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第4回 「おれがすき。」 ![]() 熊野三山の真ん中、新宮市にある神倉神社で2月6日に行われるお燈まつりは再生を体感する神事。 白装束に荒縄、片手にはタイマツという救いようのない衣装に身を包んだ男達が、神火を片手に神倉山の538段の石段を一気に駆け降りる。 その瞬間、山には炎の滝が流れ天に昇る龍の姿を映し出すという。 毎年、熊野に惹かれた者たちが全国からこのまつりに駆けつける。 僕も仕事で熊野に接触することになって以来、 この世界にハマってしまった。 そしていつのまにやらか、お燈まつりはだいじな年中行事のひとつになり、参加すること今年で4回目となった。 ![]() まつりの本番は夜に行われるのだが、 王子が浜という美しい外海に向かって正午に執り行われる禊ぎの儀式に参加するため、 早朝から車を5時間走らせて来る事も僕たち仲間うちでの決まり事となっている。 極寒の海で悠々と読み上げられる祝詞をバックに、 フンドシいっちょで荒波にうたれること十数分・・・ことしは、 なるべくいい子になることを不堕落の海の彼方に誓う。 ![]() |
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クライマックスは炎の海となった山上の境内で ポールポジション争いにボコボコになりながら、 鳥居の門が開けられると全力疾走で山を駆け下り麓のゴールを争う。 街は男の帰りを見届けようとする女達で埋め尽くされていて、 ![]() | ||
とにかくシンプルで躰を張ったおまつりなのだが、
山のうえで神火が打たれ、3000人ほどのタイマツに火の手がまわり、
それが幽玄に立ち上がっていく光景は凄まじく獰猛に、この世の感覚を失うほどに美しい。
![]() ![]() (第5回はトヨダさんの予定です。お楽しみに。) |
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★こばやしくんからトヨダさんへのメッセージ★ 知らない人にメッセージするのって、ごっつい苦手なんです。だけど僕のともだちにも玉置神社で巫女をして熊野に住み込みこんだ女の子がいます。いちどゆっくり写真をとりに行きたいと思ってるのですが、熊野でおもしろそうなところ知ってたら教えてください。 ★こばやしくんからマサコさんへのメッセージ★ 金沢に住んでるんですね。僕は七里ヶ浜が好きで、たまに思い出しては高速道路をぶっ飛ばして行ってます。いつか会えたら遊んでください。
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(レーコより)小学生の時からの幼なじみ、こばやしくん。大した喧嘩もせず、今まで仲良く過ごしてきましたね。当たり前のように感じてたけど、この歳になって「これはかなり貴重な関係である」ということに気付きました。友達歴の長さもさることながら、互いのテンションが小学生の頃から大して変化せず、会えばアホな話で盛り上がってるところは、感動的ですらあります。面白いことに敏感で、いつも仲間を引っ張っていたこばやしくん。好きなことが仕事になり、今やアートディレクターとしてすっかり貫禄がついてしまったけど、昔も今もこれからも、半ズボン姿で不思議な歩き方をしてた「こばやしくん」を思い出そう。老後の茶飲み友達候補として、お互い少しは長生きしましょかね。 |
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