現代音楽 (contemporary classical) の作曲コンペに合わせて開催されるアニュアルのコンサート『コンポージアム』。 今年の審査員となったイギリスの作曲家 Mark-Anthony Turnage を知ったのは1990年代の Argo からのリリースで、 特に John Scofield, Peter Erskine というジャズ・ミュージシャンを迎え Ensemble Modern の演奏で録音された Blood On The Floor (Argo, 466 292-2, 1997) の印象が強く残っています。 最近の作品はチェックしていなかったので、ライブで聴く良い機会と、足を運びました。
前半は Stravinsky と Sibelius の数分の曲の後に師 Oliver Knussen に捧げた6部構成の曲 Last Song for Olly、 後半は自身による短いファンファーレ様の曲の後に肉腫で早逝した友人の息子 Evan Scofield に捧げた4楽章構成の Remembering という、追悼する曲を核に構成されたプログラムでした。 Blood On The Floor からの先入観もあるかと思いますが、 Last Song for Olly にしても Remembering にしても、 特に導入部は、目立つ管楽器の音色や響き、反復でノリを作り出すのではなく少々とっ散らかした感のある打楽器音に、現代的なビッグバント・ジャズに近しいものを感じました。 しかし、そんなことを思いながら油断して聴いていると、ストリング使いなどもあって、いつの間にか違う音世界に連れていかれるよう。 選曲のコンセプトが掴めたという程ではありませんでしたが、展開を楽しみました。