決して「白金ナノコロイド」関連の商品について否定をしている 訳でありませんので、先にこのことを述べておきます。現在の私は肯定も否定もできないと 考えています。』
『まずブームの背景ですが、これだけ取りざたされているには幾つかの要素があると考えられ
ます。グーグル検索サイトで「白金ナノコロイド+科学」を検索したところ30,800件ヒットしま
した。(2006年12月19日午前4時)ヒットしたサイトの情報からブーム要素を私なりにピック
アップすると、「白金は錆びない」「開発者が東京大学の教授(現役)」「ナノテクノロジー」の
3つが気になった要素です。これらの要素から考えると最先端の技術で生体に良さそうな作用を
もたらしてくれる画期的な素材であるとを強く訴求できると考えられます。ところが「白金ナノ
コロイド」に関する元情報源は意外と少ないことにも気がつきます。確かに特許出願の素材や
技術であるとされていますので、公開されている情報も少ないでしょうし、多くの研究者によって
追試や検証がされる状況ではないのでやむおえない現状であるともいえます。それからマーケ
ティング的な観点からブームをみてみますと、「白金ナノコロイド」を採用したメーカーが宣伝
広告を盛んにする大手企業であったことです。そこが市場認知の口火を切り、さらに中小様々な
企業が追従して市場を構成するのも過去の事例と同じ経緯をとっている感じです。』
『さて、具体的に公開されている「白金ナノコロイド」の検証情報がありましたので、それについて
私なりの考えを述べてみたいと思います。ロート製薬のプレスリリースがそれですが、「白金ナノ
コロイド」を配合したスキンケア製剤を発売する時に発表されたものです。(http://www.rohto.co.jp/comp/news/?n=r060419
サイトを参照) このリリースでは、一般によく知られている抗酸化成分
であるポリフェノールに対して「白金ナノコロイド」は実験対象の活性酸素2種類全て消去したという
データと、配合スキンケア製剤を20名の被験者に8週間の使用試験をしてシワの本数と角層水分量を
計測し、共に優位な有効性を見たというデータが記載されています。ただし使用試験においては
「白金ナノコロイド」を配合していない対象品との比較検証が行われていないので、科学的な有効性の
検証データとしては完全ではないと思います。また、活性酸素に対する消去実験も対象のポリフェ
ノールは何を使ったのか不明だし、実験に使った配合量(濃度)も不明ですので、このリリースからは
有効であるのかどうなのか私は判断できませんでした。つまりこの情報からは「白金ナノコロイド」が
有効のように一見思えますが、冷静に考えると果たして配合した意味性があるのかないのか判断
つかないのが私の見解です。』
『また松下電工株式会社の資料としては、2006年5月に開催された第28回日本フリーラジカル学会
学術集会で発表された内容がサイトで見つかりましたので、その情報について考察してみます。
(http://www.mew.co.jp/corp/news
/0608/0608-6.htm サイト参照) この情報では3つの検証がされて
います。1番目は白金ナノコロイドが発生する商品の蒸気中に白金の微粒子が電子顕微鏡で確認
でき、大きさが3ナノメートルとナノサイズであったことです。ただし、白金ナノコロイド粒子がどのくらいの
含有量であったかどうかは不明です。2番目は正常ヒト皮膚線維芽細胞の培養実験による検証で、活性
酸素のある状況で「白金ナノコロイド」を含む蒸気捕集液を添加した場合には高い生存率だったという
検証です。この検証については生体における抗酸化能力との関係がどうなのかよく判りません。3番目は
皮膚科医の川島淳子先生による被験者8名による8週間の使用実験です。この場合は「白金ナノ
コロイド」を発生するスチーマーと発生しないスチーマーを用いた二重盲検試験が行われています。
但し実験は左右のどちらかが「白金ナノコロイド」でもう一方が対象品という条件でした。結果は「白金
ナノコロイド」発生スチーマーの方がほうれい線のシワの長さが短くなったということでした。公表されて
いるグラフを見たところ8週間後の平均値では確かに「白金ナノコロイド」発生スチーマーのほうが約20%
短くなっているのに対して、対象は約7%なので効果性はあるように見えますが、データーのばらつきも
プラスマイナス20%前後あります。私の見解では優位性であるとは言い切れない結果だと考えて
います。』
『今回はかなり長くなりましたが、メディアリテラシーを考えるためにはこのくらいは取り上げないと
不十分になります。もちろん、これでも充分とはいえないでしょうが、冷静に「白金ナノコロイド」関連商品の
ブームを考えることへの参考になるのではないかと思っています。現状では、私は「白金ナノコロイド」の
有効性については肯定も否定もしかねます。という考えなので今後の市場動向や反響を静観してみたい
と思っています。』
『この数ヶ月、私の頭の中でこびりついている質問があります。10月に行われた生活習慣美容研究会の第2 回目の勉強会で出された質問です。「あなたにとって化粧品とは何ですか?」という投げかけは、化粧品が 大好きな大学生からでした。この質問は私がこの数年間考え続けていることだったのです。「化粧品は薬 ではない。化粧品は化粧品である。」と最近ではこのように言うことが多くなりました。だからこそ、毎日の 習慣として肌に合う化粧品でお手入れを続けることが、若々しく美しい肌を保ち、魅力も増していくのです。 けっしてシミやシワなどの老化のサインを奇跡のように消し去ることはないと、言っています。』
『そう考えてみると薬事法に定義されている内容が、実に良くできていることが解ります。薬事法第2条第3項
には「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、
身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する
作用が緩和なものをいう。」と書かれ、これが化粧品の定義になります。簡単に整理すると、皮膚や毛髪などを
健康に保ち美しくするために付けるものとなります。そして作用が緩和であるとは副作用が無く、使い続けて
いくうちに効果がわかるものという解釈をしています。このあたりの解釈になると、人によって多少の違いも
出てくる訳ですが、現実に化粧品の開発をして、多くの使用者の意見や実態を見ていると、ある程度の事実に
基づいた考え方ができると思います。』
『さて、冒頭の「あなたにとって化粧品とは何ですか?」という質問が衝撃的なのは、法律的に、或いは科学的に
化粧品が定義されようと、使っている本人にとってどんな意味、またはどんな目的があって使うのかという自分自身
に対する投げかけだからです。言わば本音の化粧品に対する定義だからです。私にとっては、化粧品は肌を
快適に保つために欠かせないものであるし、他人に不快感を与えることなく、若々しく健康的に見える外見を
つくりだす必需品と思っています。その結果、年齢よりも若々しく見えれば良いと思っているのですが、周囲の
反応は、ほぼそのようになっていると思っているので、私にとっては化粧品は化粧品として役立っていると考えて
います。』
『最近はメイクアップについても関心が高くなってきました。仕事の関係も大いにあるのですが、 化粧というものを絵画を描くことに例えるようになってからです。魅力を演出するにはスキンケアから メイクアップ、ヘアスタイリング、そしてフレグランスまでトータルで観る必要性をとても強く意識する ようになりました。さて、今日はそのうちメイクアップについて考えてみます。私の観察フィールドは 通勤途上の電車の中、駅、そして通勤路ですれ違う女性と我が娘達が主体です。』
『一言で言ってみれば、その人の個性を生かしているメイクアップと、逆に個性を消しているメイク
アップに分かれているように見えます。たぶん同じように流行のメイクを取り入れても、自分の個性、
或るいは自己表現として魅せたいところを演出している場合と、単にそのまま使って自分の個性を
消してしまう結果になっている場合があるのではないでしょうか。友人のメイクアップアーティストの
何人かにこの話をしても同じような答えが返ってきます。彼等も仕事でメイクアップのアドバイスを
することがあり、アドバイスするには雑談をしながらお客様の魅力を見つけ、お客様自信にそれを
気付かせてから本格的にメイクアップのポイントを教えると言っています。この辺については「てぃが」
さんのページ「化粧師の徒然」でも書かれていましたが、まさにその通りだと思います。また、衣服の
着こなしにも通じるところがあるでしょう。』
『私の考えるところでは、個性を消してしまうメイクアップとは、メイクアップをする心構えに原因が
あるのではないかと思います。つまり流行のメイクアップとか、自分の属している社会集団の中で共通して
いるメイクアップをすることによって、同じ仲間となる安心感を求めているからではないかと思うのです。
もちろん、職場のルールのようなものもあって自分勝手は許されない場合もあるでしょう。しかし、そこに
だって自分の魅力をさりげなく出す方法もたくさんあるように思われますが、そのことに対する努力が
少ないのではないでしょうか。まあ、このことはメイクアップだけに限ったことではなく、ダークスーツで
無難なネクタイを制服化して個性を消しているサラリーマンにも通じることだと思います。そう、メイクアップも
服装も、果てはヘアスタイルも同じことが言えるのでしょう。ここにトータルでファッションと自己魅力実現の
為の努力とチャレンジが必要とされるのでしょう。そういう私も、どこまで努力をして、チャレンジをしている
のかと言われますと、「ええ、まだまだ・・・」と言わざるをえません。』
『今私が言えることは、出来る範囲でよいので、どこか自分の個性的魅力をより引き立てる為のメイクアップを
いつもチャレンジ精神で考えることは、年齢を超えて魅力を増すことができる一つの方法だと思っている
ことです。また、このことについてアドバイスをしてくれる場所や人を見つけることも大いなる助けになると
思います。』
『10月26日の第4木曜日に生活習慣美容研究会の勉強会、2回目を開きました。今回は 前回の勉強会で提案された「大人向けの美容」を考えることがメインテーマでした。事前に ミクシィのコミュニティで活発な意見交換がなされ、それを元にしたキーワード集を元に それぞれが意見を述べるという形で勉強会は展開しました。キーワードは140件もあった のですが、その中でテーマに最も感応したキーワードを選んでもらいディスカッション していきました。お互いの意見を尊重しあうなか、また新たなキーワードが出されたり、 次なる課題も出され、今後の勉強会の展開も楽しみになりました。』
『勉強会は2時間で軽食をとりながら和やかな雰囲気で開かれています。健康外来サロン
横倉クリニックの雰囲気も暖かい空間なので勉強会も和むのでしょう。その様子をじっと
見守ってくれているワンちゃんも勉強会の仲間のようです。2時間の時間なので、まだまだ
意見を言い足りないことも当然なので、この勉強会はミクシィのコミュニティで再び書き込み
を行うことで続けられるのです。継続的な勉強会を行うには、ネット上での意見交換と、実際に
お互いの顔を見ながらの意見交換を組み合わせることが良いのではないかと以前から考えて
いました。今回は2回目でしたが、どうやら生活習慣美容研究会の勉強会もこのように
習慣付いてきたようなきがします。今後の展開も楽しみにしてください。第3回目の勉強会は
11月30日(木曜日)に開かれます。』
『2回目の勉強会の中で新たに湧き上がったテーマについては、ミクシィのコミュニティで
今度は会員の皆さんが自主的にそのテーマをトピックに取り上げて展開する方法をとることに
しました。既に数件のトピックが立ち上げられて活発な意見交換がされています。もし
生活習慣美容研究会に関心がある方はミクシィのコミュニティで「生活習慣美容研究会」と
いうキーワードで検索して参加承認申請をお願い致します。また、第2回目のシンポジウム
ですが、来年の6〜8月をメドに開催する予定とすることも決まりました。詳しい内容は後日
案内ページを立ち上げますのでお楽しみにお待ち下さい。』
『久々にこの特集です。今回ご紹介するのは神奈川県平塚市にある化粧品専門店「ミノヤ」さん です。お客様に日頃の疑問に対して専門家の立場から解りやすく話して欲しいということで、 サロン形式のセミナーを開くことになりました。場所はお店のある駅ビルの一室をお借りして 開きました。天候にも恵まれて時間通りに集まっていただき、時間を充分に使っての対話 形式のサロンになりました。13時と16時の2回開催ということで素敵なテーブルフラワーを 前にして楽しく、そして美味しく話が弾みました。』
『会の雰囲気を中心に写真をコラージュしてみましたが、出席者の皆さん全員の質問に
答えていきました。中でも多かったのは洗顔やクレンジングに関する質問でした。確かに
女性誌やTVの美容特集の影響が大きいのでしょう、正しい洗顔やクレンジングの基本
知識を話して誤解と不安を解消できたものと思っています。このような対話形式のサロンを
進めていると、お客様の聞かれている態度や質問のしかたから、「ミノヤ」さんは日頃から
お客様の質問に丁寧に答えて頂けるお店だと感じ取れました。やはり化粧品専門店は
美容のホームドクターであれという私の考えは、お客様の話をよく聞き取っていることが
当たり前のように出来ているのだなと改めて思いました。皆さんの近くには、このような
美容のホームドクターと言うべき化粧品専門店がきっとあるはずです。ぜひ捜してみて
美容に詳しい人から直接相談を受けることをお奨めします。』
『今回のサロン形式のセミナーではテーブルフラワーのコンセプトが非情に要になり
ました。会話の中でもアクセントにこの話題を取り上げて楽しい雰囲気と親しみやすさが
強まったのではないかと思います。このことから、日頃話をする時でも、何かこのような
話題を助けるツールがあると便利であることを実感しました。』
『8月6日に開催した生活習慣美容シンポジウムですが、その後定期的に勉強会を開くことに しました。その第一回目を9月28日に健康外来横倉クリニックのサロンで実施しました。 15名の出席者があり、シンポジウムの感想から生活習慣と美容について各自の意見を 自己紹介を兼ねて話し合いました。勉強会の第一回目は今後どのようなテーマについて 研究し合うかそれについての意見を募ることが目的でした。午後7時30分からの2時間も あっと言う間に過ぎてしまい、まだまだ意見を言い足りない方も多数でした。しかし限られた 時間にお互いに顔を見ながら意見交換することに意味がありましたので勉強会に出席されての 満足感は高かったと思います。』
『さて、勉強会は毎月一回定期的に開くのですが、意見交換は続けていきます。それが
ミクシィ(Mixi)で開いている生活習慣美容研究会のコミュニティです。今後勉強会で
取り上げるテーマについて書き込みをすることで意見交換が活発に行われています。
もし関心がある方はミクシィのコミュニティに参加してください。このコミュニティは
非公開の設定にしてありますので、意見は会員のみに公開されています。遠方から
勉強会に参加される方もいらっしゃいますので毎月一度が適切な開催頻度と思います。
その中で意見が常に交換できるようにしたかったので、ミクシィのコミュニティは
非常に便利なツールとなっています。』
『勉強会のテーマとしては、現在「大人向けの美容」ということをきっかけに様々な意見が
かわされているところです。今後はどのように発展していくのか予測は付きませんが、
おそらく様々なテーマが出されて、一つに絞り込まれたテーマについ徹底的に研究を
していくのか、或いは数件のテーマについてそれぞれチームが出来、チーム体制で
研究がされていくのか、それはなりゆき次第だと思っています。いずれにしても現在
39名のコミュニティ参加者がいますので生活習慣美容の研究は根付き始めたと感じて
います。それから2007年の2月には第二回目の生活習慣美容のシンポジウムを
開くことも決まりました。また詳しいスケジュールや内容は決まり次第告知していく
予定です。』
『2005年8月3日にここで取り上げた「見る美容法(その1)」ですが、今回は1年ぶりに続編を 書くことにします。このテーマは今も追い続けているのですが、最近一つのキーワードがくっきりと し始めました。それは「美直感」です。同じ美の対象を見ていても、ある人はその対象に美を感じ、 またある人は何も感じ取らないことはよくあることです。私が知る限りにおいて、美を強く感じ 取れる人は、その人自身にも強い魅力があることが多いように思います。これは仮説ですが、 見慣れた対象にも新鮮で美しいものとして観ることが出来る視点を持つことは、そのこと自体が 美に対するヒントを身につけて自ら実践したり、あるいは仕事や趣味に活かしたりするように なるのでしょう。私は、そのような力を「美直感」と呼ぶことにしています。』
『美直感を自然に強く持っている人は意識しなくとも、そのような感が働らき、新たな美しい
ものを発見するたびに美直感を強化しているのではないかと思います。その美直感は人に
よりセンスが異なっていますので、美直感の鋭い人と話をしたり、何らかの美術品を観たり
して話していると様々に触発されることもよくあります。美直感は誰にでもあり、鍛えることで
強めることも出来るものであると思います。でも、そうする為には意識する必要があるので
しょう。それが見る美容法であると私は考えています。』
『美直感を鍛える為の見る美容法は、芸術の秋にふさわしく、大いに芸術を観て楽しむこと
ではないかと思います。そして趣味として何らかの芸術に取り組むことも良いでしょう。
私の場合は、写真と陶芸が現在取り組んでいるものですが、ジャンルを問わず、手段を
問わず何でも方法は良いのだと思います。美しい作品をみて美しいと感じることや、
今まではそこに美しさを感じなかった作品が、見方を変えることで、新たに美しさを感じ取る
ことが出来ることも良いでしょう。そこには作品の作られた背景を知ることで今まで感じたことの
ない美しさを感じることがあるかも知れません。作品に付けられた題名や、作者の話題、
その作品がそこにある理由、これら全ての情報が美を感じ取るためのヒントなのです。
そうして美に対する感度を高めて、美直感が鍛えられるのではないでしょうか。そして気づかない
内に自ら美直感が反映されて魅力度を高めていくことにつながると私は考えています。』
『どうも最近気になるブームが「酸素」です。前回のテーマ「メディアリテラシー」について 早速、近々の事例になっています。メディアの全てが現代人は酸素不足であるという前提で 酸素を補給することが良いかのような流れです。手近には酸素バーなるところで鼻にチュー ブを差し込んで疲労回復をするというシーンが見せつけられています。ウィキペディアでも 確認してみましたが、1980年代後半に一度ほど酸素バーがブームになっています。 私も当時のことを覚えていますが、今回は約20年ぶりのリバイバル現象と言えるでしょう。 最近のブームに拍車がかかったのは、今夏の高校野球大会で優勝校の早実高校の選手が 試合後に酸素カプセルで疲労を回復させ連戦に耐えてきたという話からだと思います。まあ、 今年の大会では純粋なスポーツというより、やれハンカチだ、酸素カプセルだとか横道的話題 の方がメディアに取り上げられ、実はそこから商売のブームをしかけようという流れがとっても 気になります。』
『確かに激しい運動をして酸素を補給し体内の酸素負債を解消するというシーンはスポーツ
競技会では見慣れたシーンです。しかし、通常の生活をしている人までに酸素不足の警告を
して、わざわざ酸素を補給する必要があるかどうかは疑問です。現代人が疲労感を感じる
のは本当に酸素不足だけなんでしょうか? 9月3日に放送された日本テレビの「所さんの目がテン!」
という番組が酸素をテーマに取り上げていたので早速見てみました。内容は酸素の生体内での
働き、現代人の酸素環境、そして酸素を補給する方法、極めつけは体内の酸素摂取量を増やす
為の低酸素環境下での睡眠によりヘモグロビン量増加方法と来る訳です。これはマラソン選手が
レース前のトレーニングとして行っている高地トレーニングと同じ原理によるものです。』
『このようなメディアによる酸素補給が現代人に必要という一斉報道が何か巷の酸素グッズや
酸素バーなどのビジネスを後押ししようとしているように見えてしまいます。しかも、こんなに急激な
ブームにして一過性に終わりそうな雰囲気さえ感じます。ちょっと前までは酸素は加齢の原因の
一つであるフリーラジカルの発生や生体成分の酸化を促進するので抗酸化ブームだったでは
ありませんか。実際に私達を取り巻く環境が深刻な酸素不足になっているのか、また酸素を
特別に補給することが体に良いことなのかどうか科学的な討論もされないままにメディアで一方的に
取り上げているいること自体、メディアリテラシーの必要性を強く感じる訳です。かつての酸素バー
ブームが定着しなかった原因が一切触れられないままに、時代をもう一度繰り返すのでしょうか。』
『久しぶりに骨太の雑誌記事に出会いました。出会いのきっかけは通勤途上の車内吊り 広告で、週刊ダイヤモンドの「危険な食卓」でした。広告のタイトルから受けたイメージは 最近の安部司さんの著書「食品の裏側」からみでの記事かなと思ったのですが、もっと 掘り下げた食情報への警告でした。そして書かれている記事については、私の日頃から 思っていることとピッタリと一致していたのです。さて、その週刊ダイヤモンドは8月5日号 ですので、既に書店にはありませんが、バックナンバーを取り寄せれば入手できるで しょう。記事は「特集・危険な食卓」28〜51ページに渡る迫力の内容が必読だと思い ます。担当記者は浅島亮子、清水量介、深澤献の3氏でした。』
『内容は特集タイトルの下に書かれた要約文でつかめますので引用しますと、「添加物は
危険だ」「この健康食品は体にいい」−−。あなたは、メディアの流す「食」情報を鵜呑みに
してはいないだろうか。消費者が「食」情報に踊らされている陰では、"食料安保"などの「食」
に関する本質的な議論が置き去りにされている。矛盾や誤解に満ちた食情報に迫り、資源
貧国ニッポンの課題を浮き彫りにした。以上ですが、これは「食」だけでなく、「美容」や「化粧品」
についても全く同じことが言えると思いますし、常々私が危惧していることでもありました。』
『この特集記事に書かれている中で特に強く心に留め置きたいこととして「メディアリテラシー」
があります。つまり情報を評価・識別する能力のことです。もともと日本人は肩書きのある人や
有名人、そして海外の人物による情報をそのまま鵜呑みにする傾向が強いのではないかと
思っています。その中にはエセ科学にダマされ、賛否両論ある意見については最初に出会った
情報に左右されやすい人が多く、実際に何らかの危害も生じているのではないかと思います。
そのことは私のサイト「あれ?あれ?TV番組」でも
取り上げているので是非再度見てください。この特集記事は食情報に対する受け止め方を
警告していますが、情報を流す側には必ずそれぞれの思惑があり、情報の裏側にある意図
まで含めて読み取る力、「メディアリテラシー」の重要性を強く訴えているので今回私も「食」
だけではなく「美容」と「化粧品」についても同様のこととして取り上げました。』
『多くの協力者のおかげで大盛況の内に生活習慣美容シンポジウムの第1回目を無事に 開くことができました。本当に感謝と感激の気持ちがいっぱいです。美容に関心のある 生活者から専門家まで幅広い参加者を前にして健康外来の医師、業界、販売店とそれ ぞれの立場から生活習慣美容の話をしました。うれしかったのは、参加者の方々から 生活習慣美容について同感であるとか、これは今後の希望であるとか、多くの賛同と 今後の研究を一緒にして頂ける意見があったことです。今回のシンポジウムは生活習慣 美容研究の旗揚げが目的だったので、それはきっちりと達成できたと思います。準備 していたミクシィにおける生活習慣美容研究会のコミュニティにも参加者が続々と集まり 始めてきました。これで次への展開も見えてきました。』
『シンポジウムの内容としては、健康外来の横倉先生から「生活習慣と脳疲労」について
わかりやすく、しかも衝撃的な提案も含めて話してもらいました。「禁止の禁止の法則」は
私がもっとも気に入ったところです。脳疲労チェックも休憩時間に実施してもらい、パネル
ディスカッションで解説をしてもらったのですが、大変な反響でした。そして私の話は、
「美容業界からみた生活習慣と美容」という題で、企業的に中立な立場で話をしました。
やはり化粧品や美容の目的と市場での認識にまだズレがあり、信頼できる情報発信が
大事なことを話ました。その上で、美容ケアを活かすには生活習慣を考えなければいけ
ないと問題提起しました。化粧品販売の現場では、お客様にわかりやすい「生活習慣
美容のコーナー展開」についての事例を近藤社長より話してもらいました。わかりやすい
パワーポイントも有効で、とても初めてパワーポイントを作ったとは思えないほどの
出来映えでした。』
『このように大盛況に終わると同時に、研究会として続けることへの展望も見えて来
ましたので、今後はミニ研究会を横倉クリニックのサロンで開きながら、年に2回くらいの
ペースでシンポジウムを開いていこうということになりました。今後の活動を是非一緒に
して頂ける方は、ミクシィの「生活習慣美容研究会」コミュニティに参加をお願いいたし
ます。』
『友人の招待で今年の6月23日にソーシャル・ネットワーキング・サイトの「ミクシィ(mixi)」に 入会し、現在日記の公開やコミュニティの設立をして活用しています。設定が簡単で快適に 利用できることが利用者の増加につながっているのでしょう。ミクシィは2004年2月にスタートして 現在の利用者は500万人を超えると言われています。運営会社の株式会社ミクシィの3月に 発表されたリリースによれば2006年の3月1日までの利用者の急増ぶりは目を見張るものが あります。私もブログをつくってみようと思っていたのですが、良いタイミングでミクシィに出会え、 現在は写真日記を書いています。もし、ミクシィに既に入っている方で私の写真日記を見たい 方は、検索するとき「岡部美代治」の名前で行えば私のミクシィにたどり着けます。』
『既に現時点で500万人以上の利用者があり、ネット同好会ともいえるコミュニティの数も
非常に多く、あらゆるジャンルの情報が交換されています。当然ですが化粧品や美容に
ついてもコミュニティが多数あります。8月1日現在において、コミュニティのキーワードを
化粧品で検索すると1081件ヒットしました。しかし構成しているメンバーが数名のコミュニティが
多いのですが、500名以上のメンバーによるコミュニティも数多くあります。コミュニティの
管理者が情報の公開やメンバーの承認や承認取り消しまで出来るため、情報が荒らされる
危険性も少なく、今後も活用する人は益々増えていくと思います。現在の所はまずは利用して
慣れる段階で良いのではないでしょうか。』
『今回ミクシィを取り上げたのは、インターネットでの情報発信、情報交換がある程度のコント
ロール可能な形で行えるソーシャル・ネットワーキング・サイトが今後において発展する可能性が
大きいからです。私も今利用し始めたばかりなので、まだ使っていない機能がたくさんあります。
ただ使い始めて感じるのですが、今までネット上で行いたかったことが簡単に試すことができる
便利さは快適そのものです。このようなサービスは今後もまた増えていくのでしょう。ネットの
世界も日々進化していますので大いに期待したいものです。ただし、便利だとはいえ危険性も
絶えずつきまとうものです。セキュリティの管理はしっかりする必要があることは言うまでも
ありません。』
『この3月から新しい陶芸教室に通うようになりました。そして土練りの基本からしっかりと 学ぶことにしました。今までは自由に気ままに作れることで様々なデザインに取り組んで いたのですが、思うようにできあがらなかった理由がわかりました。でも、自由につくれた ことで私は陶芸の入り口を楽しく通過したことも、その後に作りたい形や色に大いなる期待を 寄せたことも事実ですので、この陶芸への入り方は、それはそれで良かったと思って います。そうした最初の陶芸触れ合い時期を過ぎて、今、基本からしっかり習い始めて 感じたことは、作りたかったデザインの幅が広がっていく楽しみ、いや期待感の膨らみ です。』
『ここの段階に入ってくると、ちょっと考え的に余裕みたいなものが生まれ、陶芸と化粧、
陶芸と美容について関連性があるのではないかと考えてみました。そうですね、土練りは
スキンケアで言うとマッサージなのかもしれません。土練りをすることで粘土を均質に
整え気泡を抜いていきます。何より粘土に流動性が出てくることは肌で言えば柔軟性に
当たるのでしょうか。私はまだ菊練りが上手に出来ませんが、マッサージも簡単に見えて
難しいのだなと感じています。どうしても力が入りすぎて無駄な動きが多すぎます。
次に粘土を紐状に延ばして重ねながら円柱や角柱を作るのですが、粘土を丁寧に
なじませながら、そして締めて表面を整えていきます。この段階がひょっとしたらスキン
ケアの保湿・キメを整える段階なのかも知れません。ちょっと強引な関連づけですが、
そう考えることも出来ると陶芸も楽しくなります。』
『このように土の塊から、イメージしたものに造形していくわけですが、このあたりは何に
例えて良いかはまだ解りません。一応形が出来上がったら素焼きをし、絵付けや釉薬を
つけて本焼きと進むのですが、この過程がメイクアップと言うことになるのは解りやすい
ことですね。陶芸も考えようによっては何にでも例えることが出来るのかも知れません。
このあたりにもの創りに共通する何かがあるのでしょう。それから一番重要なことは、もの
創りに熱中し、出来上がったものに心を和ませることは心のビューティケアなのではないかと
思ったのです。陶芸に限らず一生続けられる趣味を持てば、その趣味を通じてものの
美しさを感じ取ることが出来れば、それは心のビューティケアになるように思います。東京
地下鉄の外苑前駅から歩いて5分もかからないところにある陶芸教室「栗田クラフト」には、
心のビューティケアを楽しむ仲間や先生がいるのです。』
『もう2年ほど続けてきたclub.Cにおけるコスメソムリエ活動の研究成果を発表することになり ました。美白美容液、保湿&アンチエイジング美容液、ファンデーション、そして今年は 化粧水の評価にチャレンジして、研究成果も課題も満載です。ということで、今回の発表 会は化粧水の評価について現在まで解析できたことを発表しました。またせっかくソムリエ の方々に集まって頂くのだからコスメソムリエのクィーンを選ぶことにしました。一種の ゲームですが、5種類の化粧水を同じボトルに入れて、その化粧水の商品名を当てる 訳です。2人構成のチームで協力しながら当てようと言うわけですが、答えは8種類の 商品名から選ぶことにしました。さてその結果クィーンは誰になったのでしょう。2チームが 同点決勝を競い、ジャンケンで勝ったのは写真の右上のお二人でした。』
『毎月2回開いているコスメソムリエ活動ですが、化粧水の評価項目を決めて、評価項目の
見方を揃えた一覧表をつくり、コツコツと評価をしました。評価項目は24項目になりました。
始めるにあたって皆で検討したことは使い方の統一でした。化粧水は手にとって使うもの
からコットンに撮って使うものまで様々です。肌へのなじませ方もパッティングするものから
そーっと手のひらで優しくなじませるものまであり、使い方次第で評価も違ってしまいます。
検討の結果、全て手にとってパッティングしないでそのまま肌になじませて評価してみる
ことにしました。まずはこれで化粧水の特性を捉えることが出来るのではないかと考えて
みました。そしてある程度評価が進んだところで、コットン私用と手でなじませることの違いを
チェックしようと決めました。』
『今までの商品と同じように主成分分析法を使い、評価結果を3つの成分で表すことができる
ことが解りました。「みずみずしく引き締まる」、「コクがありしっとりする」、「キメ細かくハリが
でる」の軸です。それぞれの商品を座標に表すことで商品の特性が明確になります。ただし、
この場合は使用法が手であることを忘れてはいけません。そこでコットンでパッティングした
場合と手使用での違いを2種類の商品でテストしてみました。コットンはそれぞれの商品に
使われるものをにして評価を行いました。結果は、Aという商品はコットンにより引き締め感が
強まり、使用中の清涼感と使用後のハリ感が強まりました。一方Bという商品は、コットン使用
により使用中の肌あたりの柔らかさ、使用後の清涼感、使用後の引き締め感が強まったのです。
コットン使用と手使用の違いを確認できましたが、ここで課題として商品により効果の出方が
変化するという事実でした。やはり商品の評価をすることは一筋縄には行かないようです。
ということで、化粧品にはそれぞれの使い方を大事にする必要があることを実感して今後の
ソムリエ活動を続けることに決めました。この次の報告をご期待ください。』
『思いついてはや1年近く経ちましたが、この度「生活習慣美容シンポジウム」の第1回目を 8月6日(日曜日)の午後に開くことになりました。そもそもきっかけは健康外来サロンという看板の もとに活躍されている横倉クリニックの横倉先生との会話でした。生活習慣病という言葉がある けれど、病気を語るのではなく、もっと前向きに五感を刺激して生活習慣を楽しむことを語るべき ではないのかという意見で一致したのです。体や心の健康も肌の健康も全てが生活習慣の 捉え方次第ではないかという発想でした。そしてこの話を甲府市で化粧品専門店を経営されて いる近藤さんに話したところ、それは良い考えだと言うことで、早速お店での接客で取り入れて もらったのです。そうこうしている内に、生活習慣美容についてお互いに語り合い、同じ考えを 持つ仲間が増えると、もっと生活臭習慣美容という提案が広まってたくさんの活用できるアイ デアが増える期待もあり、シンポジウムという形で開催することに決まりました。』
『という訳で、発起人の横倉恒雄、岡部美代治、近藤紫朗の3人が生活習慣美容研究会を
設立して進めることにしたのです。ちなみに私の立場は、美容情報を客観的に発信している
「ビューティサイエンスの庭」主催のビューティサイエンティスト岡部個人として参加しています。
つまり企業的には中立的な立場となります。世の中様々な美容と健康の情報が流れる中で、
あくまでも使用者の立場に立って、出来る限り科学的で正確な情報を解りやすく発信して
いくものです。』
『長いこと化粧品業界で仕事をしていて「化粧品」と「美しく魅力的に生きる」こととの関わりに
ついて考えが少しですがまとまり始めました。研究所時代に有効性と安全性、そして処方研究
をし、本社へ移動してから、美容法、カウンセリング法、そして商品開発という仕事を通じて
たくさんの体験が考えさせてくれました。その体験の中でやはり大きかったのは、実際に
化粧品を使って美しく魅力的に生活をしている多くの化粧品愛用者と話ができたことです。
また、化粧品愛用者に美容カウンセリング、美容アドバイス、お手入れサービス、化粧品
販売をしていらっしゃる多くの化粧品専門店や美容アドバイザーの方々との情報交流が
とっても有意義でした。また、この「ビューティサイエンスの庭」サイトを通じて、たくさんの
質問やご意見がメールで寄せられ、情報発信の責任も強く感じると共に、美しく魅力的な
生き方に役立っていると感じています。』
『そのような体験を整理してみると、「美しく魅力的に生きる」ということの一番大切な環境が
「生活習慣」にあるのではないかと思ったわけです。私の立場から言うとすれば、化粧品は
健全な生活習慣のもとで効果を発揮するし、肌にあった化粧品を使うことで健全な生活習慣を
サポートするという相互関係が成り立つように思います。化粧品に限らず、食事、運動、
趣味、教養、ファッションなどたくさんの美と健康に関係する事柄についても生活習慣との
相互関係が成り立つのではないかと思ったわけです。これらの関係を研究して、もっと
生活習慣を「美しく魅力的に生きる」ことへ還元することが出来るように願って生活習慣美容
研究会を立ち上げてみました。そのシンポジウムの第1回目を2006年8月6日の日曜日に
開催することにしたのです。』
『よく肌をいつも若々しく保つには何が大切なのか聞かれますが、その時に「肌年齢」という言葉が 使われることが多いですね。美容特集記事やTVの美容特集番組で効果検証の方法として使われ たり、化粧品の販売時に問診や機器による肌診断で使われることが多いので認知度も高まって いるのでしょう。しかし、科学的な立場で「肌年齢」を考えると、定義にしてもきちんとした共通認識は なく、各企業や各専門家によってバラバラの状況に見受けられ、お互いに検討し合った様子も ないように見受けられます。年齢によって肌の見え方が違うことは誰でも解りますし、加齢によって シワ、タルミ、シミなどが増えていくことも事実ですが、あくまでも個人差があり、おおざっぱな 平均的傾向でしか捉えることが出来ないでしょう。』
『それにしても肌の年齢的な傾向が平均的に捉えることが出来ますので、おおまかな肌状態から
「肌年齢」を推定することもできるでしょう。しかし、ここに大きな落とし穴があるのです。それは
顔の肌だけをみても肌の年齢による影響が違っているということです。例えば実年齢が30歳と
して、目尻は40歳、しかし頬は25歳、口元は30歳、何と額は20歳という場合もありうるのでは
ないでしょうか。つまりどこの部位をみて「肌年齢」なるものを判断すれば良いのでしょうか。この
点についても美容や医療の専門家により討論されたことがあったとは聞いたことがありません。
なのにまるで科学的な根拠があるかのように断定的な「肌年齢」診断が使われている現在なの
です。私の現在の考え方として、おおまかな肌状態を表すために「肌年齢」を使うのは良いと
思いますが、31歳とか34歳など細かな数値で表すことはあまり意味はないのではないかと
言うことです。』
『そもそも肌は若く見えるか、老けて見えるかの一要素に過ぎないのです。だから例え「肌年齢」
が測れたとしても、毛髪状態、目や口の形、フェースラインの形、それに全体のプロポーションや
仕草など、年齢に関する要素はたくさんあるので肌だけでは決まりにくいのではないでしょうか。
もちろん肌を若々しく保つことはとっても大事なことですが、いちいち「肌年齢」を区切ってまでの
細かさは不要なのではないかということです。きちんと肌に合う基本的なスキンケアをしている
のなら、そんな細かいことにはこだわらず、もっと顔全体、いや体全体もみながら若々しく魅力的
に魅せる努力が大事なのではないでしょうか。私は現在そう考えているのです。』
『そういえば最近は「脳年齢」なる言葉が話題になることも多いようですが、これとておおまかな
もので1歳区切りの単位で測れるようなものではないと思います。まあ脳を若く保つ為のゲーム
を楽しむ時に使うスコアとして使ってもかまわないと思います。しかし実際の脳の年齢は定義する
ことが難しいし、測ることは意味がないと思います。大脳生理学者はこのような時こそ大いに
議論して欲しいものです。』
『今回、直接には美容に関係ないかも知れませんが、音楽の効用と美容について考えてみます。 気分の良い時に、自然と好きな歌や良く聴いている歌を口ずさむことは多いのではないでしょうか。 そんな時は自分でも何だか調子が良さそうと自覚して、更に気分の良さを強めていると考える ことができます。別に音楽でなくとも、ステップを踏んだり、ダンスのような動きをしたり様々ですが、 私にとっては音楽であることが多いようです。気分を反映する音楽、気分を切り替える音楽、そして 気分を高めたり鎮めたりする音楽というように、もっと音楽を意識的に活用すると良いのかも知れ ません。しかし、あまりその意識を強めると音楽を楽しめなくなってしまいますので、この頃合いが 難しいところです。』
『やはり音楽とはその文字が示すように、「音」を楽しむことにあるのではないかと考えます。
「音」にはメロディーとかリズムとか音楽の要素が全て含まれていて、それらの複合的なものが
音楽で、ジャンルはたくさんあるのです。そして昔ながら聴いていた音楽、新たに聴いて好きに
なった音楽が私達を楽しませてくれるのでしょう。一人一人音楽に出会う経歴が違いますし、
生活環境、特に文化的な背景が違ってきますので、楽しめて好きな音楽は各自各様となり
ます。』
『今回、このコラムで取り上げたかったのは、音楽の心理効果とか、美容にどのような仕組みで
効用があるのか解説することではなかったのです。最近特に私が感じているのは、音楽の
好みを通じて仲間が集まると、楽しく過ごせるだけでなく、その集いをエネルギーの集中場と
して、新しい人々と出会える楽しみです。その出会うことによって新たなものを得ることが、
実は音楽をただ単に楽しむだけではなく、生活に充実感や広がりをもたらしてくれることが
多いことを私は実感しています。ということで、今回は昨年から今年にかけて、ロック、特に
ハードロックとかヘビーメタルが好きな仲間の会とジャズクラブでのhirocoさんのライブを紹介
します。』
『まずは「ロック居酒屋の会」と名付けたロック好きの仲間が集まる会ですが、世田谷区池尻に
あるブラックモアというロックバーで開きました。お互いに好きなロッカーの名前をニックネーム
として勝手に付けて、好きな音楽をリクエストして大いにエネルギーを発散しました。ちなみに私は
シェンカーというニックネームですが、これでピンとくれば立派な「ロック居酒屋の会」資格アリと
いうことです。さて、がらっと雰囲気が変わりまして、偶然友人に二次会へ連れて行かれた
ところがジャズのミニライブをしているクラブでした。そこで出会った歌手のhirocoさんと、何と
料理の話になりました。私が江戸川区に住んでいて小松菜が名産だと話したことから話が
弾んだのがきっかけでした。小松菜の美味しい簡単レシピを教わり、こんどまたライブに
行くことを約束し、3月29日に赤坂にある「JAZZ CLUB Kei」に友人と行きました。そこで
また新しい出会いがあり、音楽が取り持つ効用に改めて気づいたのでした。ちなみに歌手の
永野寛子さんのブログ「ジャズ日記」を紹介します
ので、興味のある方は是非聴きに行ってみてください。』
『今から3〜4年前にブームになったマイナスイオン商品のことを覚えている人は多いのでは ないでしょうか。ひょっとしたらまだ効果を信じて使っている方もいらっしゃるかも知れませんが、 今回の話を読んで、冷静に判断してくださいね。おそらくきちんと科学を勉強された方なら、 マイナスイオンブームのときに変だなと感じたことはあったのではないでしょうか。私もその ように感じていましたが、テレビ番組で放送され、各企業からマイナスイオン商品が相次いで 発売された時、さすがに大脳がゆらぎました。現在もマイナスイオンの効用を訴求している 商品が販売されていますが、かつてのブームほどではないように感じています。最近では トルマリンという鉱石と結びつけている傾向にありますが、まだまだマイナスイオン信者は 根深いものがあります。これほどの影響を残したブームには、科学的姿勢から物事をみて いく立場の私達が学ぶ教訓が多そうなので、今回取り上げてみたのです。』
『まず現在のところ、マイナスイオンについて信頼できる情報を読むなら、Wikipediaとうネット上の百科事典がお奨めです。私もうっかり
していたのですが、そもそもマイナスイオンという科学用語はないということです。化学では
イオンという用語はありますが陽イオン、陰イオンと呼ばれ、それぞれに+と−の記号がつけられて
いますが、英語ではポジティブイオンとネガティブイオンなのです。ということは、マイナス
イオンとは純然とした日本語英語で科学的な定義はされていないのです。そしてマイナス
イオン商品について説明されていた健康や美容に関する効用は科学的な証明はされていな
かったということです。(科学的というのは客観的、そして研究討論がなされたものと定義し
ます)なのに空前のブームを引き起こしたのは、やはりブーム当時にきちんと科学者が
警鐘をならさなかった道義的責任は大きいでしょう。世の中の状況に疎い科学者はいるの
ですが、それでは困ります。』
『さて、このようなブームは何らかのきっかけがないと発生しません。考証してみますと、
どうやら火付け役はテレビ番組といわれています。中でも決定打となったのが2002年
1月27日放送の「あるある大辞典」だとされています。この番組を私は直接観ていないの
ですが、「発掘!あるある大辞典」
というHPに内容と感想が記載されていますので参考にしました。もう一つの火付け
要因は科学的権威を標榜する専門家達でしょう。マイナスイオンの普及には3大権威と
呼ばれる堀口昇、山野井昇、菅原明子の3人が果たした役割は大きいといえます。
経歴をみますと堀口氏は医学博士、山野井氏は保健学博士となっていますので、それ
なりの権威背景がありそうで、信用を与えたのでしょう。そのうち堀口氏は2003年8月
14日に薬事法違反により業務停止処分を受けていました。』
『ということで私の考えるマイナスイオンのブームから学ぶことは、ブームには慎重に
なれということでしょう。テレビ番組の情報や権威付けする専門家達が煽っていても、
その背景に商売が見えた時や名声を得ようという気配が見えた時は要注意の信号
かも知れません。』
『もうすっかり恒例となりました「i-VOCE」のオフ会。今年は素敵なプライベート空間を見つけて いただいて、更に私が出席しやすいようにと、日曜日の開催にしていただきました。場所は、 ついこの間オープンしてにぎやかな表参道ヒルズの近く。とある方のサロンを借りてのオフ会 でした。日当たり良好、景色も良く、何より他のお客様を気にしなくてよいくつろぎ感が快適な 環境です。今年初のオフ会とあってVOCE編集長の関さんも出席。タカミクリニック南青山の 高見先生も途中から合流して、それは大変な盛り上がりでした。初めての参加の方も多く、 始めは硬くなって様子をうかがい、でも、最後にはすっかりうち解けて質問や意見交換を 盛んにされていました。』
『私にも数多くの質問があって、たくさんの研究課題をいただきました。なかでも、肌の乾燥
についてが多く、具体的な肌状況を聞く中で、どうやら「乾燥感」というキーワードが脳内に
グサリと突き刺さりました。そういえば肌の乾燥に関する商品情報やお手入れ方法の記事は
多いのですが、乾燥そのものに関する情報が薄いのではないか、或いは解り難いのかも
知れないと感じられました。乾燥していると質問された方の肌を観ても、化粧してからの時間を
考慮してみても、肌が乾燥しているとは思えなかったのです。化粧して、お昼にはシワっぽくなる
とか言う感じを肌乾燥と思っていると言われました。確かに乾燥気味なのかも知れませんが、
肌の状態は健康的に見えるのです。』
『そのような状況を考慮して、どうやら肌が乾燥しているのではないかと不安になり、それが更に
肌へ注意が行き過ぎることで、乾燥してると思い込んでしまったのではないかと考えました。
そこで、幾つか逆に質問しながら肌状態をみたところ、問題はなく、そして良い肌状態であると
確認できました。そのことを伝えたので安心してもらいました。ということで、思いこみ乾燥肌と
いう状態もあるのではないかと気づいたわけです。そのような場合には、肌状態を充分に専門
家に見てもらって納得いく説明を聞いてもらうような機会が必要でしょう。そう言う訳で、肌は
おおむね健康状態、普通肌として見える場合に、自分の肌は乾燥していると思っている方が
まだ多いのかも知れません。その状態の肌を、私なりに「乾燥感肌」と名付けてみました。
更に検討を重ねて研究を続けていきます。多くの美容に関するヒントが生まれるオフ会は
大歓迎なのです。』
『久々に骨太な美容記事の取材に出会いました。とは言いましても、すべての雑誌に眼を通して いる訳ではありませんので、その点はお許しください。さて、その骨太な美容記事は、今週の 「載った雑誌」に取り上げた講談社の「フラウ 3月5日号」の199ページ、「今年は信じる美白」と いう美白特集記事です。実は、この取材依頼があったのは昨年の11月、取材は12月でした。 依頼を受けた時に「最近の美白理論や商品が難しくなってきていて・・・」と、その背景を聞いて、 私がこの頃感じていた業界の動向と同じでしたので、ここはきちんと対応したく思い、その取材 を快く受けることにしました。』
『記事の囲みに、「何だか、いつも難しいことを言われて煙に巻かれてしまいます。私には一生、
理解できないままなのでしょうか?」と生活者の気持ちを表してあります。このような話は、私も
化粧品専門店や、化粧品の愛用者からよく耳にしている言葉の一つなのです。きっと、各化粧
品メーカーの新製品情報を聞きに行っている美容ジャーナリストの方々もそのように感じている
割合は高くなっているのではないでしょうか。そこを正直に、しかもダイレクトに取材申し込みを
していただき、骨太の美容記事に仕上げて頂けたことは、とっても嬉しいことなのです。私も、
取材依頼を受けた以上、しっかりと準備をして、実際の取材に備えました。メーカーとしての
立場もありますが、やはり一番大事にしたのは化粧品に投資して美しくなりたいと使い続けて
いただいている使用者の方々の立場に立って物事を考えることでした。』
『取材の場では、それこそ、基本の基本から話し始めて、現在までの動向と、自社も含め、
化粧品メーカーの各新製品の開発背景を客観的に話すことから始めました。そこで大事に
したことは、美容ジャーナリストの質問にはその都度丁寧に答える姿勢です。質問が出る
背景をしっかりと捉えないと、それ以降の話がとぎれたり、誤解されて修復できないことが
よくあるからです。そう、質問の背景を把握することがとっても大事なのです。そのように
進められた取材の結果が、今回の美白特集記事になって仕上がったのです。それから、
校正もしっかりとすることができるのも良いですね。TV番組の取材では、まず事前の
チェックや校正が効かない場合が多いので、なかなか難しいのです。ということで、ぜひ
この記事を読んでみて欲しいのです。そして、感想やご意見がありましたら私や、或いは
雑誌編集部へ届けてください。実は、このような意見交換が良質の記事を作るのに
大いに貢献しているのです。』
『陶芸を始めてはや1年半となりました。ただ作ることで終わらず、何か作った想いを表現できる 場があると良いのではないかと考え、作品の発表会を提案したのが昨年の秋でした。それから 教室のメンバー全員が一丸となって、それぞれの作品に対する思いを表現できる発表会の準備を 進め、この1月28日と29日に開くことができました。会場は清廉な空気に包まれた三木武夫 記念館です。陶芸作品を展示するにはピッタリとした場所ですが、私は陶芸を伝統の重みだけで なく、もっと生活感が感じられる楽しい要素が好きでしたので、そのような雰囲気が伝えることが できるような発表会をイメージしていました。それらの要素を全て融合できる作品発表会を部屋別に テーマを設けて、友人達の献身的な協力があって実現できました。』
『発表会の雰囲気を一枚のコラージュで伝えることは、やはり無理でしたが、なんとかこの写真で
感じ取ってみてください。三木武夫記念館は展示会場が2つと茶室、和室が2〜3あります。今回は
展示会場を一つと、和室を2つ借りて、展示会場はいわゆる陶芸作品展としてメインの会場に設定
し、和室を「ネイチャー(自然の恵み)」と「団欒(楽しい食生活)」のようなテーマ展示としました。
「ネイチャー」は私が担当し、「団欒」は友人にお願いして演出をしました。「団欒」の展示は素晴らしく
感動的で、来客の方々が「まるで人が居て賑わっている感じだ」と言われるほどでした。私の担当
した「ネイチャー」は自然界の生き物である動物から植物へ流すレイアウトで、特に植物は実りと
そこからの恵みと言うことでビールやワインをイメージして、ビアジョッキとワイングラスを置いて
みました。』
『そして、私のこだわりポイントは、作品が展示の為にあるのではなく、人の手にとってもらい、
使ってもらうことでした。更に「可愛い」とか「面白い」という感情をもって使ってもらえば、その場が
楽しくなるのではないかと考え、作品を手にとった表情ある写真もその場にレイアウトしてみました。
また、実際に作品を手にとってもらい、温もりを感じて頂きました。コラージュの写真にそのような
雰囲気を取り入れて見ましたので、そこのところを感じ取って頂ければ幸いです。それから、今回の
作品発表会で一番良かったと感じたことは、教室の会員が一体化してそれぞれの友人の協力を
得て、展示会に足を運んで頂いたお客様共々、本当に楽しい時空を共有できたことでした。確かに
大変でしたが、終わってみて、またやってみたいと思った訳なのです。』
『1月14日の土曜日に、陶芸教室の有志で企画した「日本橋七福神巡り」と「お蕎麦づくしの 懐石料理で新年会」を雨天の中、決行しました。どういう訳か、この冬は雪や雨が少なかった のに、その日だけ、しかも巡り歩きする午後に強い雨となってしまいました。しかし、呉服屋を されている地元の野田さんによる絶妙なコース取りと解説でスムーズに巡ることができました。 そのコースは、日本橋の越後屋をスタートに、近くの楊枝屋さん、小網神社(福禄寿、弁財天)を 最初の七福神として回りました。七福神なのですが、日本橋の場合は八福神を巡るのが基本と なっているのです。』
『いつも思うのですが、身近にある名所はなかなか見て回ることが無いだけに、新たに発見する
ことが多くて楽しいものです。メインの水天宮では、雨に濡れて幸せそうな河童の親子に出会え
ました。これは雨が降っていなくては様になりません。そう言う意味では、晴れの日に七福神
巡りをするのが理想的ですが、雨には雨の楽しさを見つけなさいと言うひとつの啓示だったので
しょうか。ということで、写真には河童の親子を載せました。神社も良いのですが、参拝客の
目当ては美味しいものにもあるのです。人形焼き、煮豆、などなどたくさんのお店が都市化する
中で、しっかりと力強く継続しているのはうれしいですね。』
『さてゴールは陶芸教室のメンバーである小林義一さんのお蕎麦屋さん「日本橋更科大一庵」での
新年会です。しかも同じく陶芸教室のメンバーでフードジャーナリストとして活躍されている
向笠千恵子さんのコーディネートによるお蕎麦づくし懐石です。若き蕎麦屋の大将も腕をふるっての
豪華な新年会でした。今回、新たに出会った人々も、美味しい料理と会話によって、何らかの
御利益が生まれたのではないでしょうか。また、このような「巡りと食の会」を企画してみたくなった
のです。』
『私がビューティサイエンティストとして活動を意識し始めて16年以上は経ちました。今思えば ずいぶんと長く続いたものです。不思議と年々活動の領域が広がってきており、どうやらライフ ワークとして定着してきたのかな思うこの頃です。特にこの一年間は急速に人脈が広がって 来て、新たに気づいた領域が数多くありました。料理に、ワインに、お菓子に広がったことは うれしいことで、このことから「美肌食」というか、「美容飲食」というようなテーマに取り組みたく なった訳です。元々関心が高い領域でしたので、今後はもっと科学的な見地に立って、美容と 健康に関わることを検証したり、実践したりして、広く情報公開してみようと言うわけです。』
『ライフワークというと大げさなようですが、活きている限り続けていける「仕事」と考えています。
仕事と言っても会社だけを指すのではなく、自分と社会との関わりに関する全てのことだと
考えています。だから、自分からも社会に対して働きかけることを意味しているわけです。
この「ビューティサイエンスの庭」というサイトを通じて様々な美容と健康の情報を公開し続け
ていることも仕事だと思っているのです。先ほども述べましたが、人脈の広がりが仕事を
より進めてくれます。まさに、人一人ではできなかったことも可能になってきました。ありがたい
ことだと、いつも感謝の気持ちを忘れることはありません。』
『今までビューティサイエンティストとして活動してきた中で、美しくあること、魅力的である
ことについて気づいたことを一時的に整理してみます。それは、美とか魅力に関して、何か
法則のようなものが見え始めたことです。まだ薄ぼんやりとしていますがそう感じます。
私が美しいとか魅力的であると感じる人と会っている時、その人自身が美しいものや
魅力的なものに対して鋭いセンサーを持っていることを私は感じ取っています。それは
自覚されている場合もあり、また無意識的な場合もありますが、美に対する直感的な感度が
高いように思います。そのような美しく魅力的な人と話したり、一緒に何らかの活動をして
いると、何だか誘導されるようにセンサー能力が移ってきそうな気がするのです。美や魅力に
対する作用・反作用がひょっとしたら大事なのかも知れません。私達生きているものとしては。
そういうことを考えながら、きっと私はこれからも「仕事」をし続けるのでしょう。きっと。』