登場人物 59 仕事の話（五）

主要登場人物

藤野(ふじの)の美那(みな): 　玉井の市場町に住む少女。十六歳（数え年、他の登場人物も同じ）。事情があって、市場の老舗の葛餅屋「藤野屋」に預けられ、育てられている。いちおう主人公のはずなのだが、しばらく出番がなかった。早朝に葛餅作りに使う水を汲みに行くのが仕事［春の朝］。なお、養親の薫に「いくら申し開きがめんどうといっても、いきなり頭を下げて謝るものではありません」と「意見」されたことがある［安濃詣で（一）下］。この家に引き取られたころには素行があまりよくなかったらしい［町に集う人びと（一）中］。
広沢の葛太郎(かつたろう): 　牧野郷川上村出身で、牧野郷の借銭が返済できなくなったため、その身代わりの人質として町に連れてこられた。「広沢三家」のうち「中の家」の子、繭(まゆ)の兄。藤野屋に預けられている。前日、仕事中の橿助(かしすけ)に話しかけたために、橿助が鍋を沸騰させかけてしまった。橿助は激怒し、葛太郎だけでなく、葛太郎を叱りに出てきた毬(まり)までひどく叱りつけた［仕事の話（一）下］。前日深夜、作り置きの葛餅を五箱連続で爆食いし、そのまま眠ってしまったらしい［仕事の話（四）下］。
橿助(かしすけ): 　藤野屋の使用人頭。味覚の衰えを理由に隠退を決意している［桜の里（三）4.］。橿助が葛太郎に激怒したのは、葛太郎につきまとわれたぐらいで散漫になってしまうような注意力の衰えを意識したからだというのが薫の考えである［仕事の話（二）下］
藤野屋の薫(かおる): 　藤野屋の主人。夫と息子に先立たれたあと、店を一人で経営している。藤野の美那の養親。落ちついたものしずかなひとだが、美那は薫に「意見」されることを何より恐れている。
駒鳥屋のあざみ: 　藤野屋の隣家駒鳥屋の一人娘。藤野の美那が藤野屋にもらわれてきたころからの親友。
広沢の毬(まり): 　牧野郷川上村出身の少女。「広沢三家」のうち「上の家」出身だが、葛太郎らといっしょに「中の家」で育てられ、葛太郎の姉のような役を果たしている。牧野郷の備蓄米放火事件の際に火傷や擦り傷を負った［桜の里（六）5.］。
広沢の繭(まゆ): 　葛太郎の妹。

話題としてのみ登場する人物

馬: 　浅梨(あさり)治繁(はるしげ)の屋敷で藤野の美那が馴らしている馬［あばれ馬］。……って今回「話題としてのみ」はこの馬だけ？いつも「話題としてのみ」のほうが多いのに――う～む、なんか見落としてるような……。

正興─────┬正勝────────┬那世
　民部大輔　　│　民部大輔　　　　　│　姉姫、深雪の方
　玉井春野家　│　玉井春野家　　　　│
　初代　　　　│　第二代　　　　　　├正稔
　大民部　　　│　小民部　　　　　　│　民部少輔、幼名：信千代丸
　　　　　　　│　　　　　　　　　　│
　　　　　　　└定範　　　　　　　　└美那
　　　　　　　　　越後守　　　　　　　　妹姫
　　　　　　　　　現在の三郡守護代
　　　　　　　　　∥
　　　　　　　　　∥
柿原忠佑───┬田山の方（千草姫）
　大和守　　　│　（定範の正妻）
　竹井郡代官　│
　柿原郷名主　└柿原範忠
　柿原党総帥　　　主計頭
　　　　　　　　　竹井代官代

夢の城

― 登場人物 ―

仕事の話（五）

主要登場人物

話題としてのみ登場する人物

玉井春野家関係者等の系図

玉井春野家（三郡守護代家）と柿原家

牧野家（牧野郷名主）と森沢家（森沢郷名主）

桧山家（港の名主）

杉山家（定範政権評定衆）

浅梨家

柴山家（巣山郡代官）

中原家（中原郷中原村、中原郷名主家）・立岡家

広沢三家（牧野郷川上村）